恵比寿新聞は東京恵比寿の粋な情報を発信するWEBマガジンです。

((編集後記))街と人とメディアのつながりに大きな可能性を感じた2016年COMMON EBISU編

皆さま今年もいろいろとお付き合いいただきありがとうございました。恵比寿新聞でございます。今年の締めくくりはいつもと違うトーンでいつにもなくプライベートな締めくくりで書き綴りたいと思います。

恵比寿新聞を初めて約7年の歳月が経とうとしております。今年も恵比寿で起こる様々な情報を取材・発信させていただきました。今年は「メディア」という形にこだわらず「きっと面白くなるはず」と施設のプロデュース・トークショーの企画司会進行・イベント制作・ラジオのパーソナリティー・保育園の先生などなど・・・挑戦し続けた2016年ももうすぐ終ろうとしています。実は2015年年末に家族と観た映画が原因で今年が今までにない「ありえない激動の年」になろうとは自分でも「人生何が起こるかわからない」と驚いています。その映画がこちら。

年末何の気なしで恵比寿のTSUTAYAで借りたジム・キャリー主演のハリウッドコメディー映画「イエスマン」。随分前に公開された映画なのですが「ちょっと年末ぐらいは馬鹿笑いしたい」ということでこの映画を見ることとなりました。映画の内容なのですが主人公はごく普通のサラリーマン。すべてにおいて参加意思が低く仲間に誘われても「ノー」が多い人生。ある日友達に誘われた自己啓発セミナー「YES」で人生が大きく変わるというハリウッドらしいハッピーなコメディー映画。

振り返ってみれば「恵比寿新聞」を初めて7年。恵比寿の小さなメディアであることを意識しあまり顔も出さずに様々な挑戦にはどちらかというと「ノー」な姿勢が増えておりテレビやラジオへの出演のお話もあったのですがお断りするなど。でもなぜか自分でも「これでいいのか」と思い始めていた2015年の冬。この映画を見終えたときに不思議な「燃え上がる何か」がメラメラと音を立てていました。

今年はすべてのオファーに対してYESと言おう

2016年はすべてのオファーに対して「YES」と言ってみよう!
そして2016年1月13日スマホを起動させたときに私の目に飛び込んできたのは唯一親孝行だと思って出演したJ-WAVEの番組JAM THE WORLDでお世話になったジャーナリスト堀潤さんの映像でした。堀さんは元NHK出身のアナウンサー。市民投稿型ニュースサイト「8bit news」の代表でもあり現在は様々なテレビ番組やラジオ番組のナビゲーターやニュースキャスターとしても活躍している。堀さんの事務所が我々の本拠地「恵比寿」にあるということもあり番組出演後も連絡は取り合っていた仲でした。そんな堀さんの「お正月だからこそ言うけど」という動画。

市民記者の数を1000人に増やしたい

手は勝手に携帯電話を握っていました。堀さんに速攻連絡。「オラ感動しちまっただぁ。堀さん!ぜひ!その夢助太刀させてください!」堀氏から帰ってきた答えは「是非!!高橋さん(編集長のこと)最高!」の一言だった。だが・・・しかし何をやるのかも決まっていなかった。

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丁度その頃「恵比寿ガーデンプレイス」の方からこんな相談を受けていた。「2016年8月まであいているガーデンプレイスのグラススクエアという広場を働く人・住む人が心地よく過ごせる期間限定の空間にする企画がほしい」というもの。その他にも恵比寿でこども食堂をやりたいという末岡まりこちゃんから恵比寿新聞の事務所でできないかというオファーをもらっていた。年末の「イエスマン」を見ているのでもちろん答えは「YES」。同じく一緒に相談に乗っていたシブヤ大学の学長左京氏とガーデンプレイスさんとのミーティングが行われた。とっさに左京さんから「図書館なんていいんじゃないですか?」という声が出た。しかしただの図書館を作るのもなぁ。その会議はそのまま終わり宿題となる。

「本」・「コミュニケーション」「つながり」
僕の頭の中ではこの「本」「コミュニケーション」「つながり」3つのキーワードがぐるぐる頭を回っていた。「本を通じてコミュニケーション」⇒「本を借りることで人がつながる」

ふと15年前の記憶がよみがえる。当時僕は特に何をすることもないフーテン野郎。そんな僕に友達が唐突に本を貸してあげると一冊の本を渡してきた。実は本などあまり読まないタイプで正直借りても読まないから申し訳ないので遠慮した。すると友達は「いいから読んで。っていうかその本あげる」と無理矢理に近い形でその本を譲り受けることになった。まぁそこまで言うなら物は試しだからと頂いた本を読んでみたわけなんですが。読んでみるとまさにその借りた友人を投影するような「あいつらしい本」で1日で読破。読み終えた感想を友達に伝えた。「お前らしい本だったよ」と。すると友達は「そうか。伝わったかぁ。よかった。」と今まで見たことのない満面の笑みで喜んでいた。

最初の構想で書いたイメージ写真

最初の構想で書いたイメージ写真

「好きな本」=「自分」
もしかして自分が好きな本・読んでもらいたい本って「自分」を投影しているものなのではないか?と思うようになっていた。もし自分の読んでほしい本に読んだ人から感想が帰ってきたらどんな気持ちになるんだろう?また友達のような笑顔が見れるかな?近隣の人たちのコミュニケーションになるのかな?と早々その妄想的構想を企画書に書きなぐりガーデンプレイスさんとの会議が始まりました。そして晴れて企画が定まり実行することになった。しかし、もう一つ大事な仕事が残っていた。その図書館の名前はまだ決まっていない・・・・頭を悩ましていた場所は恵比寿のきいもんという富山のおいしい魚料理のお店で飲んでいるときの事。そうだ。いるじゃないか!あの人が!

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コピーライター阿部広太郎
2013年に恵比寿文化祭で一緒に恵比寿の人たちの笑顔にキャッチコピーをつけるという活動を一緒に行ったコピーライターの阿部広太郎氏の顔が思いついた。深夜にも関わらず阿部氏に電話で連絡。「阿部ちゃん!!実はこれこれこうで・・・こんなことを始めるんだけど名付け親になってほしい!!!」すると帰ってきた言葉が「もちろんです!全力で考えさせてください!」という返事だった。

図書館の名前を決める日。阿部さんが企画書を持ってきてくれた

図書館の名前を決める日。阿部さんが企画書を持ってきてくれた

感想を交換する「感想文庫」
阿部さんは光の速さで妄想に近い図書館構想を読み取って頂き、名前が出来上がってきた。名前は「感想文庫」。寄贈する本に次ぎ読む人の為に感想をしたため、読んだ人からも感想がかえって来る仕組みに名付けたのがこの名前。一発で「これだ!!」と決まった。そしてその頃OPENすることとなる渋谷区初のこども食堂「恵比寿じもと食堂」も阿部氏が名付け親になってくれている。「こども食堂」のOPENの流れについてはまた別の機会に話したいと思っています。本当に素晴らしい企画なので。

感想を交換し合う仕組み。構想初期段階のモデル

感想を交換し合う仕組み。構想初期段階のモデル

そして念願のOPEN
構想から3ヵ月後となる4月15日恵比寿ガーデンプレイスのグラススクエアにCOMMON EBISUが誕生。恵比寿ガーデンプレイスさんと様々な協議を重ね、恵比寿に住んでいる人・働いている人が知識やあらゆることを共有できるスペースとしてOPENした。街の人たちで作る未来型図書館「感想文庫」やスペースを有効に活用しトークショーやセミナーなどもできるような仕様に落ち着いた。今までメディアという立場でしか活動していなかった訳で、すべてが初体験。今までと違い「新しい挑戦」が始まる。そして晴れて堀潤さんとの約束でもある市民情報発信者の育成を目的とする「伝える人になろう講座」が無料で第三水曜日に始まることになった。「伝える人になろう講座」の名付け親も阿部広太郎氏。今では我家から南西に位置する阿部ちゃんの自宅に足を向けて寝れない。

OPEN前日の設営。本棚が出来上がってくる。

OPEN前日の設営。本棚が出来上がってくる。

OPEN初日。105冊の本が寄贈される。

OPEN初日。105冊の本が寄贈される。

堀潤の「伝える人になろう講座」がスタート。

堀潤の「伝える人になろう講座」がスタート。

「一次情報発信者の大切さ」
ありがたいことに予想を大きく超える形でCOMMON EBISUはテレビ・新聞・雑誌・ラジオ・インタネットメディアに取り上げられることになりました。そしてジャーナリスト堀潤氏との「伝える人になろう講座」がスタート。これまで語られなかった堀潤の「情報発信の想い」が惜しみもなく語られることとなります。堀氏から最初に出てきた言葉は今でも忘れることができません。それは「一次情報発信者の大切さ」です。簡単に説明すると「情報の当事者であること」。いわゆる「皆さんが当事者として関わっている情報を発信すること」ということ。それにはどういったツールを使ってどのように発信すればよいか、具体的なセミナーや発信するうえで気を付けるべき表現やどのようにして「事実」を相手に届けるかの話。この講座を受けることで自分もいろんな変化が出てきた。そして「ニュース」を読み解く力も身についてきた。

放送作家・演出家のきたむらけんじ氏を招いた「演劇と報道」講座

放送作家・演出家のきたむらけんじ氏を招いた「演劇と報道」講座

そのほかにも様々なトークショー
この「恵比寿」という街は現在「住みたいまちナンバーワン」と言われていますがあまり興味がない。どちらかというと昨今の恵比寿は新しいベンチャー企業やクリエイティブな企業が多く参入し昔に比べればとても活気のある街へと変わってきたと思います。そんな「若いアイデンティティー」をCOMMON EBISUでは多く受け入れ様々な挑戦に近いトークショーやミーティングを行っています。例えば、街をもっと面白くしていくためのポジティブタウンミーティング「EBISU TOWN MEETING

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誰もの意見が採用される場
「タウンミーティング」のイメージって最近では杉並区の保育園建設に関するタウンミーティングにて住民からの反対があったような「反対派」「賛成派」に分かれるようなそんなイメージをお持ちだと思うのですがCOMMON EBISUで行われている「EBISU TOWN MEETING」では住民でなくとも働きに来ている人でも誰でも意見できるような「心の声の黒板」を用意して、町の課題に対して誰もが答えれるプラットフォームを用意。意見が集まった時点でタウンミーティングを開いて中立公正に問題について話あうというものを作った。話される話題は「疑問」より「希望」が多くこのミーティングを重ねて「街がどんどん面白くなっていく」とワクワクするようなミーティングになってきている。ファシリテーターは恵比寿在住のスーパーシェアガールこと石山安珠ちゃん

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恵比寿からいろんな町の良さを発見
「都会は田舎者の集まりだ」とよく言われますがまさにその通りで地方出身者の集まり。であればそんな地方出身者の人に直接その町の魅力を聞き出すようなイベントができればということでもともと恵比寿で起業したお出かけアプリ「Holiday」と「恵比寿新聞」で様々な街の面白さをお出かけアプリHolidayを利用しフォーカスするイベントが恵比寿で働く地方出身者に好評だ。この間は「熊本」についてトークショーが行われたがツアーガイドも知らないような超穴場スポットが来場者でもある熊本出身者から多く聞けその夜は12時まで恵比寿にある熊本料理の店「しん」で大いに盛り上がり出身者同士の輪や熊本に行ったことのない人たちのつながりが広がった。ファシリテーターはこちらも恵比寿在住のHolidayガールこと谷里穂ちゃん

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飲み屋の席で生まれる企画
こんな色んなトークショーをしていると面白い人たちが沢山コンタクトして来てくれる。たまたまCOMMON EBISUのイベントに参加してくれたイベントチケットプラットフォームで有名なpeatixの滝沢さんが是非会いたいということで打ち合わせしているときの事。滝沢さんが武蔵小山在住で打ち合わせ最中急に武蔵小山の自慢を始めた。「いや~武蔵小山は飲みに行くところも豊富ですから(ドヤ)」ほぉ~。これはなかなか面白い。試しにこう言ってみた。「今日の夜、武蔵小山で飲みませんか?」帰ってきた言葉が「いいですね。望むところです」というものだった。

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街同士がディスりあう!?シティープライドの激突
滝沢さんと共に同席したのはこちらも武蔵小山在住greenz植原正太郎さん。1軒目は北海道の名物ザンギがうまい店「釧路食堂」。2階の昭和堅気の座敷に招かれ酒を2~3杯煽る頃にはお互い町の自慢話に発展していた。(武)「恵比寿新聞さん!武蔵小山は温泉があるんですよ!知ってました?恵比寿にはないでしょうね~(笑)」(恵)「まぁ武蔵小山なんて温泉があるくらいだから田舎中の田舎だねw」なんてディスり合いつつも2軒目の老舗の居酒屋「豚太郎」につく頃にはお互い町の良い部分を程よく吸収していた。「これはいける!」街同士がディスりあいながら街の自慢が進行していく新しいバトルイベントができないか!?という話題になり出来上がったのがこのイベント。

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2017年流行る気がしてならない
飲み会からわずか1日で企画されイベントの開催日も決まり11月22日(いい夫婦の日)に開催された。ルールは、事前にお互い同じテーマが記された同フォーマットの資料に街の自慢を書きなぐります。作成した資料を2台のプロジェクターに投影し出場選手がプレゼンテーション形式でわが街の自慢を背負って街同士がバトルを繰り広げるというもの。このイベント、何が面白いかというとディスりあいつつも相手の町の良さが可視化されるという来場者にとっては「どちらの街にも行きたくなる」というもの。対戦したgreenzの植原氏がこんなブログを書いてくれています

対戦後の集合写真

対戦後の集合写真

とまぁ書きたいことを書きなぐりして取り止めのない記事になりつつありますが、やはり今2016年振り返ると「全部にYESしてよかった」ということ。COMMON EBISUの「感想文庫」には現在までに900冊の寄贈本が集まってきています(感謝)。1冊1冊が皆さんの思いのこもった寄贈本。たくさん返事が帰って来ていると思うのでぜひ寄贈した方は確認しにいらしてくれればと思います。そしてスタッフにも恵まれました。スタッフは個性豊かな子が多く自然発生的にプロジェクトができたり色んな事が始まっています。つい先日もオリジナルのダンスを編みだし恵比寿新聞で音楽をつけてくれる方を募集。なんと人気のバンド「コロリダス」のしみずけんたさんに曲をつけていただくなど面白いことになっています。

2017年は「つながる」
このCOMMON EBISUも来年の3月末で終了となる予定です。本当は2016年の8月に終了する予定だったCOMMON EBISUも好評につき今年の12月まで延長。そして2回の好評につき延長が続いた。無くなるのは本当にさみしい気持ちではあるのですが残り3カ月。この施設にかかわる人たちが様々な表現を行えるようにどんどん開放していきたいと思っています。そして3月以降どうなるのか・・・現在もまだ模索しています。とにかく良いクリスマスをおすごしください。

恵比寿新聞 編集長 高橋ケンヂ

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