恵比寿の銭湯と言えば「新橋湯」
長い間、日々疲れた人たちの汗と垢を流し続けてきた「新橋湯」が
3月31日をもって閉店する。書いている自分も信じられない。
時代は常に前向きで新しい物を重んじる世の中。その流れは変えられないのは
わかっちゃいるけど、いつもある物が急に無くなるのは心の準備もいるし
たとえその準備が長かったとしても、結局悲しさは必ず訪れるもので
そして今月いつもそこにあった新橋湯がなくなる。全然実感がわきません。
先ほど伺った際に「叔父さん閉めるって聞いたんだけど」
というと「今月末でね~。閉める事になったよ」って言ってらっしゃった叔父さんに
心から「お疲れ様でした」と言いたかったけどなんだかそんなことないのに今生の別れっぽくて
なんだか「お疲れ様」と言えない自分がいまして、それよりも僕よりもずっーと通ってらっしゃった
新橋地区の先輩方やお爺ちゃんお婆ちゃん叔父さん叔母さん、近所の皆さんの方が寂しいんだろうな
と思うとなんだか泣けてきて、「やっぱ新橋湯のお湯熱いよな~」なんてごまかそうとして
結局「スズメの行水」状態でそそくさと帰ってしまった。
人は常に進化していくものでどんどん便利になる一方
古い物は消え新しい物ができる。それは決して悪い事ではないと思うけど
いつもの風景がまた一つ変わり思い出になっていくのはさみしい。
でも自分がこのように在りし日の「新橋湯」の記録が残せたことはとても重要な事だと思う。
過去記事>>念願かなって行ってきました、恵比寿といえば新橋湯!
実はこの記事は恵比寿新聞の記者でもあり新橋地区に50年住んでいる「ゆうこちゃん」が
書いてくれた記事なんですが今後非常に重要なアーカイブになると思う。
今のこども達はまだギリギリ「銭湯」という文化を少しだけ知るチャンスはあると思う。
たぶんこの子たちの子供。私たちの孫・ひ孫にあたる代はきっとこの「銭湯」という文化を
知らない世代になっているだろうと思うからこのアーカイブは貴重だと思う。
そしてそんな銭湯を知っている私たちが銭湯から教わった事。
人に迷惑はかけない
順番は守る
知り合いがいたら挨拶する
水を出しっぱなしにしない
体を洗ってから風呂に入る
水をうめ過ぎない
タオルや桶は湯船に入れない
女湯はのぞかない
腰にて手を当てて牛乳を飲め
濡れタオルでピシってしない
石鹸を投げてボーリングしない
帰る時は番台に挨拶すること
今日の僕は最後の「帰る時には番台に挨拶すること」が出来ていませんでした。
なので今月末までに必ずもう一度行こうと思います。
皆さんも新橋湯に一度は行った事のある方はこれが最後の入湯です。
思い出になる前に是非行くことをお勧めします。
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新橋湯
営業時間:15時~24時
定休日:毎週水曜日
住所:東京都渋谷区恵比寿1-23-6
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