恵比寿新聞にかかって来た一本の電話。
「あー！もちもちー！あのぉー。。実は新しく恵比寿南にカレーのお店をオープンしたんですぅー！けど全然人が来なくてー(笑)ぐはっ」
なんだこの不思議なアニメボイス。しかもこのコロナ禍の中カレー店をオープンさせたという女性からの電話だった。あの不思議な藤子不二雄のアニメに出てきそうなアニメボイスが気になり伺って取材させて頂くことに。一体あの声はどこから出ているのか。事実を知りたい。
こちら恵比寿南のピーコックの近くのラーメン屋
「恵比寿大龍軒」のビルの3階にあります夜はバーの
お店を昼間借りして営業している「まな愛カレー」さん。
お店に入るとスパイスの香りと
あの藤子不二雄アニメボイスで真奈さんが
迎え入れてくれた。「いらっしゃませぇー↗」
「うぁーほんとうにきてくれたー↗」
こちらアニメボイスの長門真奈さん。
大分県ご出身で東京に上京後は
福祉（ケアマネージャー）のお仕事を経て
この度1月22日から恵比寿でカレー店を昼間限定で開店した。
しかしこのコロナ禍の状況。
働くオフィスワーカーもテレワーク推進で
激減する状況下で色々悩みも多い。
現在も緊急事態宣言中は
テイクアウト販売のみで営業している。
友達に進められたことがきっかけで
真奈さんは大のホームパーティー好き。
ホームパーティーが好きすぎて
田無に一軒家を所有し多い時で40人ほどを招いた
ホームパーティーを開くほどなんだそうな。
そんなホームパーティーに来る方から
真奈さんのお料理の才能を
もっと多くの人にと勧められ、
このコロナ禍の中、
「今度は食で人を元気づけたい」と
務めていた福祉業界を退職。
今まで飲食店の経験もなく知り合いを伝手に
中目黒のカフェでテスト的にカレー店を
３ヵ月営業しこの度恵比寿南に間借りで
オープンすることとなった。
長門真奈さん
福祉の仕事をしている時から料理が大好きで、ホームパーティーを通じて色んな方に私の料理を食べてもらう事が喜びになって。いまこのコロナの時期に何か私が貢献できるとしたら「料理」で貢献することができるのかな？と思いカレー屋をやる事にしたんです。
なぜカレーにしたのか？
そんな真奈さんに「なぜカレー屋さんにしたのか？」
という質問に帰ってきた答えが
「他の料理も出来るんですがオペレーションや巷でも継続的に売れる料理ジャンルとは？と色々考えた結果、カレーにしたんです」と。
カレーの種類は３種類。
・キーマカレー
・バターチキンカレー
・ポークビンダルー
と全体的にインドを意識したカレーがメニューだ。
しかしカレーが好きすぎて好きすぎて
カレーと共に一生生きるというタイプではなく
今回オペレーション上の理由で
カレーを選択されたわけですが、
それでも独学で学び本格的なスパイスを
使用したカレーを真奈さんは作りだしている。
まな愛カレーには必ず７種類の「副菜」がつけられる。これはうれしい。
しかしプロ料理人も飲食店激戦区「恵比寿」で
生き残る事は難しい中。
恵比寿新聞はちょっと心配になってしまう。
とにかく食べてみないとわからない。
こちらポークビンダルー。
インドの南西にあるゴア地方はかつて
ポルトガル領だったことから豚肉を使用するカレーが
この「ポークビンダルー」なんだそうです。
恵比寿新聞の中では
「酸っぱい豚カレー」のイメージが。
しかしこちらのカレーからは
本格的なスパイスの香りが。
今回はまな愛カレーを全部楽しめるように
ポークビンダルー・キーマ・バターチキンカレー
３種類の合いかけにしました。
福祉と料理の共通点
真奈さんにこんなことを聞いてみた。
長年勤めた福祉の仕事と
今の料理人の仕事の共通点ってありますか？
という質問。帰ってきた答えが。
長門真奈さん
高齢者の福祉事業の世界は「これから良くなっていく」というより「これから段々弱くなっていく」という方と向き合う仕事なんです。でもその方々の事を一人一人知る事でその人に合った最善のケアができるんです。料理もスパイスや調味料を一つ一つよく知る事で最高のものができるのが共通点かな？」
実は真奈さん。
このカレー店が半年で軌道に乗らない場合は
実家大分に帰る事を決意されているそうです。
それでは実食です。
こちら上には真奈さんが作ったお手製の副菜７種類に
左からキーマカレー・バターチキン・
その上にはタンドリーチキン・ポークビンダルー。
カレーの間に特製のスパイス煮卵をトッピング。
真ん中にはターメリックライスにニコチャンマーク☺
きゃわいいー♥
それでは実食です。
恵比寿新聞の取材ポリシーは
「作り手のオリジナリティーが感じられる料理しか取り上げない」
と決めています。
ただのお料理上手がプロの領域に挑戦するなん・・・
パクッ。。。。
むむ！う・・・・うまい・・・・！！
しっかりとターメリックライスに
溶けていくように交わるゆるっとした
キーマで噛み締めるほどにジュワっと
肉の旨味とスパイスが効いていて。
うましーー！！
いやいや。。
これだけでは納得はしませんぞ。
たかがホームパーティーの嬢王が
カレーの奥深い世界に殴り込・・・・
パクッ・・・・・
ふ・・・ふぎょ！旨い。
本格的なスパイスを使用しているだけならまだしも・・・
なんかこのタンドリーチキンの柔らかさと
バターチキンの後ろに何か和の心を感じる・・・。
真奈さんに聞いてみると
すべてのカレーには
大分のお醤油や調味料などが入っているそうで、
隠れ大分推しキターって感じでやられました。。
素晴らしい地元愛。
いやもうここまで来れば
おいしいに決まってるやん。
最後の砦「ポークビンダルー」。
恵比寿新聞が敬愛して止まない
三宿のkong tongの田島大地シェフが作る
「ポークビンダルー」も素晴らしいのですが、
まな愛カレーのポークビンダルーも
しっかりと豚肉を煮込みホロホロと解ける食感と
ビネガーのサワー感が絶妙。マナ様～♥天才ちゃん～♥
そしてカレー皿の上段に並ぶ副菜も見事です。
カレーに「豚キムチ」って！？
これがね、
程よい唐辛子の辛みと酸味が合うんですよー。
和の総菜的なものもカレーに入り交じり
各国異種格闘技戦ばりの様相ですが
うまく調和が保たれている。
素人の皮を被った悪魔ですよ！真奈さんは！(笑)
いや～素晴らしい。
とにかく真奈さんのカレー店の成功をお祈りしています。
🏠まな愛カレー
渋谷区恵比寿南2-3-15 インペリアルビル 3階
営業時間 11：30 ~16:00(緊急事態宣言中はテイクアウトのみ)
定休日 土日
