【食歩伝】Vol.5 女将さんのオムライス

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恵比寿新聞の編集長の日々恵比寿の色んな飲食店へお邪魔してはお料理の話に花が咲いてしまう出来事をショートコラムで紹介する「食歩伝(しょくほでん)」。今日は 恵比寿西にあります老舗「喫茶室とし」さん。

この写真を観たら「あっ。見覚えが。」となる人も多いのではないでしょうか?恵比寿駅から徒歩2分のケンタッキーの道を真っすぐ行くと右手にあるこのお店。随分前からこの場所で切り盛りしている「喫茶室とし」さんである。見たことはあるけど入ったことのない方も多いだろう。

恵比寿新聞の思い出は今から18年前「喫茶室とし」さんでランチを食べたのが最初の訪問だった。サラリーマンが黙々と女将さんの作るランチを食べているそんなどこにでもある煙草の吸える昭和の喫茶店。夜は地元の方や働く人がカラオケを勤しむ音が街に流れるのをよく聞いていた。

最近は仲間の「えびすわたくしみん組合」のみんなが「喫茶室とし」を貸し切って定期的に「スナックわたくしみん」をやっていたのが記憶に新しい。

しかし今回のコロナウイルス感染拡大のまん延防止の影響でお客さんの足も止まったと女将さんは肩を落とす。毎日来る人達の為にお料理を作っていた女将さん。「あんまり人が来ないから買った食材もダメになっちゃうから。。。」と元気がない様子だった。

「喫茶室とし」が産まれたのは昭和47年。数えれば今年50年の歴史になる。その時の恵比寿の話を聞いてみると「なーんにも無かったんだからこの辺は」と女将さん。50年と言えば半世紀。今もこの場所で営業している事は奇跡と言っても良い。そんな半世紀この場所で切り盛りする女将さんが作る最高の料理がある。

オムライス

トロトロに仕上げた絶品のオムライスだ。「うちはこれが一番人気」という女将さんの目はさっき元気がなかった時とは裏腹にきらりと光る。中は懐かしの「ケチャップライス」。様々な具が入ったケチャップライスの上にはトロットロのタマゴが乗り最後にケチャップがかけられた王道と言わんばかりの名物。

「木曜日と金曜日はがんばるわ」と女将さん。この感染拡大ど真ん中の影響とテレワークも進み以前から来てくださっていた方々もなかなかお店に行けない日々が続いている。そんな来てくれる人たちを心待ちにして女将さんも頑張っている。「入ったことなかったけど行って見たくなった」と思った方は是非お昼「喫茶室とし」の女将さんのオムライスを食べてみてほしい。きっとファンになるはずです。その他にも50年の歴史が築き上げた多彩な料理が待っています。

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