小学5年生が栽培から商品開発から広報・配達まですべて行う「かけづか菜園6次化プロジェクト」

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皆さん暑い日が続きますがお元気ですか?
現在緊急事態宣言の中で大変なのは大人だけじゃなく子どもたちも色んな行事が延期になったり中止になったりと思うように思い出を作る事ができない2年目に突入。

そんな中、今全国の小中学校を中心とした「コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)」という文部科学省が実施する活動を皆さんご存じですか?

コミュニティ・スクールとは、学校と保護者や地域の皆さんがともに知恵を出し合い、学校運営に意見を反映させることで、一緒に協働しながら子供たちの豊かな成長を支え「地域とともにある学校づくり」を進める法律(地教行法第47条の5)に基づいた仕組みです。今までは学校は学校が運営するという方針でしたが今後渋谷区は新たに独自の「コミュニティ・スクール」の方針を打ち出し、下の図のような形で今後方針転換するという事になったんです。という事で今回の記事は長くなるのでご了承ください(笑)

そんなコミュニティ・スクールは「学校」に児童の保護者や地域の方々が関わる事でさらに地域から生まれる生きた教育を子どもたちが体験できるという期待が寄せられる制度。実は恵比寿でも加計塚小学校がこの「コミュニティースクール」として生まれ変わりました。そして恵比寿新聞も「地域学校協働推進委員」というお役目を拝命して先生と共に最高に面白い授業を作ろうという事になったのは今年の4月。

まずはこけら落としに今年復活した「加計塚小学校の菜園」を利用したプログラムを考えようという事になりました。対象は5年生。担任の三戸先生と藤原先生と共に菜園を利用した子どもたちが今まで学校では学べなかった新しい領域にチャレンジすることになりました。

こんな都会だからこそ「地産地消」というキーワードには縁遠い子どもたち。ならばこの学校菜園で野菜を栽培し「食の街」と言われる駅から半径2kmに飲食店が1500店舗もひしめく「恵比寿」の地域の飲食店さんと共にメニュー開発しさらには収穫後の配達から広報宣伝PRを行うという

①生産者(Farming)
②企画開発(Creative)
③運輸業(traceability)
④広告代理店(Public Relations)

⑤飲食業(Food Service)

を1年かけて体験するというプログラムを考えたんです。まずはコラボレーションして頂ける飲食店さんを決めないと。という事で協力して頂いたのは恵比寿2丁目にありますミシュランビブグルマンにも選ばれたフレンチの名店「アーティショー」の姉妹店でもあります「plate」さん。そしてもう一店舗は恵比寿ビール坂に新しくOPENしたぬか漬け専門店「ebisu NUKA factory」さんにご協力頂く事になりました。

キックオフミーティング

plate渡嘉敷さんよりお店の紹介と想いを語ってもらう

この時点ではまだどんな野菜を栽培するのか決まっていません。まずは飲食店さんが使用する野菜のニーズを聞き出すために体育館で5年生に向けてお店の方からどんな料理が人気なのか?どんな客層が多いのか?どんな思いでお店をやってきたのか?どんな楽しい事や辛いことがあるのかなどかなり突っ込んだお話をして頂きました。

渡嘉敷ゆきえさんからは「美味しいものを運ぶ喜び」についてお話してくださいました。シェフの山根さんが作る料理の素晴らしさや今コロナ禍で大変な事、そしてどんな料理がお店で人気があるのか?詳しく説明してくださいました。

ebisu NUKA factoryの平岡シェフからは「恵比寿からぬか漬けを流行らせたい」という大きな夢の話を聞き、料理というものにどれだけ生産されたものが大切なのか?「旬」というものはなんなのか?なかなか子どもたちが学校では教わらない非常に繊細な料理の世界の話をしてくださいました。

このキックオフミーティングの放課後。子どもたちがお店に殺到(笑)どんな料理を作っているのか?どんなお店なのか?これを見て子どもたちのモチベーションの高さに圧倒されました。そしてこのプロジェクトがとんでもない授業になるとは私たちもこの時は予想もしていませんでした。

苗植え(栽培開始)

加計塚小学校の5年生は2クラス。1組は「nuka factory」2組は「plate」という担当になり栽培する野菜に関してもお店のニーズに合わせて、しかも収穫時期を予測して1学期の終わる7月にはローンチ(販売開始)できるように設定。

1組はぬか漬けを生産する「ebisu NUKA factory」さんとの共同プロジェクトなので栽培する野菜も「きゅうり」「茄子」「オクラ」というラインナップにしみんなで定植しました。もちろん栽培管理も子どもたちがすべて行います。

2組はフレンチが主体の「plate」さん。フレンチだけど「トマト」「バジル」「カボチャ」を今回栽培することに決めました。今回監修してくださる山根シェフも「なんかイタリアンみたいだね(笑)」と笑いながらも今回付き合ってくださいました(笑)ごめんね山根さん(笑)

テクノロジー(Iot栽培管理)

すべて子どもたちで栽培管理するのはとても難しい事。ましてや農家1年生。どうしたら子どもたちでも上手に栽培ができるようになるのか?そんな時、恵比寿新聞人材バンクからとてつもない方に協力してもらえる事になった。

野菜の成長や栽培管理・水やりや収穫のタイミングなどをテクノロジーの技術で管理できる「grow conect」というガジェットを開発する「plantio」の芹澤さんが今回加計塚小学校のプロジェクトにこの機械を提供してくださることに。

何と芹澤さんのお爺さんは、今みんなが「プランター」と呼んでいるあの語源を作り出し商品化したパイオニア。しかもこの「プランター」を産み出した芹澤さんのお爺様は渋谷に本拠地を置き、なななななんと!この「プランター」が爆発的にヒットしたのも渋谷の小学校で火が付いたという逸話がある。3世代を飛び越えて今芹澤さんの世代で新しいプランターに変わる栽培キットが小学校に60年ぶりに帰って来たという涙涙の物語なのです。校長先生も三戸先生も藤原先生もご満悦。芹澤さんありがとう😿

その頃畑では・・・・

栽培管理(成長記録)

子どもたちが定植した野菜たちがぐんぐんと成長してきていました。

やはりこの成長を見ていると子どもたちのテンションもブチ上がりなんですよね。この頃になると学校の帰り際に野菜の成長を観察にくる子どもたちも増え「わ!1日でこんなに大きくなるの!?」や「この後どうなるの?」などなど菜園がにぎやかになっていきます。

現在渋谷区の小学校では全校児童にタブレット支給されているので日々の観察などは写真を取れば全員に共有できたりととても便利になっています。そうして皆で観察・成長記録を共有し収穫に備えます。

いや!というか収穫の前にシェフと一緒に料理を考えなくてはいけません!

商品開発(プレゼンテーション)

徐々に定植した野菜が成長する頃、いよいよ飲食店のシェフの皆さんとの商品開発会議に入ります。今回はまずみんながタブレットを使用してリサーチしお店にどんな料理が良いのかシェフにプレゼンテーションするという方法でグループに分かれてプレゼン。まず1組は今の子どもたちはぬか漬けを食べたことが無いかもという事でまずはぬか漬けを試食。

驚いたのは約80%ぐらいの子たちがぬか漬けを知っていて食べたことがあるとの事。あの独特の香りに耐えれるのか?と心配していたのですが、試食会でみんなボリボリぬか漬けを試食。意外とみんなに受け入れられていたというのが驚きでした。

そして本題のプレゼン。児童の中には既にぬか漬けを使用して料理を作ってみたことで「これはいける!」という所までブラッシュアップした料理アイデアもあり平岡シェフも黒岩オーナーもビックリ!スーパー小学生現る!

そして2組はフランス料理のお店「plate」さん。アーティショー山根紳作シェフ降臨。子どもたちに緊張が走ります。ざわざわ・・・・・

各グループ思い思いのプレゼンをタブレットを使用してプレゼンテーション。子どもたちがリサーチしたプレゼンになんと山根シェフから厳しいお言葉も。「発想は良いけどこれあんまり美味しくないかも。食べたことある?この料理?」や「とても良いプレゼンだったけど調理する工程のこと考えてるかな?この料理作ったことある?」などとてもリアルな料理の現場の話やオペレーション的な発想などの話に。

通常の職場体験というものは職場のキラキラした部分しか見せない体験が多い中、この授業は完全にガチンコ。子どもたちも意見します。山根シェフもコーディネートする恵比寿新聞も先生も意見が一致したのは「ネットで検索した情報に頼りすぎ」という事でなんと!再度プレゼンをやり直すことに!

山根シェフからのリクエストとは「みんなが本当に食べて美味しかった料理」という自分の体験から「人にも食べてもらいたい」という思いを形にしたいというリクエストでした。

栽培管理(成長記録)

そんなこと野菜は待ってくれません。みんなが後れを取るなかどんどん野菜は成長していきます。自然の成長とやるべき事のスケジュール管理もこの時みんなで学んだと思います。

商品開発が決まらぬままその間にもどんどん野菜が成長していく。が!しかし!梅雨入りに入ります。まさかこの長雨が野菜の成長を遅らせみんなの商品開発のスケジュールに功を奏した結果となりました(笑)良かったねー。運も実力のうち。

商品開発(再プレゼン)

いよいよ最終プレゼンの日。皆さん内容をブラッシュアップしたのか?進化が問われます。1組nuka factoryさんへのプレゼンでは様々な料理案が出ました。

・ゴロゴロぬか漬けのポテサラ
・ゴロゴロぬか漬けのTKG
・きゅうりの糠漬けブルスケッタ

そのなかでもひときわ完成度の高い料理がありました。それは「ぬか漬けバーガー」です。一人の児童がnuka factoryさんに通い自分でも試作を作り辿り着いた味をnuka factoryさんで出したいという圧倒的な思いのある料理でした。

実際に商品化されるぬか漬けバーガー

バンズはお米で作られておりつや姫を使用。中にはかけづか菜園で採れたきゅうりとオクラのぬか漬けになんと!鯖のぬか漬けが入ったこの「ぬか漬けバーガー」。今までにない発想にnuka factoryさんも商品化を決めました。

実はこの「ぬか漬けバーガー」7月29日から8月末までebisu NUKA factoryさんで1日5食限定でメニューインすることになりました。現在はハンドメイドの為、量産が難しく1日5食の限定メニューですが是非お試しあれ!

その他にも考案されたメニューがメニューインする日もあるのと、収穫した野菜が入れば「かけづか野菜のぬか漬け」として販売もしているので要チェックです。

そして2組の商品開発最終日。ここで大問題が発生。実は前日、4回目の緊急事態宣言が発令。お店でイートインすることが難しくなるという最悪の自体に。。こんな時どうするのか?子どもたちとなんとか販売したいという思いを受けて、とにかく「テイクアウトで販売する」という事を決め、料理もテイクアウトしやすい料理をと、プレゼン方式の授業からディスカッション方式の授業に。

こんな時でも子どもたちは諦めません。テイクアウトに向いた料理を今まで考えたメニューから新たに発想する。どんどん子どもたちから意見が出ます。

「家に持って帰っても美味しい料理」
「家で温めなおして食べる料理」
「ソースとかドレッシングも良いかも」

実は恵比寿新聞この授業で泣きそうになってしまいました。この子たちは緊急事態宣言で色んな事が行事が延期になったり中止になったりしているのにも関わらず前をしっかり向いていることに感動したんです。

この日は「テイクアウトする料理」を決め、いつ決行するかわからない催事に向けて調整することになりました。どこかで日の目を浴びたい。

広報PR(販売促進宣伝)

色んな不安のある中、商品も決まりその商品をどんな人に食べてもらいたいか?どんな人か決まればその人にどうやってこの商品を知ってもらうか?という「広報PR」の視点を教わる為に日本屈指のクリエイティブカンパニーのpartyに所属し、個人の時価総額を決め売り買いできるVALUの立ち上げなどに参画し、現在は微生物テクノロジースタートアップのkomham代表を務める西山すのさんに先生をしてもらまいました。オブザーバーに山根シェフにも同席をお願いしました。

実はスノさんは現在、加計塚小学校から出る給食の食べ残しを微生物によって処理するプロジェクトを行っています。現在までに約350キロの小学校の給食の食べ残しを処理していて年間で2トンの食べ残しをこれから処理します。この話も面白いのでまた後日。

広報会議では子どもたちから自発的に「こういう宣伝方法が良いのでは?」という意見をどんどん出してもらいスケジュールを組んでみんなで宣伝しようという子どもたち目線のPR術を開発しました。あとyoutuberの裏側の話はかなりウケました(笑)

収穫(運搬業務)

いよいよ夏休みに入る2週間前に初めての納品になりました。1組のきゅうりとナスが見事収穫時期となりnuka factoryさんに納品となりました。

収穫は本当に楽しいです。自分たちが手塩に育てた野菜が恵比寿の街の人に楽しんでもらえるのですから。

この間にも生産者から消費者にどうやって物が届くのかをみんなで話し合いました。例えばみんなが食べている「アボガド」は日本で殆ど生産されていないので海外がから船に乗って日本にやってきます。その時にどのくらいのエネルギーを使っているのか?化石燃料を燃やしながら物は運ばれる。車だってガソリンを使って物を運んでいます。

でも今回はみんなが栽培した町は「恵比寿」でなんのエネルギーも使わず手と足で運んでいることがどれだけ環境に優しいかというお話をしました。これから負荷がかかるのはこの子たちの世代だから今大人もなんとか努力しないとです。

朗報(奇跡が起きる)

緊急事態宣言でイートインが難しくなった「plate」さん。どのようにして販売するか~ん~~ん。。悩んでいましたらアーティショーの山根シェフが恵比寿新聞も「恵比寿新橋フェスティバル」などでお世話になっている恵比寿新橋商栄会さんに話してくださり、なんといつも新橋フェスティバルを開催している「恵比寿しんばし公園」でマルシェという形でやってみませんか?という御協力を頂く事になりました(涙)

まさに奇跡!ここまで準備して終了という危機でしたが新橋商栄会さんや新橋町会の皆さんにご協力頂き緊急事態宣言が明けた8月28日(土曜日)11:00~16:00に「かけづかプラットマルシェ」と題してイベントを開催する運びとなりました。商栄会さん・新橋町会さん・本当にありがとうございます。子どもたちの想いが通じました。

実は今日も子どもたちに誘われて街の人にポスターを貼ってもらう行脚をしておりました。子どもたちパワー凄い!今以下の場所にポスターを掲示させてもらっています。

恵比寿新橋町会さん
恵比寿新橋商栄会さん
恵比寿の花屋さん
クリーニングMUSASHINO ANEXさん
八幡屋さん歩兵さん
ファミリーマート恵比寿新橋店さん
ファミリーマート恵比寿1丁目店さん
バンゲリングベイさん
理容室タマルさん
BAR RISEさん
恵比寿新橋出張所さん
恵比寿新橋保育園さん

※うちに貼っていいよという方是非ご連絡を!

こんな感じになる予定

「かけづかプラットマルシェ」

担  当 加計塚小学校5年2組
開催日時 8月28日(土)11:00~16:00
開催場所 恵比寿しんばし公園
制作協力 恵比寿アーティショー
販売協力 恵比寿plate
協  力 恵比寿商栄会・恵比寿新橋町会・渋谷区・加計塚小学校・恵比寿じもと工務店

販売するもの
・豚肉のトマト煮込み
・真空トマトソース
・真空バジルソース
・トマトとバジルのドレッシング
・モッツァレラとトマトバジルのカプレーゼ
・バジルクッキー
・トマトのコンポート入りチーズケーキ

※入口では消毒と検温をさせていただきます
※熱が37度以上ある方の来場はご遠慮ください
※緊急事態宣言延長になれば延期になります

「ぬか漬けバーガー&かけづかぬか漬け発売記念」

担  当 加計塚小学校5年1組
開催日時 7月29日(木)13:00~15:00
開催場所 ebisu NUKA factory
住  所 東京都渋谷区恵比寿4-10-8
※子どもたちが店頭で販売を行います※

販売するもの
・ぬか漬けバーガー
・かけづか野菜のぬか漬け
 ・かけきゅう丸(きゅうり漬け)
 ・なす塚(茄子のぬか漬け)
 ・かけづかオクラのぬか漬け

まだこのプロジェクトは続いています。夏休みですが日々子どもたちと菜園で収穫をしお店に納品。イベントのデコレーションなども制作。すべて子どもたちが100%すべて自分たちで運営する「かけづか菜園6次化プロジェクト」。是非地域の皆様も温かく見守ってほしい+こんなことなら協力できるよ!という協力者も募集中です。

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