【食歩伝】Vol.2 グラスオニオンのママとマスター

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恵比寿新聞の編集長の日々恵比寿の色んな飲食店へお邪魔してはお料理の話に花が咲いてしまう出来事をショートコラムで紹介する「食歩伝(しょくほでん)」。今日は恵比寿1丁目にある純喫茶「グラスオニオン」さん。

恵比寿では貴重な純喫茶

もう随分と前から通っている恵比寿1丁目の「グラスオニオン」。気さくなママとマスターが2人で切り盛りする昭和の香りのする地元の喫茶店だ。恵比寿では現在街中華の火も消えているがこの「純喫茶」も絶滅危惧的な流れになっている。

「グラスオニオン」を語るうえで(語れるほどではないけど)欠かせないのは「ポークジンジャー」と「ハンバーグ」だろう。某有名俳優がタクシーを飛ばして食べに来るほど「ポークジンジャー」の虜で白いご飯と絶妙に合う味付はこの辺で働く人たちのソウルフードと言っても過言ではない。

某俳優も愛する「ポークジンジャー」

グラスオニオンは昭和の洋食スタイルだけあってスープはお味噌汁に漬物はぬか漬けなのです。そして恵比寿新聞が月に1回は必ず食べないと気が済まないのがマスターお手製の「ハンバーグ」なのであります。柔らかくジューシーでデミグラスソースをたっぷりつけてご飯を頬張り味噌汁で流し込むという人目を憚らずワイルドスタイルで頂くのが一番美味しい食べ方。

月に一度は食べたくなるハンバーグ

夜のグラスオニオン

昼間のグラスオニオンもランチが秀逸なのですが、夜は地元の皆さんのオアシスとなっている。商店街の会長さんや仕事帰りのOLさん。近隣で勤めるサラリーマンや飲み屋のお姐さんなどなど独自のコミュニティが形成されている。

1人で行こうものなら隣の席の人から話しかけられることはざら。どうしてこんなにフレンドリーなのか。それはこの店のママが本当に天然でチャーミングだからである。そしていつも「お通し」が正月っぽい。

いつも正月っぽいグラスオニオンのお通し

グラスオニオンの生ビール

もうひとつ、この店で特筆すべきポイントがある。ママの入れるビールがこの世のものかと思えないほど美味しい。完璧な泡。一口飲めば五臓六腑に染みわたる絶妙な炭酸率。毎日綺麗に洗浄しているからこその透き通るようなクオリティー。

もし死ぬ前に願いが叶うならグラスオニオンの生ビールをクゥーーーっと飲んであの世に行きたいと思わせるほど本当に美味しい。常連さんからも「ママのビールはなんだかおいしいんだよね」と語り草もある。コロナ禍のなかどんどんお店が新しくなる恵比寿でグラスオニオンのような昭和の古き良き日がそのままコンパイルされているお店は貴重だ。愛するべきマスターとママ。本当にいつもありがとうございます。

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