パリ一番のクレープリーと評されるブレッツカフェ ル・コントワールの正統派ガレット

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🌸桜満開🌸

いきなりですが

皆さんガレットってご存知ですか?

馬鹿にしているのか?って感じですが

知らない人はもういないと思います。

日本でも昨今ポピュラーになりました

そば粉を使用したクレープそれが

ガレット

「クレープ」や「ガレット」はもともと

フランスのブルターニュ地方の郷土料理。

クレープは小麦・ガレットはそば粉。

日本では1970年代に原宿で産声を上げた

「クレープ」が最初とされ、クリームや

バナナなどを入れるスタイルはブルターニュ

にはなく原宿がオリジナルなのだとか。

ガレットは2000年代に入り突如として

ブームを巻き起こしたそば粉で作る食べ物。

実はそんなガレットブームのパイオニア的

関連のお店が恵比寿にあったという事で

今回は詳しくお話を伺えることに。

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場所は最近異様な盛り上がりを見せる

恵比寿ビール坂にあります、こちら

「ブレッツカフェ ル・コントワール」

元々ここはたこ焼き屋の「笛吹」や

自転車屋さん「イービースタイル」の

あった場所が新しくビルになり

そこに入ったのがこちた

ブレッツカフェ ル・コントワール

なのです。それでは中に入ってみましょう。

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ギャー!!

恵比寿新聞
なんでしんさんがいるんですかw
※しんさんとは恵比寿西の熊本料理店の店主※

しんさん
なに?俺がおったら邪魔?

恵比寿新聞
いや・・・邪魔っていうか・・・

しんさん
ちょ!!ばー!!これみて。俺の誕生日の写真

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ちょっとwww

恵比寿新聞
これ完全にアカン写真じゃないですか?

しんさん
そうばい。よかろう?お前写真撮っとけー!

恵比寿新聞
いやいや。。わかりました。

しんさん
じゃあね。さいなら。

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なにその申し訳なさそうな顔w

こちらこのお店の店主安部さん。

2年前からこの恵比寿ビール坂に

お店を出して現在奮闘中。

恵比寿新聞
いや~。しんさん。嵐のように去っていきましたね。

安部さん
はい。いつもうちの店を気遣ってくださっていて。しんさん。

恵比寿新聞
そうなんですね。やさしいなぁ。さて!安部さん!まず恵比寿新聞最初に聞くお話しなのですがご出身は?

安部さん
実は恵比寿新聞さんの兄弟新聞もある山形県おきたまなんですよ!

恵比寿新聞
おぉー!!「んだ!んだ!」でおなじみの!山形県おきたま!米は旨いし果物もたくさんあるし日本酒も旨いし食材の宝庫ですよね。

安部さん
そうですね。今後山形とも絡んでいけたらと思ってるんですよ。

恵比寿新聞
そもそも料理の世界に入ったのはいつぐらいなんですか?

grett005両親とも共働きで

安部さん
実は両親とも共働きで夜が遅いので中高と妹の為に晩御飯を作っていたんですよ。それまでお婆ちゃんが晩御飯を作ってくれていたんですがやっぱり山形の年寄って食べるものが干し物とかかなり偏っていて(笑)たまに妹にスパゲッティーや洋食を作ってあげると喜んで喜んで。それで「料理の道も良いな」と思い、高校卒業して山形から仙台の調理師専門学校に通ったのがきっかけですね。

恵比寿新聞
素敵なお兄ちゃんですね。親が忙しく家族の為に料理を作っていて料理人を志すようになったというシェフ多いですね。その後調理学校卒業後は?

安部さん
調理学校の先生だった森先生(麻布クリニカ・ガストロノミカ・エスペリアの森克明シェフ)が仙台で料理長を務める新しいイタリアンのお店「インフィオーレ」でまず3年間修業させてもらいました。

恵比寿新聞
聞くところによると森シェフはタストフロマージュ(フランスチーズ鑑評騎士)の位も「グラン・オフィシエ」という最高位の凄い方だと。

安部さん
元々フレンチのシェフだった森さんなのですが現在も麻布でイタリアンのお店を営まれていますね。とても厳しくて。良い修行になりました。

恵比寿新聞
安部さんが1971年生まれだから18歳の1989年当時は仙台でもイタリアンって珍しかったのでは?

安部さん
当時はバブルという事もあったのでイタリアンは仙台でも珍しかったですがどんどん増えていった時期ですね。

恵比寿新聞
そして3年の修行後は?

安部さん
3年間の修行をして冒険の為に他の店で働きたいと直訴して辞めましてカジュアルなイタリアンのお店で働いたんですが全然合わなくて・・・1~2ヵ月で辞めて、戻るに戻れないので知り合いのお店でそれから2~3年働いたんですね。一番自分でもダメな時期でしたね(笑)

grett010東京に上京

恵比寿新聞
で、その後どうされたんですか?

安部さん
もう東京に行くしかないと思い全く宛てもなく東京へ。

恵比寿新聞
最初に住まれたのは?

安部さん
駒沢ですね。

恵比寿新聞
なんでそこオシャレさんなんですかwそれでまた料理の道に?

安部さん
いや。実はそこがですね・・・友達から「ドカタでもやってまずお金ためてやりたいことをやればいいじゃん」と言われて半年間体力仕事をやりまして。

恵比寿新聞
やりたいことってなんだったんですか?

安部さん
実は料理以外にも「役者」を志しておりまして….ドカタの仕事を辞めてから養成所で役者の仕事と夜はレストランで働くという日々を続けていました。

恵比寿新聞
え!?安部さん役者目指してたんですね!?

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上京と挫折

安部さん
しかし、思い通りにはうまくいかないものなんですよね….仕事といってもエキストラみたいな仕事しかないし、自分の才能という物も知ったし、当時は27歳でした。

恵比寿新聞
27歳ですか。30代手前。わかるような気がします。東京って本当に凄い人が沢山いるんですよね。夢を諦めるって本当に覚悟がいる。わかります。

安部さん
まぁここらで踏ん切りをつけようと思ったときにやはり料理も続けていたし「自分の店を持ちたい」と思うようになって思い切って単身アメリカに1年間行ったんですよ。

恵比寿新聞
ほぉ!それは思い切りましたね。

安部さん
当時はカリフォルニアキュイジーヌが全盛期の時でした。今見ておかないと損だろうと思い単身カリフォルニアへ行きました。

恵比寿新聞
27歳の時ですから1998年。カリフォルニアキュイジーヌバリバリ時代ですよね。めちゃくちゃ良い物見れたんじゃないですか?
※カリフォルニアキュイジーヌとは伝統的なフレンチやイタリアンの手法に新鮮なカリフォルニアの食材をふんだんに使用し様々な調味料を駆使して作る新しいスタイル

安部さん
いやぁすごく。華やかでしたね。今までの固定概念を覆されたというか。かなりの衝撃でしたね。で1年経ったので東京へ戻り大手のグローバルダイニングに就職したんですよ。

恵比寿新聞
お!料理界のリクルート!グローバルダイニングに!!

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日本のガレットの夜明け

安部さん
白金のステラートというお店で料理ではなくて「サービス」の勉強を1年間みっちりと修行しました。

恵比寿新聞
料理人もやりながらサービス側(経営)も学ばれたんですね。

安部さん
やはり自分でお店を持つなら料理だけでなくサービスの勉強もしたいなと。なのでしっかりと運営されているグローバルさんで修行しようと。そして1年従事しました。丁度そのころ、東京に上京してきたときに知り合ったフランス人の友達が働く「ルブルターニュ」というお店に行ったときに食べた本場の「ガレット」に衝撃を受けてそのフランス人の友達に相談して働かせてもらうことになったんですよ。

恵比寿新聞
お!ここでやっとガレットが出てきましたね。そんなに魔性の味だったんですか!?

安部さん
はい^^衝撃でしたね。これが本場のガレットかと思って。当時僕が勤め始めたときは神楽坂と表参道の2店舗だったんですが、僕は神楽坂で働いていました。ほとんどフランスの方が懐かしむようにガレットを食べにいらっしゃるお店で瞬く間にお店が盛況になって。

恵比寿新聞
まさに「日本でのガレット」の夜明けですね。

安部さん
その後本場フランスブルターニュ地方にも修行に行かせてもらって。

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貧しさから生まれたガレット

恵比寿新聞
本場のガレットってどんな感じなんですか?

安部さん
そもそもブルターニュ地方ってフランスの北西にあってあまり作物が育たない「秘境の地」なんですよ。ヨーロッパの様々な戦乱もありそこにアイルランド系の人たちが住みだしてそこで痩せた土地でも育つそば粉を育てたことから始まるんですよ。この「ガレット」の起源ももともと貧しい農民が食べていたそば粉のおかゆを偶然フライパンにこぼしたのがきっかけで「パン的なものになる」と食べはじめられたことがきっかけなんですよ。

恵比寿新聞
え!?ガレットって高級な食べ物だと思ってたけど、もともとは貧しい農民の偶然の産物で出来上がった料理なの?

安部さん
そうですね。ブルターニュでは非常にポピュラーでクレープリーといわれるガレット店がCAFEよりも沢山ある程なんですよ。

恵比寿新聞
日本でいうと大阪のお好み焼きぐらいポピュラーなんですね。

安部さん
家族で肩ひじ張らずに食べたり、全くと言ってよいほど一般食ですね。そしてこのガレットと一緒に楽しむ飲み物があるんですよ。

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ガレットだけではないブルターニュ

恵比寿新聞
やっぱフランスだからワインですよね!

安部さん
実は先ほども申し上げた通りブルターニュは北西でブドウが育つ環境ではないんです。その代りリンゴが多く取れるんですよ。

恵比寿新聞
もしかして!?リンゴのお酒!?

安部さん
はい。ブルターニュでは「シードル」と言われるリンゴのお酒が盛んに作られていてその数はかなりあり多種多様なシードルを楽しむことができるんですよ。

恵比寿新聞
シードルってあの甘いやつでしょ?

安部さん
恵比寿新聞さん。あの味は忘れてください。シードルかなり深いですよ。

恵比寿新聞
なぬ?かなり気になりますね。

安部さん
後ほどお出ししますね。それでは是非10年連続でフィガロ紙の「パリ一番のクレープリー」に輝いた一番基本中の基本のガレット「コンプレット」召し上がってください!うちのクレピエの千田が焼かせてもらいます!

恵比寿新聞
クレピエ??いただきます!

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なんかオーラが凄い・・

さて、クレピエとは

クレープ職人さんを指す言葉で

こちらにいらっしゃる千田さんは

このブレッツカフェ ル・コントワールの

正統派職人の継承者。とくとご覧あれ。

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恵比寿新聞
千田さん。これはいかにも「ガレットの素」ですよね?

千田さん
あっ。ちょっと今は・・・作り始めるんで・・・

恵比寿新聞
あっ。。。失礼しました。このガレットの素はそば粉100%なんですか?

千田さん
えーっと・・・ちょっといま・・

恵比寿新聞
そうですよね。いやぁ~ガレットって高級なものだと思ってたんだけど元々はブルターニュ地方の素朴な料理だったんですね。知ってました?

千田さん
はい・・いや・・あ。あそう。。え。

恵比寿新聞
ねぇ千田さん。

千田さん
ʅ( ՞ਊ՞)ʃきぇえええい!!!

千田さん
ちょっと今は静かに!

恵比寿新聞
おぉー!!プロっぽい!!!

千田さん
いや・・・

恵比寿新聞
ちなみにこの焼いている機械はなんなんですか?

千田さん
これはガレットを焼く特製の機械でこれじゃないとダメなんですよ。

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こちら本場ブルターニュで使用されている

クレープマシン。鉄板が異様に厚く

この厚みがないとパリッとした

ガレットは焼けないそうです。

表面温度は200度以上になるそうな。

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生地を敷いたらその間に

玉子を乗せます。そして白身部分を

広げてそのまままた再び待ちます。

ぷつぷつとガレットの焼ける音が。

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そしてその上からチーズをまぶす。

チーズはグリュイエールチーズと

マリボチーズのブレンドでコクと

さわやかさを演出している。

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そしてその上から特製の

ジャンボンブランという

ハムを乗せてここまでで2分。

そろそろガレットの表面が

パリッとしてきたころ。

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パリッと焼けたガレットの

底部分をパレットナイフで起用に剥がし

四方を折っていきます。

この瞬間の音が何とも言えない

「パリパリパリ・・・」と

食欲をそそる音が・・・・

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コンプレット

恵比寿新聞
非常にシンプルなガレットですね。これがフィガロ誌が選ぶパリで一番のガレットなんですね。

安部さん
フランスのパリ店が10年連続で1位に輝いています。たぶんびっくりすると思いますよ。

恵比寿新聞
ちなみにこれ。どうやって食べるのが良いんですか?(笑)

安部さん
作法はないんですよ。僕ならまず黄身をつぶしますね。

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真ん中の玉子の黄身をつぶします。

玉子は半熟より生です。

つぶした後はこのように・・・

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ガレットの表面に広げます。

バターのように塗るのも良いかと。

今回は内面側だけに広げました。

そして最後に!!

 

 

 

 

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安部さんに切ってもらう(笑)

もうこれが一番良い食べ方ですね(笑)

気分が良ければあーんもしてくれるかも。

 

 

頂いてみました。

焼きたてのガレットの周りには

有塩バターの良い香りが~。

まず驚くのがこのパリッという食感。

サクサクサクとした生地の中に

トロけるグリュイエールチーズと

マリボチーズが濃厚でかつ癖がなく

一番主体の味のアクセントになっています。

そこに玉子の黄身と白身が絶妙な火入れで

塩の塩梅が丁度のハムと先ほどのチーズと

混ざりあい味にコクを引き出して

パリパリのガレットの生地に合う!

そして最後にそば粉の香りが

ふぅ~んと抜けていく~。

素朴だけどうまい!

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恵比寿新聞
この茶碗に入った物はなんですか?

安部さん
はい。こちらがブルターニュ本場のシードルです。飲んでみてください。

恵比寿新聞
え!?茶碗で飲むの?w

安部さん
ブルターニュではこのシードルカップで飲むのが普通なんですよ。口が広い分香りも楽しめます。

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恵比寿新聞
ほんとですか~??ん~。では。ズルズルズル。。。ん!?

安部さん
どうですか?

恵比寿新聞
全然甘くない!むしろリンゴの香りがさわやかでその奥に深みがあるというか・・・

安部さん
そうなんですよ。

恵比寿新聞
白ワインの深みに似ていますよね。はー!これはガレットに合うわ。

安部さん
これがブルターニュスタイルです^^その他にも日本の食材をフュージョンしたガレットがあるんですよ。

恵比寿新聞
どんなガレットだろ?

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シラス!?

恵比寿新聞
安部さん。これ。シラスじゃないですか?

安部さん
実はガレットって日本の食材にとても合うんですよ。実は私現在湘南地区に住んでいまして、そんな湘南・鎌倉地域の特産物を使ったガレットを作っています。このシラスも湘南のシラスなんですよ。

恵比寿新聞
へぇ~。湘南とブルターニュのコラボって感じですね。見てみるといわゆる「コンプレット」の具材にプラス釜揚げシラスともう一つは?

安部さん
これは蒸した鎌倉の春キャベツですね。

恵比寿新聞
キャベツに火が入ってあま~い香りがしますね。

安部さん
春キャベツだから特に甘くておいしいですよ。

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焼きあがったシラスと春キャベツの

ガレットの上に鎌倉で獲れた新鮮な

無農薬野菜がのって登場しました。

味はガレットの香ばしい蕎麦の香りと

シラスの香ばしさがとても合っていて

春キャベツの優しい甘さとレタスの

ほんのりの苦みがまた合うんですね。

そしてガレットのサクッとした食感と

レタスのザクッとした食感もよし。

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ガレットって意外と奥深い。

独特の蕎麦の香りとサクッとした

食感が根幹にあるのでその根幹の

特徴をうまく利用した無限大の

使い方があるわけです。

恵比寿新聞が考え付いたのは

そば粉の香ばしい香りに合うには

グリルした鶏のもも肉に

岩塩・はちみつ・バルサミコ酢

ピーナッツペースト・クミン

ニンニク・オリーブオイルで

作ったソースにグリルチキンを

絡めて野菜と一緒にガレットで

巻いて食べたい!

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安部さんの話によると

小麦で作ったクレープのデザートが

最後にあるそうで。クレープも

列記としたブルターニュの郷土食。

どんなクレープデザートが

出てくるのでしょうか?

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恵比寿新聞
これはなんですか?

安部さん
こちらは湘南で採れる「湘南ゴールド」というオレンジなんですよ。香りと酸味が特徴の新しい果実なんですよ。

恵比寿新聞
こちらを作ってクレープを作るってことで?

安部さん
はい。是非味わってみてください^^

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鍋で温めたオレンジソースに

焼きたてのクレープを入れます。

店内はオレンジのさわやかな香りで

いっぱいに。ん~いい香り~。

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グツグツと煮えるオレンジソースと

クレープの上に先ほどご紹介した

「湘南ゴールド」の実を乗せて

なんとその上から

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こちらのアルコール度数40度の

オレンジリキュールをかけるのですが

ただかけるだけではありません。

なんと!!!!!!

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着火!

恵比寿新聞
安部さんこれ・・・・彼女を最後に落とすための・・・・

安部さん
そうとも言えますね。

恵比寿新聞
でも・・・昼間だとなんか雰囲気ないですね・・・・

安部さん
確かにそうですね・・・・是非アイスクリームと一緒に召し上がってください!

grett038これが絶句する旨さ

ただのクレープかと思いきや

香りの塊なのであります。

オレンジを凝縮したような

ほのかな香りではなく強烈な

後に引く香りとほのかな甘みと

さわやかな酸味。それをバニラアイスの

優しさがシナジーしてくる

俺のエビデンスがアサップしてオーソライズ

したかのように見せてアジェンダでデプロイ

したようなお味なのでございます!

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15種類以上の味が

ブレッツカフェ ル・コントワールでは

ブルターニュ正統派ガレットはもちろん

日本の食材に合わせた創作ガレットや

フランス全土で楽しまれているガレット

などなど15種類以上の味が楽しめる。

安部さんにおねだりすればもしかして

あなた独自のガレットも作れたりして。

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ブレッツカフェ ル・コントワール
東京都渋谷区恵比寿4-11-8 1F
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月曜日 定休

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