新年あけましておめでとうございます
新年早々お正月旅行で行った
パタヤでかわいい女子に声をかけられ
危うく俺のコップンカップが
サワディ~カッ~プしそうに
なった恵比寿新聞でございます。
本年もよろしくお願いいたします。
さてさて、新年のあいさつはそこそこに
またまた良い店を発見してしまいました。
いつも小粋な情報をいただく工作員
恵比寿在住の某有名スタイリストさん
おすすめということもあり
ちょっくら住宅街の奥地にあるお店を尋ねました。
こんな路地裏に・・・
恵比寿駅から歩いて15~20分。
スキップであれば10分ぐらい。
恵比寿ガーデンプレイスの裏手を歩いて
猫やら鵺やらが出てきそうな雰囲気漂う
路地裏に入りすますとこちらのお店があります。
鵺の気配を感じビビりながら入ると・・・・
暗っ!怖っ!
ありました。ほんとに。
全然違う人の自宅だったらどうしよう
というような・・・・
「まました」というお店みたいだ。
見た目めっちゃ「家」。おばちゃんが
シミーズ姿で出てきてもおかしくない。
そんな雰囲気さえ漂う店構え。
情報では「何を食べてもおいしい」
とのことで半ば半信半疑巨人戦で入店。
中はめちゃくちゃきれい
店の外の雰囲気とは全く違う
中は木なりのカウンターがドーンと
鎮座し落ち着いた和の雰囲気が漂う
小粋な小料理屋的店内。すごいギャップ。
カウンターの中では若い料理人の方が
2人手際よく刺身をさばいている。
とりあえずカウンターに一人座り
食通ぶってこう言ってやりました。
あすすめ5品。そこんとこよろしく(キマッタ)
内田裕也を彷彿とさせる言い回しに
店員さん絶句。そして徐に出てきた
一品目がこちら「ポテサラ」。
まずは薄張りグラスに継がれた
生ビールでこのポテサラを
豪快に流し込んでやろうと一口
ポテサラを口に運んだんです。
ん!?
なんかいつものポテサラじゃない・・・
恵比寿新聞
マスター。いや。板さん。このポテサラ。今までミーが食べていたポテサラとはちょっと違うポテサラなんですけど。どこサラ?
店主
実はこのポテサラ「動物性たんぱく質」を一切使ってない「ヴィーガンポテサラ」なんですよ。
恵比寿新聞
え!?いやいや。ポテサラってタマゴやマヨネーズや動物性たんぱく質の玉手箱じゃないですか?
店主
はい。タマゴもマヨネーズも使用してません。代わりにゴマや味噌を使ってるんですよ。
(´◉◞౪◟◉;)や・・やるじゃん・・
1品目から度肝を抜かれたわけで
2品目からがこれまた秀逸。
刺身でもそのまま出てくるわけではなく
しっかりと下処理された刺身が。
しかも神経締めした魚なのかもう
身がトロトロなのです。
百合の根のかき揚げ。
刺身の後のタイミングっていうのが
わかってらっしゃる。
口にするとサクッとそして中が
超絶にほっくり。。栗を超えるほっくりさ。
甘い。しかも塩をつけるとこれまた甘い。
んーー!!!うまいぞーー!!!
うまく緩急つけてきますね~。
揚げ物からの冷たいもの。
鶏肉のチャーシュー。
先ほどのほっくり百合の根のかき揚げで
ぱっさりした口の中にこの鶏チャーシューの
しっとり感で一時休戦モード。
みずみずしさが売りの鶏チャーシュー。
隣に添えられたゆず胡椒と一緒に
口に運び「ん!」と唸るような味。
流れが最高~!ここにきてビール3杯。
日本酒に切り替えた途端出てきたのがこちら
さんまですね。
しかも綺麗に丸められた状態。
一口でこの俵型のサンマを頬張ると
照り焼きの香ばしい香りと秋刀魚の
ジュワっとした脂が口の中いっぱいに。
これが絶妙に米に合う気がした途端!
土鍋炊き込みご飯キタ!
絶妙すぎるタイミングで土鍋ご飯。
心を見透かされているような・・・
急いで炊き立ての土鍋ご飯をよそい
先ほどの秋刀魚の照り焼きを頬張り
透かさず米を口に運ぶと・・・・・
照り焼きの甘さと秋刀魚の脂が
炊き込みご飯を優しく包み込み
リンゴと蜂蜜が恋するわけないじゃん
と小学校の時西城秀樹を侮辱した
自分が情けなくなるほど
秋刀魚と土鍋ご飯が恋をしていました。
取材させてください!
さっきまで内田裕也を彷彿とさせるような
客が唐突に「取材させてください!」叫んだので
そりゃーびっくりするよね。お話を伺ったのは
こちらの店主の間々下さん。
恵比寿新聞
取材させてください!
間々下さん
えーー!?急にびっくりです。
恵比寿新聞
うまい!タイミング絶妙!味付け最高!
間々下さん
ありがとうございます。。
恵比寿新聞
取材させてください!
間々下さん
まぁ僕でよければ・・・
数日後・・・
ということで後日お時間を頂き
取材させてもらうことになった。
間々下さんがどんな経歴を持った
料理人なのか。店主がおすすめする
一押しの料理ってどんなものなのか。
時刻は14:50を回ったころ。
ランチも終わりこれから夜の仕込み
という忙しい時間に取材が始まった。
とりわけ日本食は仕込みも大変。
手間暇を惜しんではやはり本物の味は出せない。
「まました」では1日2回出汁をとっている。
作り置きなど一切しない。
当たり前の事だけど実はここが出来てると
出来ていないとでは全く別次元。
見た目非常に若く見える間々下さん。
ご出身は静岡県。両親ともに自衛隊に勤務
されている家庭に育ちもっぱらお婆ちゃん子
として育つ。そんなお婆ちゃんの台所が
間々下さんの遊び場。くず野菜を
お婆ちゃんからもらい包丁で刻んだり。
自然と「料理」が身につくようになったそうな。
間々下さん
うちの一家は自衛隊で勤務してて弟二人も自衛官なんですよ。そんな家庭なので両親が共働きでもっぱらお婆ちゃんに育ててもらったって環境ですね。僕自身も親の影響から自衛官になるのが夢だったんですが自衛官になるための高校に落ちたので普通の高校に進学したんですね。弟たちは35倍の難関を勝ち抜きみな高校に入学した時に「弟の下で働きたくないな~」と単純な理由から自衛官の道はあきらめたんですよ。
恵比寿新聞
で料理人の道を選んだんですか?それは親御さん大反対じゃなかったんですか?
間々下さん
そうですね。自衛隊自体は安定した職なので不安定な料理人の仕事は親からすると大反対でしたね。とりあえず高校を卒業してからうどんすきの「美々卯」に入ったんですよ。
恵比寿新聞
美々卯といえばあの大阪堺発祥のうどんすきを考案したという名店ですよね?
間々下さん
7年働きましたね。若いころ修行するにはいいけど自分の店を持ちたいとなれば少し違うかな?と感じて三軒茶屋にある「阿川」という和食の店で勤務してその後銀座のワインバーで料理人として1年働いてその後恵比寿のピューターズグループの「炉ばた屋」4年お世話になりました。
恵比寿新聞
あ!松下さんのお店!恵比寿の夜ではほんと松下さんにはお世話になっているんですよ。そんな経歴があったんですね~。
自分の店が持ちたい
恵比寿新聞
自分がやりたいお店ってどういうイメージがあったんですか?
間々下さん
やっぱりカウンターで自分の仕事も見てもらいながらお客さんとちゃんとコミュニケーション取れるようなお店を持ちたかったですね。料理に関しては最近多い痛風の方や糖尿病の方でもおいしく食べれるような料理を作りたいと思ってます。あとうちの嫁が魚は食べるけど肉は食べないのでよく嫁に連れられてヴィーガンのお店にいたりしているので動物性たんぱく質を取らない人たちのための料理も出せるお店にしたいなという思いがありました。
恵比寿新聞
本当に最近はヴィーガン食が注目されているので動物性たんぱく質を摂取しない食生活を送る方には本当に助かりますよね。
この場所に決めた理由
恵比寿新聞
しかしここの場所。めちゃくちゃ奥地というか恵比寿でいうと(実際は目黒区三田)かなり秘境な感じなのですがなぜこの場所に?
間々下さん
中心街よりもちょっと離れた場所でやりたかったんですよ。たまたま決めようと思っていた物件がダメになってその奥にあった古びたボロボロの一軒家があって。それがここなんですよ。
恵比寿新聞
出会ってしまった系ですね。
間々下さん
本当にボロボロだったんですが何故か「いいな~」と思ってここを借りてすべてリフォームして。大変でした・・・・
裏恵比寿と呼ぶ理由
恵比寿新聞
そういえば気になったんですがお店の名前の前に「裏恵比寿」ってついているじゃないですか?最近恵比寿は「横渋谷」という屈辱のあだ名がつけられているのですが(笑)その中で「裏恵比寿」と自称しているのは非常に貴重な存在だなと。
間々下さん
結構いろいろと考えたんですがまさにこの場所って恵比寿ガーデンプレイスの裏に位置する場所で住所こそ「目黒区三田」なんですけど恵比寿色が色濃く残っている場所だなと思い単純に裏にあるから「裏恵比寿」って名付けたんですよ。
恵比寿新聞
この辺(三田)って意外と恵比寿駅と目黒駅の真ん中に位置する場所なので交通のアクセスもそんなに良くない場所でいわゆる「ひっそりと佇む隠れ家」的な要素がたっぷりあるなーと前から気にはなっていたんです。カレー屋さんのシャナイヤさんも住宅街の奥地にひっそりと佇む都会の喧噪から離れた立地が受けているから。もしかして「裏恵比寿」定着しそうですね。
間々下さん
ちょっと離れればこんな静かでゆったりとした場所って少ないですからね。
恵比寿新聞
そういえば話がコロッと変わるのですがこちらで頂いたお刺身が非常にトロっとしていて滑らかでうま味もあっておいしいな~と思っていたんですが、あれはいったい?
熟成した魚の面白さ
間々下さん
うちは活絞めした魚が多いですね。野締めした魚より死後硬直していないのでプリプリですし持ちも違うんですよ。白身だと3日ぐらい寝かすと本当においしいんですよね。歯ごたえとうま味が出てくるんですよ。
恵比寿新聞
やっぱり活締めだったんですね。しかし寝かせればうまくなるって今までの「新鮮こそ命!」的な神話が崩れますよね。
間々下さん
うちは江戸前方式なので1日目食べてもうまくて2日目に来て食べてまた食感が変わる面白さを楽しんで3日目でうまみが引き出される面白さを感じたりと3日連続できても楽しめると思います
恵比寿新聞
へぇ~常連さんはかなり楽しめる内容ですね。
とまぁ素材へのこだわりと
人の口に入るまでのプロセスの面白さを
十分に熟知した間々下さんがとんでもない
料理を出したことで恵比寿新聞の
「出汁」への考えが180度変わるという
珍事が起こりました・・・・・
間々下さん
恵比寿新聞さん。これなんだかわかりますか?
恵比寿新聞
どう見ても干したトマトにしか見えないんですが
間々下さん
はい。自家製で干しているトマトなんですが、トマトを使った料理出しましょうか?
恵比寿新聞
和食にトマト!?・・・・ではお願いします。
トマト麺
間々下さん
はい。こちらがトマト麺です。
恵比寿新聞
ん?干したトマトが一つ乗っかったにゅうめんのように見えるんですが
間々下さん
まぁ食べてみてください。
恵比寿新聞
ん・・・・ではいただきます。ズルズルズル・・・・ん!?ん!!!!!
衝撃のトマト出汁
恵比寿新聞
んんんん~~~~!!!!!!これ!普通の出汁じゃない!!!どこかで味わったような・・・・もしかして・・・・
間々下さん
はい。すべてトマトから出汁を取っているんですよ。
恵比寿新聞
うぁーーーこれめっちゃくちゃおいしい!!!!トマトのちょっとした酸味と甘みとこの独特の「うま味」がそうめんによく絡んでこれはやばいですね!「トマト」が「出汁」になるなんて結構衝撃。
間々下さん
一つ一つトマトを裏ごししてピューレ状にして出汁を取っているんですよ。
恵比寿新聞
これは飲んだ後に食べる麺類でいうと結構上位に来る味!!!
諸説ありますがトマトは地中海地方の料理では
出汁の要素として使用することがあるそうです。
トマトはグルタミン酸が豊富で独特のうま味を
抽出したのがこのトマト麺のスープ。
まさにトマトのうま味だけを抽出した
黄金汁なのであります!!!
夏は冷やしトマト麺
間々下さん
冷やしトマト麺もあるんですよ。
恵比寿新聞
これも上質なトマトの出汁が冷たいからよく感じられる逸品でうまうまです・・・・これはやられた・・・衝撃です。
間々下さん
野菜もすばらしい出汁が出るんですがやはりトマトのうまみは別物ですね。
いや~新しい発見がありまくりの
こちら「裏恵比寿 まました」さん。
ヴィーガンポテトサラダに始まり
その他にもテンペを使った料理や
様々な調理法を駆使した和食を提供する。
最後のトマト麺は恵比寿の名品として
ぜひ一度は味わっておいたほうが良い代物。
季節の旬の素材を使った創作といてよい
和食の世界が広がる「裏恵比寿 まました」
おすすめです。
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裏恵比寿 まました
東京都目黒区三田1-11-19
03-5734-1147
ランチ
月~金 11:30~13:30
ディナー
月~金 17:00~25:00
土 17:00~24:00