恵比寿新聞の記憶ですと15~6年この駅から離れた恵比寿2丁目で
食通をうならせていたfummy’s grillさん。聞いて見るとなんと!
1996年開店の19年目に突入しているというまさに老舗であります。
カリフォルニアキュイジーヌとして日本でも珍しかったジャンルを開拓し
その頃メジャーでなかったカリフォルニア料理やカリフォルニアワインなどを
紹介した草分け的名店がなんと2015年3月中旬にリニューアルしたという情報を
聞きつけ恵比寿新聞取材させていただく事となりました。
内装に関してもリニューアル。素敵ですよね。このフミーズの日の差し込む窓。
情報によると何度か内装の趣きを変えてらっしゃるようで19年の歳月があれば
それなりの皆さんも各時代に思い出があるんじゃないでしょうか?
木なりと鉄のインダストリアルな感じがなんともお洒落。
こちらは入口入ってすぐのダイニング席。椅子も素敵ですね。
そしてなんとも一人でも来れそうなコミュニケーションしやすい
仕切りのあまりないカウンター。いいですねー。シェフに声掛けやすそう。
「今日どんな料理かな~?」的な。何度も言いますがこのイス可愛い。
そんなカウンターにはプランターがありお花が咲いていました。
んん??・・・ちょっと待って。カウンター席にお花?
ん~・・新しい演出なのかな・・・あはは・・・はは・・・
※このあとこの真相が明らかに・・・・
今回お話を伺ったのはこちらfummy’s grillの新料理長の渡邊シェフです。
メ・・・・メンイケ・・・・
この若さでグランドシェフに抜擢され店長のお話では
渡邊くんの料理の発想は本当に面白いですよ。との太鼓判付。
恵比寿新聞
いや~やっとフミーズグリルさんに取材させていただく事が出来て光栄です。
渡邊シェフ
いえいえ。こちらこそ。今日は何をお出しすれば良いですか?
恵比寿新聞
もうアッ!!と驚く料理をお願いします!
渡邊シェフ
「あっ!」ですね。承知しました。
店長
まぁどうぞ~恵比寿新聞さん。一杯。
キター可愛がり
最近恵比寿新聞取材に行くとお昼にもかかわらず何故かお酒を出されるんですね。
そんなにお酒が好きそうな顔してるのかな?・・・・
この間も桜の見れる素敵なお店「イワカムツカリ」さんの取材でも
オーナーの内山さんにしこたま飲まされてへべれけになっての取材でした。
恵比寿新聞では「可愛がり」と呼んでいるのであります。有難いことです。
恵比寿新聞
本官職務中でして。アルコール類の・・・グビッグビッグビ・・・プッフォー!
店長
おぉー。結構良い飲みっぷりですね・・・・
恵比寿新聞
恐縮です。それではまず1品目お願いします。
え?・・・
恵比寿新聞
えっと・・・これは・・・生け花っすよね・・・
渡邊シェフ
はい。どうぞ食べてください(満面の笑み)
恵比寿新聞
そんな満面の笑みされても・・・花を食べるんですか?
渡邊シェフ
あっ!その前にこのドレッシングをですね・・・・
ドバァー
恵比寿新聞
あー!!!!何するんですか!?バカぁ―!!
渡邊シェフ
実はこのお花すべて食べられるお花なんですよ。
恵比寿新聞
食用菊は知ってるけど、これパンジーとか花屋で売ってるお花ですよ。しかもこの刺さってる栄養アンプルみたいなのって・・・
渡邊シェフ
あ。これをですねこうやって。
プチュー
あぁん!もうやめてあげてっ
恵比寿新聞
何するんですか!!えーーー!!???
渡邊シェフ
この栄養アンプルはオリーブオイルが入っているんですよ。
恵比寿新聞
・・・って本当に食べられるんですか?
渡邊シェフ
どうぞ。食べてみてください(満面の笑み)
ドッキリじゃないよね?
んーー。。今まで色んな取材してきたけど「お花」を食べるのは初めて。
観るのは好きだけど食べるとなると・・・・アム・・・ん!!!!
むむ!全く苦味なし!!
恵比寿新聞
っていうか普通にうまいんですけど・・・・
渡邊シェフ
これは「エディブルフラワー」と言って食べるために育てられた花なんです。食用なので化学肥料や農薬を一切使っていないお花なんです。神奈川県伊勢原市にある加藤花園さんがこのエディブルフラワーをずっと以前から作ってらっしゃることを知って直接会いに行って食べて感動してうちのメニューに取り入れたんです。
恵比寿新聞
ムシャムシャムシャ・・・・しかも花によっても風味があって。もうこれは野菜ですね。ちょっと新発見!
渡邊シェフ
「アッ!」と驚いたでしょ?
恵比寿新聞
驚いたどころじゃないですよー!!!でもこの加藤花園さんにわざわざ行かれたんですね。
料理人として生産者に会いたかった
渡邊シェフのお話によると元々料理人として食材を調理する中で
食材を作る人や生産する人たちへのリスペクトがあったそうです。
折角なら会って話を聞き感動した食材を使いたい!という事で
会う事で思いも伝わるし料理にも魂がこもる!そんな流れで
今回のリニューアルに際しグランドメニューを一新したそうです。
恵比寿新聞
カリフォルニアキュイジーヌ・・・は?
渡邊シェフ
一度忘れてください。お次の料理お出ししても良いですか?これも私が食べて納得した食材を使用している物ばかりです。
鯛一郎クンのカルパッチョ
恵比寿新聞
クン付けなんですね・・・鯛一郎ってなんですか?
渡邊シェフ
鯛一郎クンです。鯛一郎クンは愛媛県の宇和島で養殖されている鯛なんです。これが全く養殖独特の臭みがなく素晴らしい味なんですよ。
恵比寿新聞
宇和島ですか?でもやっぱり「養殖」の魚って飼料のせいかどこか臭みがあるってイメージですね。
渡邊シェフ
ほんとうに臭みがないんで食べてみてください。
という事で厚切りにされた鯛一郎クンを
頂いてみました。確かに臭みは全くない。そして不思議な食感。何だろう。
モッチリ感というか鯛のコリッとした食感の中にフワッと優しい食感。
恵比寿新聞
これは養殖でもなく天然でもなくオリジナルな味ですね。私でもわかるような食感。美味いっす。
渡邊シェフ
実はこの鯛一郎クンの生みの親は徳弘多一郎さんという方なんですよ。だから「たいちろう」の「たいいちろう」なんですね。この徳弘さんが鯛を愛する方で「天然の鯛よりもおいしい養殖真鯛」を目指して作ってらっしゃる鯛なんです。もちろん化学飼料は一切使わない独自の飼料で健康に育った鯛なんですよ。
恵比寿新聞
鯛を愛するたいちろうさん。。濃いですね(笑)
渡邊シェフ
その方の鯛一郎クン認定書も頂きました^^
さっきから出てくる料理すべて美味しいのですが、
それ以外にも付け合わせの野菜が異様にレベル高くて
渡邊シェフもしかしたら「食材マニア」なのかもしれないな・・・
恵比寿新聞
渡邊シェフ。さっきから出てくる料理の付け合わせ野菜が異様においしいんですけど・・・・特にニンジンが・・・
渡邊シェフ
やっぱ野菜って素材ですからね。全国から産地もいろいろな旬の野菜を入れているので手抜きしてないですよ。次の料理も面白いと思います。
肉キタ!
恵比寿新聞
肉来ましたね。
渡邊シェフ
まずはそのままでお肉食べてみてください。
恵比寿新聞
パクっ。ん???なんか味わったことのある深い味わい。でもこれ肉の味わい・・・ていうか・・・うぉー。。この旨み・・・なんだろう!?喉のここまで出かかってるんだけど・・・
渡邊シェフ
米沢牛を一度昆布で〆てるんですね。
これ驚異的な味
これ初めての味わいなんですけど赤身肉のしっかりとした肉の旨みの後に
あの「昆布」のブォワ~ンという優しい深みが押し寄せてきて。わかります?
「ブォワ~ン」って。昆布によって逆に肉の旨みが引き立つ。これは新発見!
恵比寿新聞
こりゃ大発見ですわ。うちでも真似してみよう。ところで渡邊シェフ。この下に敷かれた緑の葉っぱって何ですか?
渡邊シェフ
これはですね。ワサビの葉っぱですね。一緒に食べてもらえると美味しいかもですね。その他にもセロリのマイクロリーフとパクチーのマイクロリーフ。あと、農園に無理言ってお願いしている完熟する前の白い状態のイチゴと一緒に・・・
恵比寿新聞
え!?ちょっと待ってください。いちごの未完熟どういう感じで食べるんですか?
渡邊シェフ
このプレートは色んな形でお肉を楽しめるような仕組みになっているんです。丁度今お肉食べた後いちごかじってみてください。
恵比寿新聞
シャリ。ん。。甘みが無くてなんだか不思議だけど
渡邊シェフ
口の中リセットできた感じしません?
恵比寿新聞
ぁあ!確かにね。そういう使い方なのか。という事はこのワサビの葉っぱも・・・・
こういう感じ?
渡邊シェフ
この形で食べた人見たことないですね・・・・
恵比寿新聞
上からセロリとパクチーのマイクロリーフをまぶして!巻いて食べる!
渡邊シェフ
うん。アリかもしれませんね。
あ。こら旨いわ
恵比寿新聞
噛みしめた時に肉の旨みがあってその後パクチーとセロリの香りがタマランデスネ。逆にワサビの存在感忘れてしまうわ。しかもこのパクチーのマイクロリーフ。パクチー以上に香りの持続力強烈っすね。
渡邊シェフ
そうなんですよ。新芽だからなんでしょうか。女性にも人気ですね。
店長
まぁまぁどうぞどうぞ^^
可愛がりキタ!
この肉にあうに決まってるじゃないですか?赤ワイン。
店長絶妙なタイミングでドリンクを出してくるんですよ。
さすがっすね。グビグビグビ・・プルルルル~。
恵比寿新聞
美味いっすねーこのワイン!カリフォルニアワインですか?もしかしてジンファンデル?
店長
スペインですね(笑)しかもテンプラニーリョですね(笑)
恵比寿新聞
全問不正解・・・しかもカリフォルニアは?・・・・
んー。もう斬新に切り替わったという事なんでしょうね。
もちろんカカリフォルニアキュイジーヌの血を引きつつも
サラブレッド状態の未知の領域に突入しているという感じ。
花食べたり・天然を超えた鯛を食べたり・昆布ジメ肉食べたり。
次は何が来るんだろうか・・・・・
え?・・・・
へいお待ち―!
恵比寿新聞
へいお待ち―って・・・今何が起こっているのかさっぱりわけわかめちゃんなんですが・・・
渡邊シェフ
ラーメンです!
恵比寿新聞
いや・・・それはわかるけど・・・・どうして?おしえて?何があったの?
渡邊シェフ
実は僕ずっとラーメンの研究をしているんです!
恵比寿新聞
いや・・いきなりそんなこと言われても・・・どういうことですか?
渡邊シェフ
自分にうそはつけないというか。本当にラーメンが好きなんですよ。もうかれこれ十何年かけて名店と言われるらーめん店に足を運んで味わい自分で作ってこれだという味にたどり着いたんですよ。
恵比寿新聞
むむ!そこまで渡邊シェフが言うという事は本気なんですね!
渡邊シェフ
超本気です。勝負の一杯です。すべて無添加・無化調の大山鶏から取った鶏ガラスープです。
恵比寿新聞
この上に乗っているのは?
渡邊シェフ
低温調理した鶏のハムです。
恵比寿新聞
へぇー。珍しい。それでは頂きます・・・ズルズルズルズルズル・・・
やばい・・・旨い・・・
なんという事でしょうか・・・・こんなところにらーめんの名店出現。
無添加・無化調だけあって化学調味料バリバリのパンチを求める人には
物足りないかもしれませんがなんと言っても繊細なお味。透明なスープは
じっくり沸騰させずに時間をかけて旨みを抜き出している丁寧な仕事
そして上に浮かぶのは・・・・これ焦がしネギ????
恵比寿新聞
渡邊シェフ。これ。焦がしネギですか?
渡邊シェフ
実は焦がしエシャロットなんですよ。美味しいでしょ?
恵比寿新聞
いや~この焦がしエシャロットがなんとも言えないパンチになっていてこの細麺も麺の吸い上げがとてもバランス良くて・・・ちょっと甘く見ていました。すみませんでした。これはおいしいです。
渡邊シェフ
うちのラーメンは食べても次の日のどがカラカラになったり舌がピリピリしないですよ。
恵比寿新聞
ありますよね。化調バリバリのラーメンって一口目が恐ろしく美味いんだけど食べた後舌がピリピリするというか。体にも優しいし繊細なお味でおいしいです。
店長
まぁまぁどうぞどうぞ^^
やっと来たカリフォルニア(笑)
恵比寿新聞
やっと来た(笑)べリンジャーのカリフォルニアワイン。でも色がなんだか白にしては琥珀ですね。
店長
これ。べリンジャーのデザートワインなんですね。
恵比寿新聞
へえーーー!!という事はそろそろ〆の甘いものが^^
チョコアイスだいすき!
むむ??何か出てきた・・・・・
シュッ!シュッ!
やばい。なんだこの芳醇な大人の香り・・・
何か吹きかけたんですね。その途端チョコアイスの周りは
大人のなんとも言えない香りがフォア~ンと。。。。。
ロマネコンティじゃん!!
恵比寿新聞
Marc de Bourgogne DRC って・・・・ロマネコンティ・・・・
渡邊シェフ
ロマネコンティのブランデーですね。1本十数万するそうです。
恵比寿新聞
それをシュッ!シュッ!したの!?
渡邊シェフ
はい。たまらないですよ。
そんなの旨いに決まってるじゃん!のび太さんのバカ!
なんだ。泣けてきた。シュッシュ1回いくらなんだよ・・・・
しかもこのチョコアイスがビターで大人の味でさ。。。
そしてさっきシュッシュしたロマネコンティの香りが・・・・
恵比寿新聞
もう一回シュッ!シュッ!していい?
渡邊シェフ
ダメです!
という事で新しく生まれ変わった新制フミーズグリルはまさに
食のジェットコースターかのような斬新なお料理の数々。
物足りない日常にアクセントを効かせるにはもってこいのお店でした。
いや~花食べたし。天然以上の鯛も食べたし、肉の昆布ジメからの
驚きのラーメン。ロマネコンティシュッシュチョコアイス・・・・
よい意味で裏切られました。
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fummy’s grill(フミーズグリル)
東京都渋谷区恵比寿2丁目1−5 佐々木ビル 1F
03-3473-9629
【ランチ】月曜日~金曜日 11:30~15:00
【ディナー】月曜日~金曜日 17:30~23:30
【土・祝】17:30~23:30