恵比寿の東京都写真美術館ホールで公開される映画「東京シャッターガール」

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週刊漫画ゴラク(日本文芸社)にて好評連載中の漫画「東京シャッターガール」

(原作:桐木憲一)が、実写映画化され恵比寿にあります「東京都写真美術館ホール」で

11月23日(土)~12月6日(金)まで公開されるという事で原作者である桐木憲一さんに

お話を伺う事になった。この記事を書くきっかけはたまたま製作実行委員会の方が

恵比寿新聞に連絡をくださり折角恵比寿にある東京都写真美術館ホールで映画を上映するのであれば

是非恵比寿に住む皆さんに見てほしいという事でインタビューが実現しました。

無類のカメラ好きの恵比寿新聞。東京シャッターガールとは写真部に

所属する女子高生による東京の街歩きを主題とする短編漫画。

今回はちょっと恵比寿を飛び越えて桐木さんの住む地域にお邪魔してみました。

東京シャッターガールの原作者桐木憲一さんが住む町は豊島区南長崎。

ここはトキワ荘など有名な漫画家を輩出した漫画の聖地。こちらは故赤塚不二夫さんが

作業場件住居として使っていた事のある「紫雲荘」という古いアパート。トキワ荘とは

目と鼻の先にあります。こちらが東京シャッターガール原作者の桐木さんの作業場件

住居でもあるのです。ほら。赤塚の文字が。202号室に実際に赤塚さんが住んでいたそうです。

桐木さんは東京シャッターガールの第8話で登場する「椎名町トキワ荘通」を描いた事が

きっかけでこの地に住むようになり現在は「トキワ荘通り協働プロジェクト」というプロジェクト

を立ち上げてらっしゃる。このプロジェクトは漫画家志望の若者育成に紫雲荘を活用するという

「紫雲荘ワークショップ」という企画で現在は桐木さんを含め3人の漫画家がここで生活し

日夜漫画を世に提供している。

こちら桐木憲一さん。紫雲荘から徒歩5分ほどの喫茶店でインタビューする事に。

椎名町は昭和の建物が未だたくさん残っている住宅街でとても懐かしい風景が並びます。

天気も良くてポカポカしている。そして桐木さんはニコニコしている。

そして取材場所の喫茶店に着くや否やご近所に住む方であろうか?

「桐木さんのファンの方がこんなお土産を置いて行ったんですよ」とものすごく

地域に愛される漫画家丸出しの桐木さん。愛されていますね。

という事でインタビューが始まりました。

東京シャッターガールの始まり

東京シャッターガールは2010年7月より『週刊漫画ゴラク』にて連載がスタート。

連載を開始するキッカケを桐木さんにお聞きしました。

桐木さん
週刊漫画ゴラクさんの方で10~15ページほどスペースが空くというお話を頂いて始まりました。当初コンセプトも「レトロと女子高生」という題材を指定されていたのであまり考えず「これかな?」という流れで始まったんです。当時は女子カメラ的な流れが来ていたので。

恵比寿新聞
確かに。FACEBOOKでも「カメラ部」や「女子のカメラ講座」的な物も増えて来ていた時期でもありますよね。最初第一投目の開始で漫画ゴラクで始まったわけですが最初の反響はいかがだったんですか?

桐木さん
あまりこういう題材の漫画ってないよね、という事で評価頂けたんではないかと思います。カメラ片手に女子高生が下町を散策しカメラに収めるという散歩的要素も織り込んだ作風でしたから。

※女子高生「夢路歩(ゆめじあゆみ)」は写真部に所属しており、街を歩き思い思いの写真を撮って行くという散歩要素の入った作風

映画化の話が持ち上がった事

恵比寿新聞
映画化の話が持ち上がったのはいつ頃なんですか?

桐木さん
去年の10月に町田で「写真展 東京シャッターガール」という東京シャッターガールで描かれた地を写真家の方に撮影してもらった写真展をやったんですね。その時に昔から交流のあった映画監督の寺内康太郎さんに「映画をつくりたいな~」というお話をしてみたところ「いいですよ」と言われて(笑)

恵比寿新聞
それは驚きですね(笑)

桐木さん
はい。そうこうしているうちにこの写真展に参加していただいている方のお知り合いが写真家のコバヤシモトユキさんで小林さんもちょっとしたショートフィルムみたいなものを作ってらっしゃるという事でやっていただけることになり。そして元々手塚治虫さんの娘さんの手塚るみ子さんとつながりがあり手塚治虫さんの息子さんでもある手塚眞監督も加わるという。

恵比寿新聞
とんとん拍子ですね(笑)それで映画化が決まったと。

桐木さん
はい(笑)

3人の監督による個性

恵比寿新聞
今回の東京シャッターガールの内容を見てみると各3人の監督による短編映画になっているのですが。この辺はどういう物なのですか?

桐木さん
実は既に各監督は東京シャッターガールを読んでいただいていた事もあり映画はできるだけ監督の個性が出るような物にしたかったのでお任せでした。

恵比寿新聞
お任せといってももちろん現場には赴いたんですか?

桐木さん
はい。お手伝いのような事をしていました(笑)物を運んだり。出演者の交渉などもほとんど(笑)

恵比寿新聞
原作者が(笑)でも面白かったんじゃないですか?

桐木さん
はい。いつもは机に向かってという仕事がほぼなので撮影に立ち会えるというのは良い経験でした。3人の監督の中でも小林さんは初の監督作なので一緒にいちから撮影していくという感じで手伝いましたね。


※コバヤシモトユキ監督 『写真って何?』より
 キャスト/田中美麗、西野実見、 雲母 、田口夏帆 、清田悠聖 、
 芳村宗次郎 、ハービー・山口

桐木さん
小林さんは元々写真家としては非常に有名な方だったのでおもしろい作品になっていると思います。出演者も小林さんがtwitterで主演女優は誰が良いのか一般の方から意見を聞く為募集したんです。するとSUPER☆GiRLSの田中美麗さんが良いという話になり(笑)

恵比寿新聞
twitterの使い方斬新すぎる(笑)

桐木さん
そこから小林さんに「田中さんに連絡して」って言われまして。ぼく知り合いじゃないし(笑)事務所を調べて連絡してavexさんへ連絡したら企画書送ってくださいと言われて。全部自分でやりました(笑)

恵比寿新聞
原作者の業務を飛び越えてる(笑)

桐木さん
もう一人の監督は寺内康太郎さんなんですが、そもそもヒロインの夢路歩ってショートカットなんですよ。小林さんも手塚さんもその辺を意識してキャスティングしていただいているんですが寺内さんだけ長髪の藤井武美さんで制服もブレザーが良いって言いだして。その辺は白のセーラー服に統一させてもらったんですが(笑)

恵比寿新聞
大変でしたね(笑)そもそもお聞きしたかったのですが東京シャッターガールを見た監督が独自のストーリーで映画を組み立てていくってものすごく斬新ですね。

桐木さん
そうですね。もちろん漫画にあるセリフなどを使って頂いたりロケ地なども実際の漫画に出てくる場所で撮影していたりしますが、監督の個性を意識した制作方法なので斬新と言えば斬新ですね。


監督・脚本/ 寺内康太郎 『夢路!お前無茶すんなぁ!』キャスト/藤井武美、大橋典之 、平光航平

19話「水色花火」で同級生でもあり同じ写真部の玉置が夢路歩に対して出したセリフ

「夢路!お前無茶すんなぁ!」がそのまま寺内康太郎監督のタイトルに使用されている。

桐木さん
個性の強い監督の方々で各監督独自の「東京シャッターガール」のとらえ方をされているのが見れてとても不思議ですね。

恵比寿新聞
そして手塚監督ですね。手塚監督ってどういう方なんですか?

桐木さん
カメラに非常に詳しい方ですね。元々お爺様が前衛的なカメラマンをされていたようで、今回の撮影も「ロシア製のレンズ」など使用されていたり非常に面白い絵が撮れているのではないかと思います。


※監督・脚本/手塚眞 『わたしは、シャッターガール』
 キャスト/夏目あおい・大西颯季

恵比寿新聞
それぞれの監督がみる「東京シャッターガール」という作品を監督独自の目線でキャスティングし各々の主人公「夢路歩」が構成されているというのは本当に映画の楽しみ方の新しい切り口ですね。実際に各監督の中で作中で共通している部分は?

桐木さん
主人公の名前と制服とカメラ(キエフ)備品ですね(笑)

という事で駆け足でお話を伺いしましたが非常に温和な桐木先生。

お話を聞いていて思ったのは「東京シャッターガール」は様々な地域を散歩しカメラというツールを

通してその場所の良さや大切な物が映し出されているように思えました。

是非恵比寿を題材に書いていただきたいと思えました。「東京シャッターガール」は11月23日から

恵比寿ガーデンプレイスにあります東京都写真美術館ホールにて公開しております。

現在ニコ生にてトークショーが開催されています

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東京シャッターガール
会場◇「東京都写真美術館ホール」
期間: 2013年11月23日(土)~12月6日(金)
タイムスケジュール ①11月23日(土)~11月29日(金)
10:15/19:20
②11月30日(土)~12月6日(金)
10:20/12:25/14:30/16:35/18:40

監督・脚本:手塚眞、コバヤシモトユキ、寺内康太郎 出演:夏目あおい、田中美麗、藤井武美、大西颯季 、西野実見 、雲母、田口夏帆 、清田悠聖 、芳村宗次郎 、ハービー・山口 、大橋典之 、平光航平
協力:日本文芸社、富士フイルム 豊島区、ULYSSES、東京カメラ部、株式会社タックデザイン、
写真甲子園実行委員会(北海道「写真の町」東川町)
音楽:山本和智 主題歌:青葉市子「ひかりのふるさと」(東雲録音) 
原作:「東京シャッターガール」(桐木憲一著/日本文芸社刊) 
プロデューサー:桐木憲一、一色卓丸 
製作:「東京シャッターガール」製作委員会
2013年/日本/93分/カラー/ステレオ
©2013「東京シャッターガール」製作委員会

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