ある一通のメールからこの話が始まります。
あまりメールを読まない恵比寿新聞。
しかし、この日ばかりは違いました。
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初めまして。新妻です。
〇丁目にお店をやっているので
是非取材に来ませんか?
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というものだった。
おいおい・・・ちょっと待てよ・・・
新妻からメールきちゃったよ・・・
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新妻(にいづま)とは
>>>結婚して間もない妻。
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いきなり新婚アピールしてくることって
かなり特殊じゃないですか。
祝ってもらいたいのかなと。
「どうも。新妻です(´◉◞౪◟◉)」って。
もしかして結婚生活に不満が・・・
気になりすぎて気づいたら
そのお店にいました。
恵比寿新聞
あっ。恵比寿新聞です(あ。かわいい。。)
新妻さん
あ!本当に来てくれたんですね!メールをした新妻です!
恵比寿新聞
はい。知っています。どうもこの度はおめでとうございます。
新妻さん
はい?
恵比寿新聞
いや・・・新妻ですって言うもんだから相当お幸せなんだろうなと。うらやましーなー。
新妻さん
え?
恵比寿新聞
まぁしいて言うなら新妻よりももうちょっと年齢のいった「熟妻」のほうが好きなんですけどね・・・ちがうかw
新妻さん
えーーっと・・・恵比寿新聞さん。
恵比寿新聞
はい。
新妻さん
これ。苗字なんですよ。新妻っていう。
恵比寿新聞
( ゚Д゚)えっ?新婚じゃないの?・・・
と過大な妄想と下心によって
大きな勘違いから始まったこの取材。
兎にも角にも折角来たのだし取材をと。
恵比寿新聞
そうか・・・新妻じゃなかったんだ・・・いや・・・新妻かぁ・・・。で。このお店はなんのお店なんですか?
新妻さん
11:30~14:00までしかやっていないお昼ご飯のお店なんです。
恵比寿新聞
みじかっ。しかもこんな恵比寿の住宅街の奥地に?誰も気づかないんじゃないですか?ってそもそも新妻さんはこのお店で働いているんですか?
新妻さん
いえ。手伝い的な感じですね^^;
恵比寿新聞
手伝い?するとここを切り盛りしているのはどなたが?
新妻さん
社長が切り盛りしているんですよ。
恵比寿新聞
社長?
変わった社長
恵比寿新聞
社長?どこの?
新妻さん
ここの社長なんですけど。
社長
あーー!!私写真大っ嫌いなの!!ダメダメ!!!
恵比寿新聞
じゃあなんで呼んだんですかw
社長
取材のことも今日聞いたんだから。写真だけは無理無理!!新妻ちゃんを撮って!!
恵比寿新聞
いや。そうはいきませんよ。だって恵比寿新聞って「人」を取材しているので社長が「どうしてこのお店を始めたの?」とか聞けないじゃないですか?どうしてもダメなんですか?
社長
だめ!
恵比寿新聞
新妻ちゃん。どうしよう?(;’∀’)
新妻さん
どうしましょうね^^
恵比寿新聞
どうしましょうね(ニコっ)じゃねーよw・・・んじゃー。折角なんでごはん食べていこうかな・・・・
社長
あっ!待って!味噌汁が切れた(笑)
というわけで困ったなー。写真ダメなのかー。
しかも味噌汁が切れたということで
味噌汁を待っているうちに社長に話を
聞いてみることに。
恵比寿新聞
社長。
社長
なに?
恵比寿新聞
全然取材受ける体制じゃないwえーっと・・・どうしてこのお店を始めようと思ったんですか?
社長
理由?んー。この辺ってお昼ごはん食べる場所が全然なくてね。本業は目の前でギャラリーやってるんだけど、食べれる場所がないから自分で作ろうと思って。
恵比寿新聞
斬新(笑)
社長
ほら。おしゃれなお店で高いところ多いでしょ。丁度いい定食的なところってないから。だから自分で作ったの。
メニューは1つ
恵比寿新聞
自分のために作ったのかー。斬新だな~。で。お昼はどんな料理があるんですか?
社長
日替わりの定食1つだけ。
恵比寿新聞
え?ってことはおのずと自動的に日替わりの定食が出てくるってこと?
社長
そういうこと。
恵比寿新聞
3時間しかやってなくてしかもメニュー1つって。斬新すぎる・・・
社長
あっ。味噌汁できたみたい。
これが意外にも・・・
恵比寿新聞
あー。おうちのごはんみたい~。しかも皿かわいい。
社長
このお皿はこの辺の作家さんが作ったお皿なのよ。
恵比寿新聞
へぇー。ささ。ではいただきます。パクっ・・・・あ・・・・
社長
。。
恵比寿新聞
うまい…このピーマンの肉詰めのほんのり出汁が聞いていてお米に合う….卵焼きもシラス入り!?お味噌汁にひじきが入ってる!!!わーーーわーーーわーーーー
社長
まぁまぁちょっと落ち着きないさいって。
恵比寿新聞
社長….お世辞抜きでその辺のチャラチャラした店よりもおいしい….料理好きなんすねー?
社長
え?別に作るのが好きじゃないかなー。でも毎日食べるものだからね。うちの社員も毎日食べてるし。ほら。
恵比寿新聞
ん?
新妻ちゃん社員だったのねw
ということで、意外にも(失礼だな)
こちらのお店の定食がやけにおいしくて。
なんというんですか、ここまで家庭的で
健康も考えていて、商売っ気がなくて
しかもめちゃくちゃおいしいってかなり
恵比寿ではレアケースなわけでして。
なにが良いって「え~今日何にしよっかな~」
とか考える無駄がないということ。
「ほれ!食え!方式」なのであります。
こんな感じで毎日日替わりで
火曜日~金曜日までの献立を
社長が考えて出しているそうです。
社長
これって取材になるの?
恵比寿新聞
いやいや。ご飯もすごくおいしいし・・・でも社長の写真さえ撮れればなぁ~。
社長
あっ!面白い奴がいる!!!
恵比寿新聞
え!?なに?!唐突に!?
社長
「風来坊」っていう野良猫みたいな面白い子がいるから取材してみない?
恵比寿新聞
ふうらいぼう?のらねこ?
社長
そう。その名前のような生活をしてるような子がいるからちょっと待って!
恵比寿新聞
え?
社長
(電話を取り出し)もしもし?ちょっと来て!(ガチャ)
恵比寿新聞
いや・・・ちょっと・・・え??え??
来るのはやっw
社長
ほら。恵比寿新聞さん来てるから。ほら。取材に答えて。
恵比寿新聞
ちょ(笑)説明が雑(笑)
風来坊さん
えー。今起きましたー。
恵比寿新聞
っていうか。来るの早くないですか?
風来坊さん
あっ。この隣に住んでるから・・・
社長
14時の閉店と同時にここのご飯をタダで食べに来るんだよ。
こちら風来坊さん。
社長の話によると野良猫のような生活をしていて
恵比寿のことに詳しいらしい・・・・
恵比寿新聞
今起きたって・・・・もう14時ですよ。
風来坊さん
たまたま昨日付き合いで6時まで恵比寿でバニーガールと一緒だったんですよ。
恵比寿新聞
たまたまバニーガールといるってたまたまじゃないと思うんだけど・・・本当に恵比寿にバニーがいるんですか?
風来坊さん
いますよ。恵比寿に。久しぶりに見た。
恵比寿新聞
久しぶりに見たってちょいちょい話しおかしいですね。
社長
恵比寿新聞さん。おもしろいでしょ~。
恵比寿新聞
いや。社長。全然面白くないですよ。
社長
じゃあコーヒーでも淹れてもらおうかな。
なんか色々混乱してきた
風来坊さんはここのスタッフではなくて
隣に住んでいるだけで今コーヒーを淹れてる。
社長はここのオーナーで新妻ちゃんは
新妻ではない。しかも味噌汁はここで作らず
ほかの場所で作っていて。。
しかもこのお店と風来坊さんの家は
つながっていて・・・・トイレは共同。
難しいことは置いておいて
考えれば考えるほど謎すぎる。
と出されたのが1杯のエスプレッソ。
先ほどの風来坊さんが淹れてくれた。
そしてこの後衝撃が・・・・
これがめちゃくちゃ旨いんですよ・・・
やっぱりここ謎すぎる・・・・
なにここ・・・
普通なんだけど普通じゃなくて
何かにつけていちいちおいしい・・・
お客とお店の境界線があまりなくて
しかもなんか不思議と落ち着く・・・
そんなモワモワとザワザワとしておりましたら
風来坊さんの隣の家を見に行くことに。
恵比寿新聞
風来坊さん・・・ここが家?
風来坊さん
家はこの2階で。ここはお店というかアトリエというか・・・
恵比寿新聞
っていうか風来坊さん何やってる人なんですか?
風来坊さん
え・・・僕ですか・・・
やっぱり辞めておこう
全部説明するのは面白くないな・・・
風来坊さん。
実は有名なファッションデザイナーさん。
そしてこのお店もたどり着ける人が
行ったほうがより面白いと判断。
自力で見つけて行くとめちゃくちゃ
面白いと思います。
久しぶりにヤバイお店に出会った。