まじですか!?
日本初の月面探査を成功させる為、日夜研究開発をしているチームが恵比寿に
いるという事で恵比寿新聞、月まで飛んでいきました。今回の恵比寿新聞は
月面に一番近い所からお送りしたいと思います。
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GO!!!!
え!?・・何この雑居感・・
月面に一番近いのになにこの昭和の雑居ビル感は・・・・こちら某恵比寿の有名ビル。
この昭和風情の佇むこのビルで日夜月面に向けて研究開発しているという事で。
本当なのかな??中に入ったら「どうもうさぎで~す!!」ってペッタンペッタン
餅つきしていて「御一ついかがですか?月面名物つきたて餅!」みたいなオチじゃ
ないでしょうね・・・・恐る恐るピンポンを押しました。
ビィーーーーー
あぁ・・・ビィーーってここまで昭和とは・・・入ってみると普通の事務所。
月面テーマパークじゃなくて良かった。そして今回お話を伺うのは
月面探査チームHAKUTOのチームリーダーの袴田さんにお話を伺う事に。
まず最初に、日本初月面探査と言ってもピンとこないので
「なぜ・どうして・どうやって」という基本的な部分から皆様にご紹介したいと思います。
Q1:なぜ!?
「そこに月があるから」という夢のような非現実的な話ではなく、現在Googleによる
国際宇宙開発レース「Google Lunar XPRIZE」に参戦する日本唯一のチームとして、
HAKUTOは2007年から参加。2015年までのロボットによる月面探査を成功させる
レースに出場するという物。
国際宇宙開発レースとは?
XPRIZE財団が主催し、世界最大のIT企業Googleがスポンサーする月面無人探査を
めざす国際的な宇宙開発レース。しかも参加するチームはすべて民間。
民間の力で民間の開発で民間の資金で月面探査をするレースなのです。
レースってどういうこと?
誰が一番先に月面で「Google Lunar XPRIZE」が指定するミッションをクリアできるか?
というレースです。1等なんと日本円で約20億円。2等は5億円という物。
ミッションってどんなん?
2015年12月31日までに月面に純民間開発の無人探査機を着陸させ
着陸地点から500m以上走行し、 指定された高解像度の動画や
静止画データを地球に送信することがミッション。
Q2:どうして?
NASAの現状
地球上最高水準の研究機関アメリカのNASAは昨今地球周辺の宇宙開発は
民間に任せるといった動きが非常に良く見られるようになりました。
その昔レーガン大統領やケネディー大統領時代は多額の宇宙研究費を投じて
宇宙開発に力を入れていましたが昨今は地球周辺の宇宙開発費も減らしています。
そこでNASAは地球周辺の宇宙開発を民間に委託するという事が始まっています。
という事で民間にも宇宙開発のビジネスチャンスが訪れたという事がキッカケ。
民間の方が開発が早かったりコストが安い?
国で宇宙開発を行う際はほとんど皆さんの税金で賄われているのが現状です。
もちろん税金を使っているので10年~20年の研究成果など説明する責任もあり、
そうする事で説明に不可欠な「データ」や「余計な機器コスト」などを考えると
無駄な時間がかかる。一方民間の自己責任で行う宇宙開発にはそんな余計な
コストと時間はかからない。なので技術革新を急ぐ宇宙工学の皆さんは
民間開発に大きな期待をしているという事だそうです。
HAKUTO袴田さんの夢
学生の時は宇宙工学を学びその後全く関係の無いコンサル会社に勤め、そして今、
月面へ向けてのプロジェクトをまとめる袴田さんの夢は
「スターウォーズのように宇宙船が飛び交う世界を見てみたい!」という夢があるそうです
Q3:どうやって?
民間の企業からの支援で月へ!
現在このレースに名乗りを上げているチームは18チーム。うち日本勢はHAKUTOさんのみ。
たとえばアメリカのチームはNASAから10億円の資金調達をしたりフォーブスでもランクイン
しているような富豪に資金支援をしてもらったりしているそうです。という事でHAKUTOさん
も予測で約20億~30億円の資金調達が必要になっているようです。
通常国で開発すれば200億円!?
通常国が無人月面探査にかかる費用は約200億円~と言われているそうですが、民間で開発
する場合はおよそ10分の1の費用で開発する事が出来るそうです。
クラウドファンディングで資金調達
以前HAKUTOさんはクラウドファンディングという民間からの資金調達を行いました。
これはプロトタイプの月面探査機を制作するクラウドファンディングですが
230万円の調達に成功。無事プロトタイプの月面探査機が作る事が出来ました。
という事で!その月面探査機・ローバーと言われる月面を走る車を見せてもらいました!
おぉ~これが噂のローバー!!
月の温度は日が当たっているときはなんと120度。日が当たらない時は―150度って
どんだけ寒暖の差があるんだよっ!!ってぐらい差が激しい。もちろん人間はそのまま行ったら
アウトですが、機械の場合も同じ。たとえばバッテリーは現在液体なので寒くなると
動かなくなります。そんな気温の事も考えて精密に作られたのがこのローバーなのです。
こちらは「Rover PM-2」。PMとは「プロトタイプモデル」の事をいうそうで
ミッションに必要な性能や形状などを決めるためのデータ収集を主な目的として
実験などで使用されるそうです。上には360度撮影用のカメラも搭載可能だそうです。
そしてこちらが全開のクラウドファンディングで作られたローバー。
この中には小型カメラが搭載されています。すべてのローバーは東北大学の航空宇宙工学の権威
吉田和哉教授の元開発。宇宙のロボティクスでは非常に有名な教授で
小惑星探査機「はやぶさ2」の小型ローバー開発にも従事されているそうです。
ちゃんとクラウドファンディングに参加したパトロンの方の名前が刻印されていました。
で!?どんな動きをするの!?
という部分ですが月ではこういう動きをしてこういう撮影がなされるという検証動画
がありますのでこちらを見て頂ければかなり凄い物だという事がわかります。
ワクワクしてきますよね。
という事で説明をほぼしてしまいましたが(笑)袴田さんのインタビューです。
恵比寿新聞
いや~話を聞いているだけでもワクワクします。ところでやはり今の宇宙工学って民間が期待されているという要因は何なんでしょうか?
HAKUTO袴田さん
ほとんどは国から民間へNASAが委託・共同研究開発しているという事が大きな要因ですね。今後10年~20年地球周辺の宇宙の開発にも大きな変化があると思っています。アメリカではもう既に先に進んでいて、宇宙ホテルを作るという計画が進んでいます。
恵比寿新聞
宇宙ホテルですか!??
HAKUTO袴田さん
はい。アメリカのホテルチェーン「バジェット・スイーツ・オブ・アメリカ」を経営しているロバート・ビゲローという方はNASAからモジュールという特許技術を買い既に宇宙に拡張型モジュールと言われる風船のような居住空間を宇宙空間に設営していますね。
恵比寿新聞
聞いているだけで非現実な話かと思うんですが実現してるってところが凄いですね。。袴田さんが今後宇宙に可能性を求めてる分野ってどこですか?
HAKUTO袴田さん
今回のレースもそうなんですがロケットおよび着陸する着陸機は我々は制作しないんですね。我々が制作しているのは月面を走る「ローバー」でして、この宇宙ロボティクス分野はかなり日本の技術が高いんです。今回のローバーの開発に関しても東北大学大学院工学研究科航空宇宙工学専攻の吉田和哉教授など多くの技術者が関わっています。
恵比寿新聞
ということは・・・今後月面の開発が始まった時にってことですか?
HAKUTO袴田さん
はい。その通りで今後早い段階で月面の調査や作業など行う際に民間の宇宙開発の企業として勝負して行けるような構想を考えています。
恵比寿新聞
なにそれ!超未来的~!!!!
恵比寿新聞
実際に今回のレースのプロジェクトに企業がスポンサーするという事は可能なんですか?
HAKUTO袴田さん
もちろん可能です。既に動き出していうプロジェクトもあります。
恵比寿新聞
たとえばローバーに「恵比寿新聞」ってロゴ貼って「恵比寿新聞宇宙から配信」的な事も可能って事ですか?
HAKUTO袴田さん
はい。可能ですね(笑)その他にもこのレース以外のミッションを企業と行う事が可能です。
恵比寿新聞
たとえば!月に生物が住んでいるか調査する!!というミッションを企業と行うとかですか?
HAKUTO袴田さん
そうですね。色々とご相談に乗れることはあるかと思います。
恵比寿新聞
ちなみにレースは18チームが参加してると思うのですが現状ライバルとか今わかる段階で可能性的にどうですか?
HAKUTO袴田さん
実はつい先ほどGoogle Lunar XPRIZEが新たに設けた中間賞というミッション前の賞があるんですがモビリティーサブシステム部門でHAKUTOがノミネートされたんですね。18チーム中5チームに入ったという事です。
恵比寿新聞
えーーー!!!という事はもしかするとこのレースで優勝しちゃう可能性大じゃないですか!!
HAKUTO袴田さん
まだまだこれからなので頑張らないといけないです。
恵比寿新聞
なるほどな~。来年ですもんね~。ちなみに「宇宙人」っていると思います?
HAKUTO袴田さん
いてほしいですね。じゃないと「スターウォーズのような宇宙船が飛び交う世界」が見れないですからね(笑)
という事でまさに月に一番近い事務所にてのインタビューでしたがとても現実的過ぎて
恵比寿新聞頭がコンフューズするほどでした。んーーー恵比寿から宇宙に!!!!!