ミーンミンミンミンツクツクボーシ‼ジージー
随分と更新を怠っているあいだに
ツクツクボーシが鳴く時期に。
という事はそろそろ恵比寿も秋。
絶賛開催中の
恵比寿の料理人が考える
皆さん楽しんでいますか!?
恵比寿新聞も既に6軒回りました!
食の街恵比寿の夏最後の祭典。
是非皆さん飲んで食べて投票しましょう!
さて、今日の本題に入りましょう。
様々な国の料理が楽しめるここ恵比寿。
ネパール・メキシコ・コロンビア
最近ではイスラエルの料理も食べれるように。
そんな中で最近、料理を食べて
「なに!?このいろんな国のカルチャー混ざってる感」
的な衝撃を受けたとある国の料理があります。
大陸ヨーロッパのスペイン!もっとズームアップ!
それは「カタルーニャ料理」!
カタルーニャの味はかなり独特な味で
隣国の様々なカルチャーが詰まった
まさに「食べる歴史」なのであります。
そんな本場カタルーニャの料理を食べれる
お店が恵比寿にあります。こちら
「フォンダ サン ジョルディ」
恵比寿のスペイン料理を語るうえでの聖地
恵比寿を古くから知る人はご存知でしょう。
この空間を見ると「ハッ!」と思われる方も
多いことかと思います。こちら言わずと知れた
スペインバルの巨匠、壇上シェフが営んでいた
「ティオダンジョウ」の発祥の場所なのです。
そんな檀上さんは2年前に恵比寿から地元の調布に
ティオダンジョウを移転。当時右腕左腕だった
シェフの太田さんと今回の主役ジョルディさんが
別々のお店を出すこととなり、1階は太田シェフ。
お店の名前は「バルペピート」
2階はジョルディさんの「フォンダ サン ジョルディ」
という檀上一子相伝がこのビルの1階と2階で
奇跡的に形成されているというミラクルな
ビルなのであります。
こちら生まれも育ちもカタルーニャの
ジョルディさん。めっちゃやさしい。
日本語も堪能なジョルディさんの作る
本場のカタルーニャ地方の料理は
素朴でもありまた「スペイン料理」と大きく
括ることのできない特徴的な「エッヂ」があります。
一体ジョルディさんはどうやって日本に
渡ってきたんでしょうか?
ジョルディさんの生い立ち
1976年生まれのジョルディさんは
カタルーニャ地方、中心のバルセロナから
北東部にあるジローナ県で生まれます。
大学に進学する前にバイトしたレストランで
料理の面白さを知り大学には行かずに
料理の勉強をするために料理学校に。
様々な料理店で働きながら
カタルーニャの根幹にある料理を
学んでいきます。カタルーニャは
南フランス・北イタリアに隣接しており
隣国のカルチャーが混ざり合った料理だと
ジョルディさんは言います。
ジョルディさん
カタルーニャはね昔は南フランスと北イタリア一緒だった。だから料理のインスピレーションも混ざってるからおもしろいね。フルーツもつかうし干したドライフルーツも使うしお米もパスタも使うし。ラードもオリーブオイルも使うよ。
カタルーニャ地方は最初のほうはユダヤの人たちが居て
その後イタリアを支配していたムーア人がきて
中世のころはそのいろんな人たちが混ざり合い
「カタルーニャ連合王国」として栄えました。
エリアは南フランスとイタリアと一部ギリシャ辺り。
様々なカルチャーが混ざり合っている事が
手に取ってわかるのはパエリアは普通米だけど
カタルーニャはパスタのパエリアがあったり、
スペイン料理に使う油はラードが多いのに対して
カタルーニャはオリーブオイル多用していたり。
様々な国の様々な文化が織り交ざっているんです。
そんなジョルディさんにカタルーニャの
郷土料理「カスエラ」というパエリヤより
ちょっとゆるいリゾットのような料理を
作っていただくことになりました。
恵比寿新聞
あっ!そういえば聞くの忘れてた!ジョルディさんどうして日本に来たの?
ジョルディさん
2000年に今の奥さんとスペインで知り合って、あとで檀上さんとも知り合って2001年に日本にきました。
恵比寿新聞
へぇー!それでティオダンジョウで働くことになったんですね。
ジョルディさん
そうですね。2003年までスペインと日本行ったり来たりしていました。本当は今の奥さんとカタルーニャに住みたかったけど日本で働いてみようという事になったよ。
恵比寿新聞
こっちに来て寂しくないですか?
ジョルディさん
寂しいけど寂しくないよ^^
恵比寿新聞
凄い日本語(笑)という事はもう15年日本に住んでいるという事になりますね。来た当時東京はそんなにスペイン料理って本格的なお店も少なかったんじゃ?
ジョルディさん
そうですね。でも檀上さんがもうやってたからね。日本に来てから檀上さんの所やいろんなスペイン料理屋さんで働きました。
恵比寿新聞
じゃあジョルディさんが日本に本格的なカタルーニャの料理を広めている事になりますね。
ジョルディさん
いやいや。。そんなことないですよ^^;
恵比寿新聞
そういえば気になっていたんですがパエリアに入れているこの赤いキムチみたいな色のものはなんですか?
ジョルディさん
あー。これ。ソフリートというパプリカやトマトや玉ねぎで作るパエリアには入れるものです。
恵比寿新聞
凄くいい香りがする。特にパプリカの香りが。
ジョルディさん
これはいらないとうまくいかないです。絶対ひつよう。
香りをお伝えできないのが残念
もうすでに香ばしいパプリカの香りと
魚介からとった出汁の香り・カニの香り
がキッチンに充満しています。
ジョルディさん
でここからは魚でとったブイヨンを入れて。お米を入れます。
恵比寿新聞
そういえば友達のコメ大王から聞きましたよ。日本のお米使ってるって
ジョルディさん
はい。長野の風さやかというお米。これは素晴らしいですよ。スペインのお米みたいにパエリアにいいお米ですね。
恵比寿新聞
そっかー。パエリアは生米から炊き上げるんだもんね。今回は「カスエラ」って料理だけどどこが違うんですか?
ジョルディさん
パエリアはパリパリに焼きます。カスエラは水分を残します。
恵比寿新聞
凄くわかりやすい説明でした。なるほど。
魚介を投入!オーブンへ
恵比寿新聞
ほー。ここからオーブンに入れるわけですね。
ジョルディさん
はい。ちょっと時間がかかるのでそのあいだカタルーニャの牛肉の煮込み料理作ります
恵比寿新聞
カタルーニャの牛肉の煮込み?
ジョルディさん
フリカンドという名前の料理です。
恵比寿新聞
うぁもうすでにめちゃくちゃいい匂いがしてきましたね。
こちらも香ばしいかおりが!
恵比寿新聞
この色凄いですね。豆のスープみたいだな。豆を使っているんですか?
ジョルディさん
ちがいます。クルミを使っています。この黒いのはクルミの色なんです。
恵比寿新聞
クルミ?クルミってあの木の実の?煮込むとこんなに黒くなるんですね。
ジョルディさん
その他ヘーゼルナッツとかも入ってるよ。
恵比寿新聞
へぇー。全部自分でクラッシュするんですね。そうしないと風味も違うんでしょうね。確かにソースから香ばしい香りが。でもこの香り以外の匂いもするんだよな~。
ジョルディさん
キノコですね。ドライキノコ!
恵比寿新聞
あー!!!なるほど!!この豊潤な香りはキノコですね。
ジョルディさん
カタルーニャはたくさんキノコ採れます。ポピュラーなのは取れたらオイルの瓶詰にする。乾燥はたまに使う。
恵比寿新聞
日本や中国は乾燥したものを沢山使いますよ。シイタケも乾燥させればとても良い出汁が出ますよね。
ジョルディさん
このキノコもとても良い出汁が出ます。
恵比寿新聞
うぅー早く食べたい!!!!
これは早く頂きたい!!
皆さん。写真や文章でお伝えするだけでは
この香りの正体を説明するのは難しいのですが
まじで、この香りが最高にイっちゃってる
香ばく豊潤なんです。。よだれものの。。
そうそう頂いていました。
下に敷かれたのはポテトとオニオンを
マッシュ状にして一度オーブンで焼いた
付け合わせてきなもの。その上に先ほどの
フリカンドがどどろん~と盛り付けられる。
すみません。。頂きます。。
あ”------!!!!!!!!!!
なにこのキノコのぶぉ~んっていう香りと
クルミとヘーゼルナッツの香ばしい感じと
牛肉もわざと筋が入った肉肉しい部位だし。
またこの付け合わせのポテトと玉ねぎの
マッシュをグリルしたのがぁーーーーーー!
あ”------!!!!!!!!!!
・・・・・
恵比寿新聞
ごめん。。ジョルディさん。うるさかった?
ジョルディさん
逆にうれしいですよ・・・ありがとうございます・・・
恵比寿新聞
あ!そろそろパエリア焼けたんじゃない?
ジョルディさん
パエリアじゃなくてカスエラね。
恵比寿新聞
だな。
焼きあがっりゅー!!
いや・・・煮込まれている?いや・・・
グリルに入れているから焼き煮られている?
あぁーもうどうでもいいわいー!!!
早く食べたい
早く食べたい
早く食べたい
早く食べたい
OK
という事で待ちきれない恵比寿新聞は
早々にこのカスエラなしには
カタルーニャをかたれーにゃい逸品を
いただーくことに。ジョルディー先輩
自らカスエラをとり分けていただくことに。
恵比寿新聞
ジョルディーさん。すごくイケメンに写ってますよ。
ジョルディさん
今ちょっと話しかけないで・・・・だいじなところ・・
恵比寿新聞
ブルースウィルスみたいですよ!!!!
ジョルディさん
いまカニのせてるから・・・・
恵比寿新聞
いや・・・ワイルドスピードのヴィン・ディーゼルのほうがにてる!!
ジョルディさん
じょ・・・・
恵比寿新聞
いや!トランスポーターに出てたジェイソン・ステイサムにも似てる!!
ジョルディさん
ぜんぶハゲじゃん!
ということで
カスエラもパエリアもジョルディさんに
言えば人数分きれいにとりわけてくれます。
とっても親切なんだから~。
確かにベトっとしてる
見た目はパエリアのようなサックリパリッとした
見た目ではなく日本の「オジヤ」やリゾットに
近い見た目ですがこちらも再びご報告ですが
凄い魚介と特にカニの香りが~。。。。。。
それでは頂いてみたいと思います。
パクっ・・・・・・・ん!?!!??
あ”!!!あ”00--0klksdh
しっかりとお米がアルデンテで
噛みごたえ抜群なんだけどちゃんと
お米にパプリカや玉ねぎや魚介の出汁が
しっかりと染みていて噛めば噛むほど
ヌレって出汁がにじみ出てくる!!!!!!
なにこれーー!!!!おいしい!!!
あ”!!!あ”00--0klksdh
よかったー
恵比寿新聞
ジョルディさん。これは禁断の味ですね。いやこの感じ今までにはないパエリアの種類でした。
ジョルディさん
ありがとうございます。ほんとうにうれしです。
恵比寿新聞
あと最後に噂には聞いているんですがジョルディさんのコロッケが美味しいという話を小耳にはさんで。
ジョルディさん
コミミ?ですか?
恵比寿新聞
あぁ~。話を聞いています。是非いただきたいんですが。
ジョルディさん
いいですよ。
いや~実は以前フォンダ サン ジョルディに
来ていた仲間が「コロッケがこの世のものでない」
と豪語していたので実際にジョルディさんに
お願いして作ってもらうことになった。
こんがりきつね色
スペインのコロッケは日本のコロッケと違い
ジャガイモを使わないそうです。じゃあ
何が入ってるの!?・・・・・・
そしても一つの準わき役なんですが
この人が居ないとこのコロッケは
成立しないぐらいの存在感を醸し出す
一つのオリジナル調味料があるそうです。
それは・・・・
自家製ニンニクマヨネーズ
ニンニクとマヨネーズ!?
カラシとマヨネーズや
ベティーのマヨネーズなら知ってるけど
ニンニクとマヨネーズは知らない。
いったいどんな味がするんだろう?
たこ焼きみたい!
恵比寿新聞
ジョルディさん。これ。たこ焼きみたいですね。
ジョルディさん
たしかに^^そうですね。
恵比寿新聞
それではまずなにも着けずに頂いてみたいと思います。パクっ。あつ!!あっ!!ジャガイモじゃなくてベシャメルソースなんですね!
ジョルディさん
そうなんです。コロッケの中身はベシャメルソースなんですよ。
恵比寿新聞
しかもこの塩気とまたこの香り・・・・・なんだろう・・・すげーナッツというかなんなんだろう・・・これは
ジョルディさん
ベジョータが入っています。
恵比寿新聞
まじっすか!イベリコ豚の最高級生ハム!!本物!?
ジョルディさん
ちょっと前までは偽物じゃないけどなんでもベジョータって言って輸入してたけど最近スペインの国の検査が厳しくなってちゃんとしたベジョータが入ってくるようになりました。
恵比寿新聞
ハムの違いがわかる男ではないけど、この風味は独特ですね。しかもベシャメルのクリーミな味わいとベジョータの塩梅のよい塩気と香ばしい香りがとてもマッチしていますね。これは癖になるわ・・・
ジョルディさん
ぜひ自家製のニンニクのマヨネーズをつけて食べてみてください^^
恵比寿新聞
んじゃ~頂いちゃおうかな~パクッ・・・ん!!!!!あーー!!!なにこれめっちゃうまいじゃないですか!!!!!!!!
ジョルディさん
ありがとうございます^^
恵比寿新聞
なんていうんだろう・・・ベシャメルがうまくベジョータの塩気で閉まるんだけどさらにこのニンニクのマヨネーズのちょっとした酸味でキュッとしまったかと思えば後から濃厚なマヨネーズ独特の解放感とニンニクのぷわぁ~んとした香りがまたこれ!余韻が残りますね~。トロミとうま味の余韻もすばらしい~。おいしい!!!!
ジョルディさん
喜んでもらえて良かった。自信作だったので。
という事でお送りしましたフォンダ サン ジョルディ。
お昼間取材だったのでワインが飲めませんでしたが
絶対にワインにものすごく合う!料理の数々。
ご紹介しきれませんでしたがこんな素敵な
ポテトサラダや
塩だらをほぐして作る特製のサラダなど
本当にカタルーニャの料理はいろんな国の
エッセンスがタップリ閉じ込められた
「大陸のワンダーランド」だなと思いました。
これはちょっと通っちゃうなー。
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フォンダ サン ジョルディ
東京都渋谷区恵比寿1-12-5 萩原ビル3 2F
03-5420-0747
17:30~23:00(月曜日~水曜日)
17:30~24:00(木曜日~土曜日)
日曜日定休