どうも最近グルメ取材ご無沙汰の
恵比寿新聞でございます。
最近はリクルート住まいカンパニーさん
がはじき出した「住みたい街ランキング」
で堂々の1位を獲得したり
「東京カレンダー」さんの
「読者が選ぶ好きな街ランキング」で
1位を獲得するなど、いよいよ「恵比寿」が
ジュリアナ東京のような
お立ち台的ポジションを獲得し、その後
バブルのように弾け崩壊する可能性が増してきた
今日この頃。しかし恵比寿新聞は地道に
「地元の情報」をお伝えしていきたいと
思う所存であります(笑)
さて、今回ご紹介するのは所謂
「地元ユース」な名店であります。
吉乃坐
場所は恵比寿4丁目。ビール坂に近い
結構裏手にあるひっそりとしたお店。
本当にわかりづらい場所にあります。
恵比寿郵便局からすぐ近くのローソン
の歩道を渡って細い道に入って
すぐ左に曲がればこのお店があります。
もう知ってらっしゃる方がこのお店の
「ヤミツキ」加減をわかってらっしゃると
思うのですが、和食なんだけど不思議な
取り合わせと創作っぷりが、かなり
オリジナルでして、そしてなんと言っても
結構癖になる逸品が数多いお店。
平日でも満席の日が多い地元民や
ワーキングで訪れる方から絶大な信頼と
人気を集めているお店なのでございます。
実は恵比寿新聞こちらの吉乃坐さんの
噂は絶え間なく聞いており、
「いちいち料理の味付けが繊細」
とか
「結構使い勝手が絶妙なんだよね」
とか
「和食なんだけど不思議な味わい」
などの声を聞いていまして
これも運命なのかこちらの店主
花輪料理長と知合うきっかけができて
一度お店にお邪魔してから「花輪マジック」
にかかりまして2日に一度は「例の逸品」が
欲しくなるような魔性の味に出会ってしまい
今回常連さんの多い店にも関わらず
取材交渉ののち取材させてもらうことになりました。
例の逸品は後ほど。それでは中に
使い勝手が良い
「吉乃坐(きちのざ)」の良い部分その1。
掘りごたつ式の席が大小4つほどありまして
6人で座れる席・4人で座れる席
3人で座れる席などシチュエーションに応じて
使い分けができる仕様になっておりまして
家族連れ・会社関係の飲み会
友達との食事・接待などにも対応できる
席の仕様となっているのですが、
文字では説明できない安心感があります。
これはいわば「雰囲気」なんですよね。
客層を選ばないリーチの広い雰囲気なんです。
しかも個室もあるんですね。
6人で座れる席。
誕生日会や現在であれば移動の送迎会。
部署呑み、家族一家団欒での食事など
「使い勝手が良い」という部分が
わかると思います。それだけではないんです。
花輪料理長の腕裁きを見ながら
食事ができるカウンター席は
1人でも来れるようなコミュニケーションの
取りやすいカウンター。彼氏や彼女と
2人で舌鼓を打つには最適な環境。
雰囲気でいうと
「割烹」の凛とした空気感を持ちながら
「居酒屋」のアットホームな空気が流れる
アンニュイなポジション。
そして「敷居の低さ」がいいんですよね。
そしてこのお店を切り盛りするのが
店主の花輪料理長。恵比寿新聞は
「口下手なマエストロ」と呼んでいます。
熊本県健軍出身。それでは恵比寿新聞
恒例のそこまで聞く?的なバックボーン
インタビューが始まりました。
恵比寿新聞
花輪さん。今日は忙しいのにお時間いただいてすみません。
花輪料理長
いえいえ・・・・大丈夫です・・・・
恵比寿新聞
どうしたんですか?
花輪料理長
というかめちゃくちゃ緊張していまして・・・・
恵比寿新聞
大丈夫ですよ^^ごく一部の人しか見ていませんから^^
花輪料理長
あっ。そういえば今日天草から新鮮な魚介が入ったんで個人的に食べていきませんか?
恵比寿新聞
おぉ!花輪さんの出身「熊本」の天草から魚介ですね。個人的にというよりせっかくなんで記録させてください^^もちろん「例の逸品」もお願いします!
花輪料理長
では、準備始めますね。
恵比寿新聞
いきなりですが花輪さんって料理に目覚めたのっていつ頃なんですか?いつもこんな話しないので自分も照れくさいですが(笑)やっぱどこかで修行して目覚めたとか?
母の作ったカレー
花輪料理長
実は僕の一番好きな料理って「カレー」なんですよ。しかも「母親が作ったカレー」が大好物で。小さい時に母が作るカレーを自分なりにアレンジするのが大好きで。日曜の朝早く起きて母の作ったカレーに自分の好きな味付けや具を入れて創作するのが大好きで。
恵比寿新聞
幼少のころにそういう体験があったんですね。ちなみにお母様のカレーはどんなカレーなんですか?
花輪料理長
うちの母親のカレーは市販のルーを一切使わないカレーだったんで独特なんですよ。料理に目覚めたのはたぶんそのころからかな?
恵比寿新聞
市販のルーを使わないカレーって本格的だし花輪さんの味の根幹にもなっているんだろうな~。ところで何歳ぐらいに東京に上京されたんですか?
花輪料理長
17歳の時ですね。実はやんちゃしてまして(笑)高校を中退しまして^^;「中途半端な奴は出ていけ」と言われて兄のいる世田谷の豪徳寺に転がり込んでですね・・・
恵比寿新聞
ということは中卒!?実は恵比寿新聞も中卒なんですよ!で、17歳の時にお兄さんが住んでらっしゃる豪徳寺に転がり込んで、何をしてらっしゃったんですか?
花輪料理長
実は当時DJをしていまして。DJしながら飲食店でバイトをしていまして。
恵比寿新聞
ちなみになんという飲食店だったんですか?
花輪料理長
代々木上原にあった「得」という創作和食のお店で18歳~30歳まで働いていたんですよ。
ジャンルレスな料理人
恵比寿新聞
なんか聞いたことのあるお店の名前・・・
花輪料理長
もうお店自体は存在しないんですが、結構盛況でしたね。
恵比寿新聞
しかし18歳~30歳までの12年間をそこで過ごしていて料理もそこで修行されたんですか?
花輪料理長
そうですね。実はこの居酒屋にはイタリアン出身のシェフや割烹のシェフや中華のシェフなど色んなジャンルの料理人が在籍していたのでお店にいるだけで様々な国の調理法を学ぶことができた感じですね。結局店長までやりました^^
恵比寿新聞
なるほど。だからこの吉乃坐の料理は「和食」を軸として味はジャンルレスな感じになったんですね。うぁ~納得。
花輪料理長
そろそろ料理出していいですか?
恵比寿新聞
お願いします!!!
恵比寿新聞
お!なんでしょうか?これは?
花輪料理長
まずは「お通し」の「新玉ねぎとジャガイモのすり流し」です。
恵比寿新聞
ゴクっ・・・うぁ~なんじゃこの玉ねぎの強烈な旨みと甘みとジャガイモのトロッとした舌触り。。うまうますぎます。「あたたかいビシソワーズ」のような。ん!?しかもカツオ出汁ですか?
花輪料理長
さすが恵比寿新聞さん。出汁はカツオ出汁ですね。ちょっとした隠し味にバターが入ってるんですよ。
恵比寿新聞
どおりでクリーミー感が増したような。しかも玉ねぎのすり流しが食欲そそりますね。毎回お通しはこのすり流しなんですか?
花輪料理長
いえ。季節に応じて旬の物をお通しで出しているので今は新玉ねぎの時期だからこのお通しになっている感じです。
恵比寿新聞
これは皆さんに体験してもらいたい「野菜の旨み」の局地的お味ですね。
花輪料理長
では先ほど話していた「天草の魚介の刺身」出しますね。
もう見た目が美味そう
恵比寿新聞
花輪さん。もうこれ見た目でわかる新鮮な「美味い」やつじゃないですか?(笑)よく九州の天草からこんな新鮮な魚引けるんですか?
花輪料理長
実はこの魚「今朝」獲れた魚を送ってくれる信頼のできる魚河岸や仲買いさんにお願いして引いているんですよ。今日入ったのは「アオリイカ」。熊本では「ミズイカ」とも呼ばれているイカですね。そして「シマアジ」。これはかなり上物ですよ。そして「クエ」ですね。
恵比寿新聞
そういえば天草といえば呼子も近いのでイカの名産地ですよね。しかも有明海を望む魚にとってはエサも豊富でおいしい魚が獲れるって有名ですよね。
花輪料理長
そうなんですよ。天草灘と言って魚には非常に環境の良い場所で、魚の味も別格ですね。今回はほんと「シマアジ」がすごいですよ。
恵比寿新聞
ではまずはミズイカから頂いていましょう!
う~ん。見た目から甘みと柔らかさを
感じるフォルム。隠し包丁も見事ですね。
これを醤油につけてたべるのかな?
恵比寿新聞
花輪さん。これ醤油につけて食べる感じですか?
花輪料理長
醤油もいいんですが、是非「福田さんの塩」とつけて食べてみてください。
恵比寿新聞
福田さんの塩?ですか?
花輪料理長
はい。この塩独特の甘みがあって、実はこのイカの獲れた熊本天草の通詞島で作られている天日塩なんですよ。
恵比寿新聞
すげー。天草のミズイカを天草の塩で食べるって。粋ですね~。
恵比寿新聞
すだちをちょっとかけて。いただきます。パクッ。。。。んーー!!!噛みしめるほどに甘みとトロみが~。これはうまいですね。しかも福田さんの塩の甘みがわかりますね。これは日本酒でクぅ~っと行きたいですね。
花輪料理長
丁度春がシーズンでおいしいんですよね。
恵比寿新聞
ん~次は例のシマアジですね。
花輪料理長
これ本当に最高ですよ。
恵比寿新聞
有明海の恵みが一気に詰まったシマアジをいただきます。もう見た目でわかりますね。脂の照りといい。プリッとした食感といい。いただきます。パクッ。。。あぁ・・・これやばい奴じゃないですか~・・・・うぁ~しっかりとしたシマアジ特有の脂の乗りとプリプリとした食感が・・・・ぶつ切りにして飯の上に乗せたらどれだけ贅沢などんぶりになるか・・・
花輪料理長
今回の天草のシマアジはかなりおいしいですね。僕も食べてびっくりするほどで。嫁も「これはかなりおいしい」と言っていました。
恵比寿新聞
あっ。そういえば奥さんは山形の出身ですよね。だって初めて花輪さんにあったのも恵比寿新聞で主催した山形県おきたまの芋煮食べ放題イベントでしたもんね。
花輪料理長
そうですよね。後ほど登場させますね。
恵比寿新聞
じゃあクエいっちゃいますか?
恵比寿新聞
ほら。もうクエの脂がオパール状態で光ってるじゃないですか・・・
花輪料理長
このクエもおいしかったですね。。
恵比寿新聞
では頂いてみます・・・・パクッ・・・・もう美味いしか言えない・・・・天草やばいですね。
花輪料理長
季節によって魚もいろいろ変わったものが入るのでその都度聞いてもらえればと思います。
恵比寿新聞
そろそろ例の物を(笑)
花輪料理長
まだですね(笑)次はこちらで。
たまご豆腐?
恵比寿新聞
たまご豆腐ですか?
花輪料理長
実はこれ「自家製トウモロコシ豆腐」なんですよ。
恵比寿新聞
トウモロコシ?
花輪料理長
季節によってこの「自家製豆腐」は変わるんですが、ちなみに3月中旬は「ゴボウの自家製豆腐」でした。丁度沖縄からトウモロコシが届いたので豆腐にしてみました。
恵比寿新聞
季節の野菜をすりおろして豆腐にしているということ?
花輪料理長
どうぞ。食べてみてください。
恵比寿新聞
では。いただきます。パクッ。ん!?甘い。そしてあとから来るトウモロコシの香り。これは新食感ですね。おもしろい!
花輪料理長
結構常連さんには好評いただいていますね。
恵比寿新聞
あっ!そういえば吉乃坐の常連さんから聞いた話ですが「吉乃坐のから揚げが異常においしい」と聞いたんですが。
花輪料理長
あ。ありがとうございます。召し上がりますか?
と早速揚げていただいたわけですが。
見た目はなんの変哲もないから揚げ。
しかし話を聞くと細かい美学がありました。
恵比寿新聞
ん?下味は衣じゃなくて肉につけるスタイルなんですね。
花輪料理長
そうですね。醤油・しょうが・お酒という何の変哲もない味付けですね。
恵比寿新聞
衣は?
花輪料理長
片栗粉を使っていますね。
恵比寿新聞
肉は?
花輪料理長
これも行き着いたのですが、ブロイラーと地鶏の中間的な存在の「大山地鶏」をうちではから揚げで使っているんですね。ブロイラーの柔らかさと地鶏の旨みをうまく合わせたような感じですね。
恵比寿新聞
あっ。奥さんの登場だ!
明香さん
先日はお世話になりました。今日はよろしくお願いします。
恵比寿新聞
いやいや。いつも山形×恵比寿のイベントではお世話になっています。やっぱから揚げの揚がり具合が心配?(笑)
明香さん
いや。おいしそうだな~って見てました(笑)
恵比寿新聞
おぉ!から揚げが揚がってきましたね。
吉乃坐のから揚げ
片栗を使用しているので竜田揚げっぽい
見た目ですが味はいかに!?
恵比寿新聞
頂きます。ジュワぁっ。。うぁ・・・・肉汁が飛び出てきた・・・・なにこれ・・・お世辞抜きでここまでジューシーなから揚げ初めてかも・・・なんですかこれは??
花輪料理長
実は肉質もそうなんですが揚げ方ですね。
恵比寿新聞
これは一目置かれるのはわかるわ。どんな揚げ方をしているんですか?内緒で教えて・・・
花輪料理長
実はゴニョゴニョゴニョ・・・×××って感じですね。※詳細は直接お店で料理長に聞けば教えてくれると思います※
恵比寿新聞
え!?あの短時間でそんな細かいことやってたの!?(笑)やってることがきめ細かい・・・・
花輪料理長
ではそろそろ恵比寿新聞さんの好きなアレを出しますね。
見てください。この不敵な笑み。
まんまと恵比寿新聞もたぶんその他の
恵比寿住民も虜にされてしまった
とんでもない「癖になる逸品」が
この後登場します。
そしてこの「逸品」に欠かせない
パートナー的な「もう一品」が来なければ
成立しない「最強のタッグ」的なコンビ。
そう。あのアントニオ猪木とジャイアント馬場
的な立ち位置。いや。三沢光晴&川田利明の
「超世代軍」もびっくりの完璧コンビなのです。
まずは、赤コーナから誰をも虜にするこちらです。
豚の角煮じゃがいも餡かけ
恵比寿新聞
ぎゃーー!!やばい。。。禁断症状が・・・・
花輪料理長
もう少しで「例のもう一品」も炊き上がるので。
恵比寿新聞
早くしてください・・・・・
花輪料理長
出来上がりました。どうぞ。
ホタルイカの炊き込みご飯
恵比寿新聞
うぉ!!今回は旬のホタルイカの炊き込みご飯なんですね。
花輪料理長
はい。いつもは「たらこと大葉とバターの炊き込みご飯」で「角煮のジャガイモ餡かけ」を食べてもらっていましたが、今回は「ホタルイカの炊き込みご飯」で召し上がってみてください。
みなさんお待たせしました。
こちらが恵比寿新聞や近隣住民が
ヤミツキになるほどの強烈な逸品。
「豚の角煮じゃがいも餡かけ」です。
この角煮をおかずに吉乃坐が誇る名物
「炊き込みご飯」で頂くと恐ろしい魔性の
味になるのですよ。この世の終わりです。
柔らかく箸を入れればホロっとほどける
角煮の上にはやさしさの爆弾「ジャガイモ餡かけ」
がトロトロ加減を倍増させて、口の中に入れれば
優しい味付けとしっかりとしたコクと旨みが
広がる本当に癖になる名物なのであります。
そしておかずを口に入れれば一緒に
口にしたいのが炊き込みご飯。
米は熊本の「森のくまさん」を使用。
短時間で炊き上がられたコメは
しゃっきりと芯が立つ炊き上がりで
米独特の粘り気も少なくサラッと
頂ける直火がなせる業なのであります。
いつもは恵比寿新聞
「たらこ・大葉・バター」
という吉乃坐名物の炊き込みご飯ですが
今回は旬の素材を使ったホタルイカの炊き込み。
吉乃坐ではその他にも
・アナゴの炊き込みご飯
・タケノコの南関揚げ炊き込みご飯
・真鯛と梅の炊き込みご飯
その他季節に応じた炊き込みご飯が
食べれるのであります!!
ギャー最高!!!!
すみません。うますぎです・・・
乾杯の完敗です・・・お米の国に生まれて
本当に良かったときっと思うはずです。
この味を知らずして死ぬわけにはいかないほど
いや、本当に一度味わわないと損です。
吉乃坐さんはお酒も充実しております。
もちろん奥様の明香さんが酒どころ
山形県西川町出身でもありますので
山形のお酒もそうですが、全国各地の
日本酒もマニアックに取り揃えています。
そして最近は国産ワインにも力を。
お話によると「吉乃坐」のサブ屋号
「地のもの酒場」ということもあり
すべての食材・お酒は国産にこだわろう
ということで切り盛りされております。
ということでいかがでしたでしょうか?
平日は常に混んでいるので電話で予約
確認したほうがマスト。土曜日がねらい目。
そして「吉乃坐」で一番おいしいものを
沢山食べられる方法を最後に伝授。
「花輪さん×000円ぐらいでおススメ!」
とお値段を提示してオーダーすれば
チョコチョコと小さなポーションで
沢山のお料理が食べられるんですね。
んーまた角煮と炊き込みを食べたくなってきた・・・・
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吉乃坐(きちのざ)
東京都渋谷区恵比寿4-24-4 キエイビル1F
03-5793-5776
18:00~24:00(ラストオーダー23時)
定休日 日曜日と第一月曜日