ついにこの日がやってきた
恵比寿新聞憧れの聖地であります恵比寿一番会商店街にあります「とよかつ」さん。
若かりし頃ここへ行っては大人の背伸びをして通わせて頂き今でも行くと緊張する
そんな良き「緊張感のある老舗」なのです。皆さんは行った事ありますか?
実はとあるプロジェクトがキッカケでここ「とよかつ」さんに取材させて頂く
流れになりまして前日はマジで眠れず・・・ものすごい緊張していました。
だって昭和21年創業。現在は二代目の長嶋太市さんと奥さんが切り盛りしている。
実は「とよかつ」には独自のルールが制定されている。何かというと
串が頼めるのは1回だけ。お代わりなし
焼き物の追加注文は基本なし。なので食べる前に何を食べるかをイメージングして
全部頼むのが「とよかつ」流なのであります。頼みすぎて残すと怒られるかも・・・
すべて朝びきの豚もつを使用
お話によると「とよかつ」で使用する豚もつはすべて朝びき。
さっきまで生きた状態の鮮度の良い物を朝8時から仕込みして串うちしているそうです。
それもそのはず、まったく臭みがない。そしてやはり「タレ」がそんじょそこらの10年ほどの
タレには出せない奥深い継ぎ足しのタレ。先代からずっと守り続ける秘伝のタレなのです。
まずはホッピーから^^
今回頼んだのは「レバ」「はつ」「こぶくろ」そして名物「まくら」
その他にも「とよかつ」には「あぶら(しろ)」「かしら」「たん」「なんこつ」がある。
丁度今回座った席が砂被り級の焼き場の横のポジション。これは長島さんにゆっくり話が
伺えるビックチャンス。長島さんは生まれも育ちも恵比寿で、昔の恵比寿を良く知っている。
これ見よがしに色々と昔の恵比寿の話を聞いてみる事に。
ピーコックは昔映画館だった
恵比寿新聞
長島さん。この辺の古い事詳しいんじゃないですか?
長島さん
そうだね~。小さい頃からここにいるわけだからね。うちの先代(父・母)がここを始めたのが昭和21年だからもう68年か。小さい頃は親が忙しいから俺なんか今ピーコックの場所が昔映画館だったんだけどそこでしょっちゅう映画見てたよ。
長島さんの奥さん
うちの旦那はそれが高じて色んな映画凄く詳しいのよ。
長島さん
昔は本庄映画館と言ってね。そこの本庄さんには本当に小さい頃からお世話になってね。映画館に入るのにも顔パス。当時は映画3本だてってのが主流だったからね~。
恵比寿新聞
3本だてですか!?ものすごく長いんじゃないですか?映画と言えば2時間半とかを3本???
長島さん
昔の映画はそんな長くなかったからね。楽しかったですよ。その後映画館が無くなりボーリング場になったんですよ。その後がピーコック。
恵比寿新聞
実は前からずっと気になっていたんですが、「とよかつ」の名前の由来なんですが。
長島さん
うちの父親が「豊作」という名前で母親が「勝子」って言う名前でね。頭文字を取って「とよかつ」ってわけよ。
恵比寿新聞
なーーーーるほど!!!そういう事だったんですね。若い頃はてっきりカツの店かと思っていました。
名物まくらについて
恵比寿新聞
そういえばもう一つ気になる事があって。「とよかつ」さんの名物「まくら」。ひき肉つくねの周りにニラを巻いて焼いたあの晩品なのですが、これは何方が考案されたんですか?
長島さん
先代の父親が考えたというか、元々昔は「まくら」って物があったらしいね。昔はネギで巻いて焼いて食べていたらしいけどうちはニラと決めてる。実は昭和21年~29年まで「とよかつ」は定食屋だったんだよ。
恵比寿新聞
えーー!!??知らなかった・・・・・
長島さん
昭和29年からこのスタイルになったわけなんだけどその前はおでん串をやっていてね。その頃の味を知ってる人たちがいてたまにやるんですよ。常連さん向けに。その他俺は昔レストランで料理の修行やっててね。今の田吾作さんの前は洋食屋さんで。その時に覚えた洋食をたまに「とよかつ」で出したりね。常連だけだけどね。
恵比寿新聞
そんな楽しい事が模様されているとは・・・・常連にならないと。
著名人も足しげく通うとよかつ
お話のよると名だたる映画監督さんや俳優さんが若い頃に「とよかつ」に来ていて
今も足しげく通ってらっしゃるそうです。その他居酒屋の神様「吉田類」パイセンも
常連とのことで。ここでもう一つ「とよかつ」に来たらこういう楽しみ方があるよ!
というレクチャーをお教えします。
モツ&ワインが「とよかつ」では普通
創業以来「とよかつ」さんでは「ワイン」と「モツ」を楽しむ店としてやって来たそうです。
現在はワインと和食を合わせたりなんて主流ですが昔は大変貴重だったようです。
「とよかつ」さんに置いているワインはすべてが国産。勝沼産が多い。
こちら勝沼のベリーAという品種のワイン。これと焼きたてのモツと合わせ頂くわけです。
なかなか合わなそうな取り合わせなのですがまずはレバとハツが焼き上がったので一緒に。
歯ごたえあり!臭みなし!
口に入れてもらえるとわかりますがレバ独特の臭みがまったくない!!!
そして歯切れの良い食感。いやぁ~新鮮だから味わえる産物ですよね。
そして一緒に勝沼ベリーAを頂きます。これがあう!!!!!!!!!!
これはがぶ飲み系ですね。ここまで合うとは恵比寿新聞ビックリ!!!
長島さん奥様
昔からねここはワインと串を一緒に食べるんですよ。勝沼では有名な原茂ワインを昔から置いてるのよ。
恵比寿新聞
いやぁ~これは感動ですね。最近の食べ方だけど昔からこうやって食べられてきたのか~。
長島さん
店の奥に貼ってあるポスターが原茂ワインのワイナリーのポスターだよ。
そして次に出てきましたのが「こぶくろ」
恵比寿新聞大好物なんです。やはり「とよかつ」の「こぶくろ」は新鮮で
マカロニ状態のこぶくろの中にタレが紛れ込んでいて食べた瞬間に脂とタレがジュワっと。
そしてワインで流し込むという無限連鎖状態。そんなこんなで食べる事に集中していたら
「お兄さん?取材?」とお声をかけてくれた常連お姉さまが。これも一期一会でお話に。
色んな「とよかつ」の思い出や今やってる事やたわいもない会話と美味しいモツ焼き。
そんなこんなでお隣の先輩もお話に参戦してついつい長居してしまいそう。
「そういや長島さんは恵比寿太鼓の発起人だったこと知ってる!?」
いきなり常連さんから唐突に聞かされた新事実!!!
恵比寿太鼓と言えば10月の「べったら市」や7月の駅前盆踊りの櫓太鼓などなど
恵比寿のお祭りには欠かせない名物太鼓なのであります。
長島さん
恵比寿太鼓は元々小林防火服の小林虎太郎さんと一緒に始めたのがキッカケなんだよ。
恵比寿新聞
あぁ!先日インタビューさせて頂き大正時代と昭和初期の恵比寿駅前商店街の並びについて色々と教えて頂きました。
長島さん
そうなの。良い物見せてあげようか?
ほしい(笑)
やはり恵比寿の先輩方は祭が大好きな訳です。この手ぬぐいを豆絞りにして
巻くところがなんとも江戸っ子の粋な所ですよね。とにかくこの手ぬぐい欲しい。
長島さん
この辺はね昔は色んなお店がたくさんあったんですよ。お茶屋さん・メガネ屋さん・魚屋さん・餅菓子屋・おにぎり屋・布団屋。今はすっかり繁華街になったけどね。もっと前なんて何もなかったらしいからね。恵比寿も変わったもんだよ。そろそろ「まくら」あがるよ。
名物まくら
このタレ濁で外のニラがパリッと焼けたのがなんとも言えないんですよね。そして食べた後に
押し寄せるひき肉のジューシー感とタレのコンビネーション。最高の晩品なのです。
恵比寿に来たらまずはこれを食すべしリストに必ず入る秀作な訳であります。
うまい!!!!!!
長島さん!まくらもう一本!
長島さん
だめだよ(笑)一気に頼んでもらわないと(笑)
という事でお送りしました名店「とよかつ」さん。こんなにお話できるのは本当に初めて
だったので恐縮しまくりの取材でした。色々と気になっている謎も溶けたし。
昔の恵比寿の姿も色々とお話が聞けたし大満足の取材でした。是非皆さんも気合を入れて
とよかつさんに行ってみてはいかがでしょうか?20年通えばやっと常連になれるかも!!
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まくら とよかつ
住所 東京都渋谷区恵比寿西1-3-7
電話 03-3461-8539
営業時間 17:00~22:00 日曜祝日休み