あけましておめでとうございます。恵比寿新聞でございます。
恵比寿新聞も本日から仕事始め。ゆっくりと過ごした年末年始で
頭がぼよぼよ。食っちゃー寝 食っちゃー寝の日々を過ごしていました。
皆さんどのようなお正月をおすごしでしたか?
お節に初詣と様々あるかと思いますがお正月は日本に生まれて良かったな
と自分の国の良さを深く感じるタイミングかもしれませんね。
さて、本日新春初の記事ですが、単一国家では非常に歴史が長い国、
我々が住む「日本」。伊達に長いだけじゃない。独自の知識と教養そして
「技術」がある国です。世界からも日本製品は愛され「japanブランド」は
信頼の証とまで言われています。しかし、どんな技術があるのか?僕ら
日本人、あまり良く知らない。古くから伝わる伝統の技法や手仕事。
そんな「日本」の「手仕事」がギュギュっと詰まったお店が恵比寿1丁目に
OPENしたことをご存知ですか?
こちら「wabist(ワビスト)」という屋号のお店。場所はタコ公園から
徒歩1分の場所にあるちょっと奥まった場所にあります。外観からすると
普通のギフトショップのように見えますがなんとこちら日本の技術の粋が
集結したお店だそうで。半ば半信半疑でお邪魔してみました。
どこからどうみてもお洒落な雑貨屋
見た目ではわかりませんが日本の伝統工芸&匠の技が敷き詰められている。
しかも情報では「長持ち」して「一生もの」の手仕事プロダクトがずらり
だそうで、ここは詳しく聞いてみようという事でこのwabistの代表でもある
中島晋哉さんに詳しくお話を伺ってみることになりました。
変わり続けるからこその日本の伝統技術
恵比寿新聞
実際にお店に伺って商品などをチラッと見させていただいたんですが結構「和」とは違い様々なデザインのものがありますね。
中島社長
日本には素晴らしい技術が沢山あるのですが伝統工芸などで作られるものって昔とデザインも変わらず既に使わなくなっている文化のプロダクトを未だに作り続けているものがあるんですね。
恵比寿新聞
たしかに。凄い技術だけどデザインも微妙だしあまり使わない的な物ってありますよね。
中島社長
この伝統的な技術を絶やさない為には変化させ進化させないと継承されていかないと思ったんですよ。
恵比寿新聞
なるほど。確かに「変わらない事」のすばらしさ以前に今にあったデザインで技術を継承していくという事ですよね。
中島社長
例えばこのグラス。日本のどんな伝統技術が使われているかご存知ですか?
恵比寿新聞
うぁ。なんかこれ凄いですね。虫眼鏡みたいな・・・デザインもヨーロッパ調で。どんな日本の技術が・・・ってもしかして・・・
中島社長
江戸切子のグラスなんですよ。そして世界初の黒い色の江戸切子なんです。
恵比寿新聞
え!?あの江戸切子・・・かなりデザインが洗練されていますね。って言われてみたら柄が日本の伝統の市松模様だ(笑)
中島社長
東京下町の手作りガラス工場や江戸切子の職人たち、デザイナーやクリエイターの皆さんとチームを組んで作ってらっしゃいます。
恵比寿新聞
これもお洒落な銅のカップですね。こちらは?
中島社長
日本一の鋳物生産地 富山県高岡で作られている銅製品なんですよ。高岡は1600年代、前田利長の時代から銅製品を作る技術が今も継承されていて、鍋・鉄瓶・農具・仏具などを作って栄えました。そんな銅製品を今でも使えるようにデザイン・アレンジした商品がこちらになりますね。
恵比寿新聞
これでジンジャエールとかアイスコーヒー飲んだら美味しいんだろうな~。
中島社長
このカップはアイスコーヒー用でカクテルのモスコミュール(ウォッカとジンジャーエールのカクテル)用のカップもありますよ。
恵比寿新聞
このボコボコしたタイプのデザインは?
中島社長
このデコボコしたデザインは「鎚目」と言われる技法で銅を打ち続けることによってできる模様なんですが、打ち続けることによって強度が増すんですね。これもすべて手で打っているんですよ。
恵比寿新聞
昔の火鉢や鉄ものに多く見るデザインでしたがそういう利点もあったんですね。昔の人ってすごいなー。これ100年使える商品ですね。
中島社長
そうですね。一生ものになるでしょうね。銅や鉄は打ち続けることで強度を増すのですがこんな商品もあるんですよ。
恵比寿新聞
ん?これ一体何でしょうか?・・・・見当もつきません。。鉄の板?でもなんか見た目はグネグネしてますね・・・
中島社長
実はこの商品こうやって使うんですよ。
ペキペキペキ・・・ゴリゴリ
恵比寿新聞
あーーー!!中島さん何やってるんですか!?割れますよ!!!!
中島社長
実はこれ「錫(すず)」でできているんですよ。
恵比寿新聞
ちょーー!!!錫でできてるからって「ペキペキ」言ってるし!!割れますって。
ぜんぜん割れてなーい(笑)
恵比寿新聞
げ・・・なにこれ・・・自由変形できる鉄???
中島社長
これは「すずかみ」と言ってこちらも富山県高岡で明治時代からお寺のりん専門で作っている工房が制作した商品なんですよ。
恵比寿新聞
お寺のりんって?あの叩くと「ちーん」や「ごーん」の鈴というかカネ?
中島社長
そうですね。「りん」は金鎚で物凄い数叩くことにより板を絞り丸みを整えて音を調律することでできます。この「金槌で叩く事」でできたのがこの「すずがみ」なんです。錫を何度も金槌で叩くことによって曲げ延ばしによる劣化が少なくなった折り紙の様に折ったり曲げたり出来る商品なんですね。
恵比寿新聞
でもなぜこんな自由にぐにゃぐにゃ変形するのかが全く分からない・・・・しかもこの「ペキペキ」って音がしながらしなやかに曲がる感覚が何とも言えない快感・・・
これも・・もしかして・・・
恵比寿新聞
中島さん!!!!!!これもまがる的な?
中島社長
どうぞ試してみてください。
恵比寿新聞
なにこれーー!!!めっちゃまがる~!!!これは日本酒などいれる酒器ですね。
※この曲がる感覚は物凄く快感※
中島社長
そうですね。鉄が曲がるって本当に不思議な体験ですよね。日本の技術って凄いんですよ。
恵比寿新聞
いや・・・すごすぎですよ・・・この他にもいろいろ日本の技術の粋が備わったプロダクト教えてください。ワクワクしてきた。
電球?
恵比寿新聞
中島さんのお店は電球も売ってるんですか?
中島社長
確かに電球の作る技術がこの商品のアイデアいですね。この商品は今まで電球を作ってきた吹きガラス職人が作った「うすはり」のスパイス入れなんですよ。
恵比寿新聞
確かに物凄く軽いですね。しかもめちゃくちゃガラスが薄い。
中島社長
大正時代に電球を作っていた松徳硝子(株)さんと株式会社K&K代表の黒川雅之(黒川紀章の弟)さんのコラボレーションでできた商品なんですよ。
このグラス触ってみてびっくりなんですがとにかく薄い。しかも軽い。
そして形状がなんだか職人さんが吹きガラスで「ふっ」と噴いたような
有機的な質感が何とも手触りと見た感じで風船みたいなんですよ。
日本の職人の技と素晴らしいデザイナーとのコラボでここまで凄い物が
できるとは日本の伝統技術凄い!
商品を通じて日本の良さを再発見
恵比寿新聞
中島さん。本当に日本の粋が集結した素晴らしい商品の数々で聞いて見て触ってみないとわからないですね。これは。
中島社長
なのでお店を作ったんですよ(笑)もともとはWEBショップから始まっているんですができれば手に取って見てもらいたいという思いでお店を開いたんです。
恵比寿新聞
そろそろ東京オリンピックもあり海外のお客さんも見越してのお店だったんですか?
中島社長
それもそうなんですが、まず日本人である我々がこの日本の伝統技術を知る必要があると思っているんですね。こんな素晴らしい技術やスピリットは消してはいけないと。
恵比寿新聞
しかも素晴らしいプロダクトデザイナーさんと伝統技術を持つ職人さんのコラボレーション商品というところも素晴らしいと思います。
中島社長
そして我々が思っている形は「物を贈る」という文化が多い日本のシーンで「誰に贈るのか?」というプロセスを大事にしているんです。
目上の人に贈るという視点のギフトショップ
恵比寿新聞
確かに。この間お世話になっている会社の方の退職祝いで何を贈ればよいのか悩んだことがあります。
中島社長
年配の方は特に贈り物に対しての「ストーリー」を楽しまれる方がいらっしゃると思うんですね。
恵比寿新聞
なるほど!例えば「すずがみ」などは「叩かれて叩かれて」それでも強くなれよ!というメッセージも込められる!ってわけですね。
中島社長
ん~・・・まぁそういうことです(笑)どういうシーンで贈り物を贈るのかスタッフに相談いただければそのストーリーにあった商品をご紹介することもできます。
恵比寿新聞
いやぁ~日本の伝統技術の凄さと物を贈る気持ち。勉強になりました。ありがとうございます。
物を大切にする国「日本」
日本って凄い技術大国なんですね。この他にも驚くような商品が沢山
wabistさんにはありました。そして中島さんの日本を思う気持ち
本当にこういう思いを今僕らは大切にしていかないんじゃないのかなと
思いました。手間をかけて鉄を打ち強度を上げて一生もつものを作ってきた
先人。町工場の技術が今リデザインされて我々の普段使うような食器や
生活必需品として生まれ変わるその様相は新しい日本を感じた次第です。
すぐに壊れる安物より手間暇かかった一生ものを買う方が実は安いんじゃないかな。
「一生」繋ぐ仲間・友人・家族にこういった贈り物は本当に喜ばれますね。
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