恵比寿で大正時代から続く酒屋のご夫婦の奮闘記。
ということで前編・後編と2部に分けて
おおくりする「JOLLYS」のお話。
前編記事はこちら
前編ではJOLLYSの前進「阿波屋酒店」の
お話から現在切り盛りする峯村夫妻の馴れ初め
などをお伺いしました。後編は阿波屋酒店が
JOLLYSになる秘話を伺うことに。
恵比寿新聞
そういえば僕の記憶では一時期コンビニになりましたよね?
妙子さん
そうなんです。先代の父が「お酒だけじゃなくて色んなものを取り扱うお店に」という事でコンビニエンスストアと酒屋を合体させた業態に変更しようという事で。その時に0から旦那が手伝ったんです。
恵比寿新聞
ほぉー。そういう経緯があったんですね。でJOLLYSになったきっかけってどんなものだったんですか?
妙子さん
これを話すとかなり長くなるな・・・・父が入院しているときの話なんですけど、既に酒屋をコンビニにしてその次私たちの代になったらどうしようというおぼろげな構想があって、入院中の父にそんな「これからの夢」を話していたんですね。
恵比寿新聞
「これからの夢」ってどんなはなしですか?
その場で飲める酒屋
妙子さん
ずばり「その場で飲める酒屋」をやりたいって話をしてたんです。しかも今の時代に合った形の「角打ち」。そんな話をしていたら父は「昔の阿波屋酒店にも角打ちできる小さなスペースがあったんだよ」って話になり。
恵比寿新聞
たしかに。「角打ち(かくうち)」ってそもそも昔からあったスタイルですからね。お父様にその話をした感触ってどうだったんですか?
妙子さん
「いいんじゃない^^」って応援してくれたんです。そして父が亡くなり、たくさん夫と話し合いを重ねた結果、「JOLLYS」が生まれることになったんです。
恵比寿新聞
お父様も応援してくださっていたんですね(:_;)大正から続く阿波屋酒店がコンビニに変わりそして全く新しい角打ちスタイルの「JOLLYS」になるわけですね。
妙子さん
はい。旦那と共にコンセプト・内装・やることに関してもかなりこだわり抜きました。
コンセプトは
音楽・海・酒!
恵比寿新聞
(笑)もうそのままじゃないですかw「好きを集めました」みたいなw
妙子さん
あはは(笑)夫はサーファーだし、私達音楽が大好きだし、私がフロリダとカリフォルニアの留学で経験した「アメリカンの粋なお店」を再現したかったし。外国人の人にも楽しんでもらえるように、学んだ語学スキルも生かしたいし。そして・・・・
恵比寿新聞
そして??なんかこわいな・・・
妙子さん
二人ともお酒大好きだし♥
恵比寿新聞
ですよねー(笑)で!そもそも「JOLLYS(ジョリーズ)」ってどういう意味なんですか?
妙子さん
「JOLLY(ジョリー)」自体は楽しい、愉快な、陽気なという意味をさす言葉なんだけど、お酒が入ると・・・
恵比寿新聞
入ると?・・・・これもこわいな・・・
妙子さん
上機嫌の、ほろ酔い機嫌の、すてきな、気持ちのよいという意味に変わるんですよ^^
恵比寿新聞
へぇー。「S」は?カンマで区切られていませんね。
妙子さん
「jolly」に、お客様、仲間たち、お世話になっている方々、みーんなまとめて「S」を付け、「JOLLYS」という造語にしました。
恵比寿新聞
さて、JOLLYSのコンセプト。お酒はあります。海はさっきからサーフィンの映像が店内に流れていますまではわかりました。「音楽」は?あっ!一番奥にステージありますもんね。
妙子さん
いや。あれは元々なかったんですよ。アメリカの古材を貼って白く職人さんに塗ってもらって、その裏がスタッフ用のバックヤードだったんだけど・・・
恵比寿新聞
だけど・・・このタメるの・・・なんかこわいな・・・
妙子さん
ある日突然!ステージにしちゃおう!って思いついて、壁を壊しちゃいましたー(*^^)v
恵比寿新聞
えーーーなにそれwしかもその天真爛漫さ・・・・もったいない・・・
妙子さん
良いと思ったことはやりたい派なので(*^^)vでもその前に恵比寿新聞さんうちにスタジオあるって知ってますか?
恵比寿新聞
え!?看板には「liquor store &sound studio」って書いてるから。。奥のステージがstudioかと思ったけど。。。まさか・・・
なんと地下にスタジオが
恵比寿新聞
あれ?ここの扉って・・・もしかして・・・
※ここからは旦那さんの幸さんにバトンタッチ
幸さん
はい。実は地下に音楽スタジオ完備してるんですよ。
恵比寿新聞
まじで?・・・ん?だからミュージシャンや音楽好きの方がJOLLYSに多いんですね。
幸さん
ちょっと覗いてみますか?
恵比寿新聞
是非是非。
恵比寿新聞
昔はこの地下室ってなんだったんですか?
幸さん
倉庫ですね^^
恵比寿新聞
そっかー。酒屋さんって奥か地下にストック用の倉庫とか冷蔵施設ありましたもんねー。なるほどー。
幸さん
その場所を今は半分スタジオにしたんですよ。
立派なstudio!
恵比寿新聞
はー!なるほど!リハスタ!(リハーサルスタジオ)
幸さん
そうですね。録音スタジオというより練習用のリハスタですね。
恵比寿新聞
でもあの狭い階段をベースアンプとか大型の物とか運べないのでは?・・・
幸さん
大丈夫です。実は裏から車で搬入できる構造になっていて。たまに近くのライブハウスに出演するミュージシャンとかがここでリハやったりしていますね。
恵比寿新聞
すげー!という事はここでリハして終わったら上で飲めるって・・・最高やん・・・
幸さん
はい。みんな練習終わりに飲んでますね。
げっ。もう飲んでる・・・
帰ってきたらうちの編集部の皆が
楽しく角打ちしていました。。。
編集長はこんなに働いているのに・・・
恵比寿新聞
なんだか楽しくしっぽりやってますね・・・
幸さん
そうですね。。
恵比寿新聞
ではこの間にJOLLYS一押しのクラフトビール教えてもらおうかな~!たとえば~・・・あ!幸さんが最初に飲んだビールって何でした?
幸さん
あっ!それならありますよ^^
BINTANG(INDONESIA)
恵比寿新聞
おぉー!ビンタン!インドネシアのビールですね^^
幸さん
僕がまだ若かったことインドネシアのバリにサーフィンで行ったときになんですけど。その時全然ビールなんて飲んでなかったんですよ。でも初めてこの「ビンタン」を飲んだ時に「あっ。ビールって美味しい」って思わせてくれたのがこいつですね。
恵比寿新聞
いや~サーフィン終わりに飲んだらうまいんだろうなー!ピルスナータイプでスッキリと飲めるタイプ。バリやインドネシアに旅行した人なら「懐かしいなー」となるでしょうね。その他のおすすめは?
LONG ROOT ALE
幸さん
この「LONG ROOT ALE」はファッションでも有名なパタゴニアが出したビールなんですよ。
恵比寿新聞
へぇー!あの環境問題にも熱心なパタゴニアがビール出してたんですね。
幸さん
結構飲みやすいですよ~。
※LONG ROOT ALE※
ロングルートの意味は「ながーい根っこ」の意味でこのビールの原料となっている麦が我々が飲んでいる1年で育つ小麦ではなく「多年生」という毎年土壌を変えて種を植えてという1年生とは違い、継続的に麦を採取する品種から生まれた環境にやさしいビールなのである。
STONE IPA
恵比寿新聞
お次は?
幸さん
STONE IPAですね。良い香りと独特の苦みが最高のクラフトビールですね。
恵比寿新聞
おぉー。まさに昨今のクラフトビールの兄的存在。ホップを押し出したクラフトビールのパイオニア的なビールですね。恵比寿新聞のおすすめはこれですね。
Old Rasputin
恵比寿新聞
いや~。これをはじめて飲んだ時「スタウトのコク」と「上質な香り」に大感動して。しかもアルコール度数9%と高く。これが沢山JOLLYSにあるのは本当に「俺の冷蔵庫」的な(笑)
幸さん
そうだったんですね。これ本当に美味しいですよね~。
恵比寿新聞
はじめて飲んだのがバーガーマニアさんで。それ以来探しておりました。
アメリカンクラフトビールを輸入する
ナガノトレーディングの佐藤さんが
丁度JOLLYSにいらしゃっていたので
お話を伺いました。
恵比寿新聞
佐藤さん。JOLLYSができたことによって変わったことってありますか?
ナガノ佐藤さん
そうですね。この気軽に入れるオシャレな環境でクラフトビールを角打ちできるお店って少ないのでたくさんの方にアメリカのトップクラスのクラフトビールが楽しんでもらえるのはわが社としても本当に嬉しい事です。
あれ?デート?
恵比寿新聞
あれ?お子様?
ちびっこ
・・・・・
恵比寿新聞
デートですか?
ちびっこ
・・・・
恵比寿新聞
仲良しですね・・・
妙子さん
そう!恵比寿新聞さん!実はJOLLYS!子供にも優しいお店なんですよ!!!!こうやって子供用の椅子も用意しているんです^^
恵比寿新聞
なるほど~!
妙子さん
たまに親でも飲みたい時あるけど子どもがじっとしていれなくてとか、大人の酒場ってどうしても子供にとっては退屈じゃないですか?
恵比寿新聞
確かにね。
妙子さん
これは私の経験からなんですが、そんな子供も退屈にならないようにJOLLYSは色々と工夫しているんですよ^^
たのしそう!
恵比寿新聞
たとえばどんな工夫なんですか?
妙子さん
この椅子もそうなんですが、店内に遊べるおもちゃや絵本も完備しているんです^^
恵比寿新聞
親は机で角打ち。子どもはジュースとおもちゃで乾杯というわけですね。
妙子さん
そういうことです^^
という事で店主の「好き」がぎっしり詰まった
こちらのJOLLYS。場所は恵比寿駅から徒歩5分。
明治通り沿いの渋谷方向に向かった左手にあります。
大正から平成にかけて変化していく「酒屋」という
文化をここまで自由にアップデートし地域にとって
かけがえのない「ハブ」になってるJOLLYS。
今後とも目が離せないスポットです。