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渋谷氷川神社例大祭特集「お神輿はみんなと神様を乗せて」丹後会宮入編

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前回の記事では戦前から引き継がれ

昭和30年代の町名変更で組織された

「丹後会」。一時活況を見せる物の

バブルを経て都会の問題で担ぎ手が減り

危機的状況に陥る中で2代目・3代目が

奮闘し神輿を復活させるという歴史的な

お話を伺いました。渋谷東にある「丹後会」

 

今までお神輿の取材を5年間続けてきました。

「一体お神輿の取材で何が伝えたいのか?」

今回の「丹後会」の渡御取材にお付き合い

させて頂いてようやくその「意味」が

見えてきたんです。神輿祭りに興味もない方も

お神輿が大好きな方も「なぜ我々は神輿を担ぐのか?」

という壮大なテーマのもと、今回の記事を

書きたいと思います。

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さて、こちらは本祭り当日の丹後会神酒所前。

お神輿は「御霊入れ」に始まり「宵宮」という

前夜祭を経て、「本祭り」に入るのがこの辺の

お神輿の流れなんです。なので実質3日間は

お神輿の行事があるということなのです。

お神輿が上がる前のこの緊張感がたまりません。

不思議な緊張感と1年ぶりに顔を合わす喜び。

そんな気持ちが交差する瞬間なんです。

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「たすき」をかけるのが「神輿責任者」と言われる

役員のみなさん。順路を確認し、どこを回るのか?

交通の安全確認は誰がやるのか?神輿を先導する

のは誰なのか。そのほか、皆さんの水分補給の為の

休憩場所の確保、他の祭礼会との連絡のやり取りなど

お神輿の仕切りは一筋縄ではいかない大変な作業。

これも「チームワーク」がなせる業なんですね。

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神輿責任者の吉田 典央さん。

今年は渋谷氷川神社の宮入の時に

神輿を誘導して「木入れ」するという

大事な大役を任せられたそうです。

恵比寿新聞
吉田さん。今年は氷川神社宮入の木入れ役じゃないですか!緊張してもう拍子木ぐらい下半身がカチカチなんじゃないですか?

吉田さん
いやいや(笑)なんでカチカチなんですかwまぁ緊張はしてますけどね…

恵比寿新聞
やっぱ「木入れ」って難しいんですか?

吉田さん
ん~。。んまぁ~独特の「空気読める」という技が必要ですね。。

>>木を入れる(木入れ)とは…
お神輿の上げ下ろしの際に頭(場所によって違いますが、この場合吉田さん)が拍子木(四角の木の棒)を持ちまっすぐ綺麗にお神輿がパーキングできるかどうかを先導するとても重要な役割。きれいに入ったら「カンカン!」と拍子木が鳴らされ「木が入る」となり神輿が下げられる。綺麗に入らなければ「戻せー」と言って神輿を下げてまた入れる。いわば「運転手」と「誘導員」のような大事な役割。

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これが「木入れ」の木が入る5秒前です。

差し詰め 「MajiでKi入れる5秒前」なんです。

恵比寿新聞の真後ろにはお神輿がギリギリいます。

このように神輿を見据え「まっすぐ来てるか」

拍子木を使い誘導しながら、そしてそのウマにのる

頭を見ながら神輿は入ってゆくのです。

話を戻します。

恵比寿新聞
独特の「空気の読める」っていうのはどういうことですか?

吉田さん
例えば曲がって入ってきた時は「戻せー」と言って神輿をバックさせてもう一度神輿に入ってもらうんですよ。もちろん真っすぐ綺麗に入れば「木を入れる」のは当然なんですが・・・

恵比寿新聞
なんですが?

吉田さん
やっぱ戻されると「次こそうまく入れるぞ!」と徐々に盛り上がってくるわけですよ。でももしですよ。1発目から綺麗に入ると・・・・

恵比寿新聞
入ると?

吉田さん
「え?入った?」か「えーーー!?はやー!!!もう終わりーーー!?」みたいな現象が起こるんですよ(笑)

恵比寿新聞
いや。それは吉田さんが悪いですよね(笑)

吉田さん
いやいやwww僕悪くないっすよwwww

恵比寿新聞
なるほど。そういう「空気読め」的なことがあるんですね。

吉田さん
これはお神輿やってないとわからないですよね。。

 

いわゆるメソッド化できないエモーショナルな

判断が必要なんですね。

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おっ。何か始まるようです。

小俣2号
えー。どうも2号でございます。今年もみなさんよろしくお願いします。それではソプラノの方とアルトの人と別れてください。

氏子
ザワザワザワ・・・・・

小俣2号
はい。今のは冗談です。まずは恒例の発声練習からやりますので僕がxxxxと言ったらそれに返してxxxxと返してください。行きますよ。

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ウラーー♪

ウラーー♪

ウラーー♪

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ウラーー♪

ウラーー♪

ウラーー♪

練習する祭礼会初めて見たわwww

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ということでお神輿が神酒所から上がります。

まずは1本で絞めて(パパパンパパパンパパパンパン)

するとお神輿が上がるシステムです。

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神輿が出発いたしました。向かう先は「恵比寿駅前」。

「1番目の花」と言われる槇原敬之が歌っていそうな

そんな呼び方をされているこちらの舞台と言っても

過言ではない「恵比寿駅前ロータリー」

なぜならギャラリーが多いので

盛り上がるんですよ。すんごく。

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丹後会さんの氏子さん(担ぎ手)は総勢約100名。

多いとはいいがたいのですがその分とてもアットホーム。

え!?お神輿ってそんな大人数で担いでるの!?

と驚かれると思うのですが平均で150人~200人。

入れ替わり立ち代わり担ぐんですね。

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わかば会さんじゃないですか~!!

しかも高張が恵比寿チャキチャキガールズ!!

毎年大人の女性に変貌を遂げているな~。

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と思ったら駒沢通りでまさかの鉢合わせ。

これは盛り上がるに違いない。

きっと朝、神酒所で練習したあの

掛け声が聞けるのではないかと

思った瞬間!

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ウラーー♪

ウラーー♪

ウラーー♪

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ウラーー♪

ウラーー♪

ウラーー♪

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ウラーー♪

ウラーー♪

ウラーー♪

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ウララーー♪

ウララーー♪

ウララーー♪

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ウラーー♪

ウラーー♪

ウラーー♪

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と、一つ違うのが混ざっていましたが

気づけばもう恵比寿駅を通過しておりました。

ウラー♪連発!!!!

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見てください。恵比寿駅前の駒沢通りが

お神輿で埋まる瞬間を狙い撃ち。

まず第一の盛り上がり場所なのです。

毎年本祭りの時期は12:00ごろから

この光景が見れますので皆さんお楽しみに。

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恵比寿駅前ロータリーを渡御した後は

渋谷橋に移り氷川神社の連合神輿。

いわゆる待ちに待った「氷川神社宮入」

なのでございます。

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ここ「渋谷橋」に7基のお神輿が集結。

13:15を境にお神輿が一斉に出発。

明治通り片側がお神輿で埋まる

夢と冒険のアドベンチャーなのであります。

もう一つ楽しみがあるんです。

お神輿が一気に集まるのでお神輿好きの

皆さんに再開できる日でもあるのです。

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毎年こうやって皆さんの記録をしているんです。

こないだまで赤ちゃんだったのに今はもう歩いて

お神輿を見に来ていたり、今年結婚しました!

っていう方もいたなー。とにかくみなさん変わらず

今年も元気にお会いできるのが楽しみな瞬間です。

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さて、いよいよ丹後会の宮入がスタートしました。

今年2017年丹後会は7年に1度の「1番基」

一番最初に渋谷氷川神社に宮入するお神輿です。

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一番前を先導するのはお囃子。

こちら一昨年お世話になった「元広尾」さんが

毎年こどもたちのお囃子部隊を形成して

先導してくれています。みんな上手!!!!

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そのお囃子の後ろには

渋谷氷川神社連合神輿の「高張」

高張役は女性が多いのですが

これが結構風に煽られると大変。

みなさんしっかり腰でもってます。

その後ろにいるのが「手古舞」という

女の子たちの集団です。

「よ~いやさ」と言って片手に持った

金棒を「シャリン」と鳴らして

ゆっくりと進んでいきます。

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ウラーー♪

ウラーー♪

ウラーー♪

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見事ですよね。

みんなが神様を乗せて町の人たちの

健康を願って担いでいる。ずいぶん前に

外国人観光客から「日本人はなぜ神輿を担ぐの?」

という問いに答えられなかったことがあったんです。

恵比寿新聞の勝手な持論なのですが

もしかしてこうだったと思うんです。

地震や水害の多い国「日本」。

もし地震で重い物の下敷きになったりした時

地域のみんなで力を合わせないと

できないことって沢山あると思うんです。

声を合わせて持ち上げたり、

右から左へ移動させたり、

もしかして「神輿祭り」はこんな災害の多い

日本ならではの「防災訓練」だったのかも。

神輿があることで地域がつながり

毎年楽しくそしてつながりながら継承していく。

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そんな妄想話をしていたらいよいよ

氷川の神酒所に到着しておりました。

ここからが宮入のクライマックスです。

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氷川の祭礼会の先輩方が

今年の宮入一番基「丹後会」を

待ち受けてらっしゃいます。

こちらでお神輿をさしまして(神輿を上げる)

そのまま氷川神社の参道へと

入っていきます。

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これがいつ見ても見事なんですよね。

参道には的屋さんが並んでいるので

的屋さんは屋台の屋根を全部あげるんです。

これが「モーゼの十戒」のごとく

海が開けるように「バサァー」と開くのです。

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さぁこの参道を上がれば

お宮です。ここからまた

担ぎだして宮入をいたします。

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はっ!宮司さんが既にお待ちになっています。

今年一番最初に入る神輿。感動です。

そして・・・・・

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吉田さん緊張して石像みたいになってるww

いや。笑っちゃいけない。

ここに立つまでには並々ならぬ

努力があったんです。

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さぁ。神輿が入ってまいりました。

この時の威勢たるや半端ない!

だって7年に1度の一番基ですから。

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よっしゃー!!!!!!

順調にまっすぐと神輿が!

その調子でございます。

手に汗握る宮入。うまく入るか?

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本当に凄いっすね。

見事に綺麗にお神輿がまっすぐ。

何十人の皆さんが1つの神輿を

担いで真っすぐ進むこと自体

難しいんですよ。

でもこの時ばかりはきれいに。

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木が入りました~

カンカン!

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無事宮入が終わりました。

昨年のお礼に続き今年の健康と無事を

祈願して皆さんお参りいたします。

この瞬間が一番清々しいんですよね。

そして丹後会の一行はそのまま再び

神輿を担ぎ、宮を出るのであります。

そして再び木が入ります。

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お!やすさん!

こちら駒沢通沿いにあります

ダーツバー「seems」の若旦那

やすさんも神輿好きなんですね。

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木が入りました~

カンカン!

いやぁ~無事宮入が終わりましたね。

氷川神社の裏口でみなさんお昼休憩。

そういえば小俣さん1号がこんな事言ったなぁ~

ポァワンポワァン。。。。。。

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小俣さん1号
恵比寿新聞さん。宮入が終わったら丹後会では「○○」を食べるんですよ。うちの祭礼会はあんまりお金ないのでいつも○○なんですが、「これじゃなきゃヤダ」っていうやつがいるくらい「こんな美味い○○食べたことない!」ってなるんですよ~。不思議なんですけど。。

 

って言ってたのがこちら

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100円マック

恐る恐る食べてみたんですが・・・・

今まで食べていた100円マックはいったい何だったんだってぐらいクソうまい!!

んですよ。

恵比寿新聞
やべぇ。小俣さんめっちゃうまいんですけど。このマック。どこで買いました。

小俣さん1号
いやいや。恵比寿野駅前のマックですよ。

 

※この後こっそり恵比寿駅前のマックで100円マック買ったら味が違った。。。。

ということで休憩が済んだら

自分たちの町内を回る渡御に戻ります。

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こうやってお父さんの肩に乗せられて

お神輿を担いだら大きくなったら

お父さんみたいにお神輿担ぎたいって

子になるんだろうなぁ。

だってかっこいいもんね。

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いろんな町でお神輿があがりますが

皆さんの町ではどうやってお神輿が

継承されているんだろうか?

丹後会の神輿は本当に町の人たちの

あたたかな思いで継承されている。

小俣さん2号がこんな話をしていた。

小俣さん2号
昔丹後で神輿を担いでいた人が戻ってきてくれるようにお神輿の担ぎ方も上手でなくても気軽に担げるようにしているんです。うちは本当に小さな祭礼会なので担ぎ手も沢山というわけにもいかないし。常に若手も採用していますよ^^うちの今若手のホープは高校一年生の山梨君。お父さんも丹後で若いころから担いでる人なんですよ。こどもたちに引き継いでいかないと。

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そういえば小俣さん。

しきりに中学生や高校生の子たちに

丁寧に指導していたな…..

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そんな小俣さん兄弟もこの町で育って

先輩たちに教えられて育ってきたのかな。

こうやって継承されているんだな。

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気づけば日も落ちて

いよいよクライマックスに突入です。

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丹後会の町内って本当に小さいんです。

そして各氏子の家の前で必ず止まって

高らかに神輿をさすんですよ。

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お婆ちゃんとか楽しみでおうちの前で

待ってるんですよ。手をたたいて喜んで。

「もうすぐうちにもお神輿来るから^^」

って本当に楽しみにしている。

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もしかして本来都会に必要な

人のつながりってこういうことなのかな。

今や隣に誰が住んでいるかわからない時代。

こうやって神輿を担ぐことで人がつながり

助け合って生きていくという流れ。

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あ。吉田さんの顔がなんだか

「今年もやりきったなー」

って顔に変わっていました。

そして静かに木が入りました。

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どこかさみしそうで。

「今年も終わったね」なんて

みんな声を掛け合って。

丹後の神輿が今年も終わりました。

小俣さんがこんな写真を見せてくれました。

小俣さん2号
うちの直会(なおらい)※打ち上げ※はこの道に100人が机を出して飲み食いするんで是非最後まで見て行ってください。昔と変わらずなんです。

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ということで

直会にも参加させていただくとに。

そこで見た光景が。なんて風情が

あるんでしょう。こちらです。

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こんな呑み屋あったら
毎日くるわ(笑)

見てください。この圧巻の景色。

先ほどまで担いでらっしゃった

氏子の皆さん総出で道端で

今風に言うとポットラックパーティー

ですよ。すごい。。あこがれる。。

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時代は変わるけど

変わらなくていいものもあって。

しょうがなく変わっていくものもある。

でも大切なものを守ろうとする気持ちで

皆さんがつながっていれば永遠に続く。

僕らの町に大切なものって何だろう?

今回の丹後のお神輿はそんなことを

「神輿」というメッセージで

しっかり教えてくれたとても貴重な

取材になりました。ありがとうございます。

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