恵比寿新聞は東京恵比寿の粋な情報を発信するWEBマガジンです。

夜な夜な飲食人や面白人が集う謎の海おでんと日本酒の店「はなたれ」

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丁度夜に恵比寿の落語家の立川志の彦くんと

久しぶりに呑もうという事になり恵比寿1丁目に集合。

恵比寿新聞
今日は志の彦君の行きつけにいこうやないか。

立川志の彦
であれば僕の家から歩いて数分の良いお店があるんですが。そこでどうですか?

恵比寿新聞
いいね~。いっちゃおういっちゃおう。

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ここは恵比寿1丁目の奥地。

通称、「グルメ通り路地裏」って所で

昼間は猫がニャーニャー言っているような

昭和の風情が残るメイン通りから裏手の道。

こんなところにポツリとお店がある事に驚き。

恵比寿新聞
志の彦くん。ここなんと言うお店なの?

立川志の彦
あっ。ここは「はなたれ」というお店でして。

恵比寿新聞
あっ!!はなたれ!!最近よく聞く名前のお店!!

 

実は去年の末から色んな人から

「はなたれって店良いですよ~」とか

「昨日ははなたれで呑んでましたよ。」とか

聞いていまして。とても気になっていたお店。

それでは中に入ってみたいと思います。

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とってもこじんまり

お店の席数なんと10席。

10坪もあるかないかの大きさに

ビッシリと並べられた日本酒の数々。

そして奥にはおでん。ん~オールドスクール。

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なんか宣伝したそうな顔

恵比寿新聞
なんか宣伝したそうな顔だな。

立川志の彦
実はここで21日に落語やらせてもらう事になったんですよ。

恵比寿新聞
え?ここでやるの!?こんな小さな店で(笑)

立川志の彦
はい。なんとか高座を作ってやらせてもらうつもりです。それと・・・

恵比寿新聞
なに?まだあるの?

立川志の彦
はい。2月25日に以前恵比寿新聞でも取材したSEVENという場所で隔月でやらせてもらっている「恵比寿みちくさ落語」があるんですよ。

恵比寿新聞
へぇ~。じゃあもうビール飲んでもいい?

立川志の彦
いやいや。ちょっと待ってくださいよ。そこで今回なんとパリなかやまさんと共演させてもらう事になって。

恵比寿新聞
なにその「浅草芸能」的な(笑)へぇ~。じゃあ頑張ってくださいね。もう飲んでいい?

立川志の彦
じゃあ乾杯という事で。

 

という事で乾杯の義に。

ビールは琥珀ヱビス。壁には「海おでん」の文字。

「海おでん」?聞きなれないおでんの名前。

塩ベースのおでんなのかな?具が海物?

想像を掻き立てられるわけで。

考えていてもしょうがないので

お店の店主村本さんに話を伺ってみた。

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恵比寿新聞
村本さん。この「海おでん」ってのはどんなものなんですか?

はなたれ村本さん
そうですね。基本は関東ベースの味付けでたまり醤油を使った出汁なんですけど、グツグツと煮込む具のいわゆる「おでん」的な物もあるのですが、ほとんどはオーダーが入ってから少し煮てお出しするのが特徴ですね。

恵比寿新聞
少し煮てから。おぉー。出汁の色を見ると結構濃い色していますね。茶系の黒というか。

はなたれ村本さん
軽く煮込んでもしっかりと味を感じるように濃い目の出汁にしているんですね。

恵比寿新聞
静岡おでんの色に近いですね。具はどういう物があるんですか?

はなたれ村本さん
じゃあ抵当にお出ししましょうか?

恵比寿新聞
はい。お願いいたします。

はなたれ村本さん
ではまずスタンダードな物から行きますね。

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やばい。うまそう。

恵比寿新聞
なにこの豆腐の「都会の色に染まった」感じ。真黒じゃないですか。そしてこの大根。物凄く出汁が沁みてる。タマゴは半熟だ。

はなたれ村本さん
これは結構煮込んで出すタイプのいわゆる「おでん」ですね。

恵比寿新聞
豆腐頂きます。ハムっ・・・ん!!??出汁が沁みてて旨い!

立川志の彦
はなたれの豆腐は結構名物クラスですね。大根も食べてみてくださいよ。

恵比寿新聞
大根ね。じゅるっ・・・・あーー。出汁がほとばしる・・・口が出汁の洪水です。洪水です。避難してください。

立川志の彦
恵比寿新聞さん。大丈夫ですか?(笑)

恵比寿新聞
しかも出汁が濃すぎず、丁度の塩梅で。んー日本酒飲みたくなってきました。

立川志の彦
ですよね。じゃあそろそろ日本酒行きますか?村本さん。お勧めをお願いしたいんですが。

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はなたれオリジナル

はなたれ村本さん
このお酒は神奈川県北部にある大矢孝酒造さんが「はなたれ」の為に作って頂いたお酒なんです。元々こちらの酒造さんでは「昇龍蓬莱」というお酒が既にあるんですが「はなたれ」の魚料理に合うためにスペシャルエディションで作って頂いたお酒なんですよ。

恵比寿新聞
へぇー。神奈川県にも酒造さんがあるんですね。ちなみに村本さんのご実家は?

はなたれ村本さん
あぁ。僕は神奈川県の横浜なんです。

恵比寿新聞
そうなんですね。しかし、はなたれのためにスペシャルエディションを作ってもらえるなんてなんて愛されてるんですか。それほど日本酒がお好きなんですね。村本さんは日本酒を好きになった切っ掛けってなんだったんですか?

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ある一杯の「熱燗」が人生を変えた

はなたれ村本さん
大学生時代ですね。それまでジンばっかり飲んでたんですよ。

恵比寿新聞
ジンってあの洋酒の?

はなたれ村本さん
はい。でも丁度大学に行って四年の時に藤沢にある「とちぎや」という純米酒専門のお店ですすめられて飲んだ熱燗に感動して。

恵比寿新聞
あぁ。自分に合うな~と思ったわけですね。

はなたれ村本さん
はい。それから色々と日本酒の事を調べ始めて色んなお酒を飲んで。「自分のお店を持ちたい」と思うようになって。大学辞めてしまいました(笑)

恵比寿新聞
大学辞めたんですか!?えーwそういえばバーガーマニアの守口さんもハンバーガーに魅せられて大学をやめたんじゃなかったっけな・・・村本さんも日本酒に魅せられて大学を辞めて料理の道を?

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大学よりも日本酒を選んだ

恵比寿新聞
で、辞めてどうしたんですか?

はなたれ村本さん
まずは料理の事全く分からなかったので料理学校に通いました。そこで和食の基礎を学んで。

恵比寿新聞
結構村本さん真面目ですね。その後は?

はなたれ村本さん
料理の基礎は学んだので、明治35年から創業の狛江市にある「籠屋 秋元酒店」という地酒専門店で修行することになって。

恵比寿新聞
ほぉーー!!そこで日本酒の基礎を学んだという事ですね。

はなたれ村本さん
日本酒という業界としてそして生産者の方の想いなど色々学ばせて頂きました。

恵比寿新聞
で、はなたれを?

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まだまだ続く修業

はなたれ村本さん
いえ。料理は学校で学んだだけなので、飲食店の運営などを学ぶために現場で働く事にしました。藤沢にある「いさり火」という魚料理専門店で2年務めて。

恵比寿新聞
で今「はなたれ」を運営されているという事なんですね。

はなたれ村本さん
そうですね。丁度そろそろ恵比寿に来て半年になります。

恵比寿新聞
どうですか?恵比寿は?

はなたれ村本さん
予想以上に下町で皆さん良くしてくれます。本当に良い町ですね。

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良い話じゃないか

恵比寿新聞
おぉー!?AtoNO RECORDSの田中さんじゃないですか(笑)

AtoNO RECORDS田中さん
ん~すごくいい話だよ~。僕はほっといてささ。どうぞ。

立川志の彦
AtoNO RECORDS??どちらの方なんですか?

恵比寿新聞
志の彦シャラーップっ!!!こちらの方は恵比寿三丁目の天窓スイッチならびに毎年クリスマスになるとガーデンプレイスで行われる恵比寿ゴスペル祭のプロデューサーでもあられる田中直人大先生であらせられる。頭が高い!

AtoNO RECORDS田中さん
まぁまぁ。さっき近くのポルコロッソの方から「ここは良いよ」と言われてきたんですよ。始めてきました。

恵比寿新聞
そりゃ奇遇ですよね。

はなたれ村本さん
そうですね。そろそろ次のおでんと日本酒を

恵比寿新聞
おぉー。是非是非。

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牡蠣とししゃも

村本さんの人生話を聞いた後に出てきたのが

こちらの海おでんの牡蠣とたぶんししゃも。

これがまた牡蠣が半生でトロッとして海おでんの

出汁に合う。ししゃもと思わしき魚に関しても

ホロッと身がほぐれて丁度海おでんの濃い出汁に

ピッタリ。ん~海物の具がここまでおでんに合うとは。

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丹澤山 麗峰 純米酒

神奈川県足柄にあります川西屋酒造店さんの

「丹澤山」。こちらはお燗で頂く事に。

うまい。ギュっと凝縮した旨みが特徴的で

まろやかな熟成した感じが絶妙。そして

お燗しているのでほわっと良い香りが旨い。

冷でも美味しいかもだけどお燗することで

熟成感がぼわっと増すかんじでこれは好きだな~。

と、ここでスイッチが入ってしまいました。

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菊姫 「菊」

石川県白山市の酒造「菊姫」の普通酒。

こちらも熱燗で頂きましたが、

エチケット通りオールドスクールなキリッとした

味わいにしっかりとした旨み。貝類などにも

合うようなしっかりとしたお酒でした。

いや~日本酒って面白いですね。

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菜の花とホタルイカ

きたきた。

このホタルイカを口に運んで菊姫で流し込めば

ん~・・・・言葉にならない永遠のループ。

菜の花のちょっとほろ苦い味もまたこの菊姫に

合うんですね~。あんまりマニアックに日本酒を

知らない初心者の恵比寿新聞でも楽しめる。

またまた違うスイッチが入ってしまいました。

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五橋 純米あらばしり

山口県岩国市の明治四年から創業する

老舗の酒造さんのお酒「五橋」

これがね、不思議と香ばしい薫り。麹?

ナッツの薫りを感じて、やや辛口。

しかししっとりといい感じのお酒でした。

こちらは冷で頂きました。ん~肉や濃厚な

肝系にもあうんじゃないかな~と。

したら出てきました。

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手羽先煮込み

すこし火であぶった手羽先を

長時間火にかけているのでほろっと肉が

ほどけますよと村本さんから。

これがまた五橋の芳醇で香ばしい香りに

ほろっと柔らかい手羽先が合うんですよ。

鶏のサラッとした油を五橋が流してくれる。

やっぱ「お酒」と「料理」の相性おもしろい。

思いっきりスイッチが入りました。

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海おでん「白子」

これも絶対に合うはず。

海おでんのシッカリとした出汁にあいました。

だめだ・・・このままだと無限ループが止まらない。

でも時すでに遅し。はなたれの村本ワールドに入り込み

また違うスイッチが入ってしまう。。

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純米無濾過生原酒 けんちの

長野県川中島の酒千蔵野さんが作るお酒。

川中島と言えば「川中島の合戦」で有名ですが

あの武田信玄公がこの千野の酒を飲まれたという

事で非常に歴史の古い酒蔵さん

こちらの杜氏さんはなんと女性。一人娘として

この酒千蔵野に生まれた千野麻里子さんが営む

酒蔵で、実はこの「けんちの」は千野さんの旦那さんが

作ったお酒だそうです。味はなんと言っても

特徴的な酸味と甘み。本当に特徴的でなんと言えばよいか。

そして出された逸品がこちら。

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羅臼昆布とマスカルポーネ

もう「ヒデとロザンナ」ぐらい混ぜたらキケン

的なネーミングですがこれがまた恐ろしく合う。

酒の肴としても最高の逸品で実はここ

恵比寿はなたれでも名物となっているそうだ。

そういえば志の彦君の気配が見えないけど・・・

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真面目に飲んでるねー

某グルメ雑誌の若手編集者の方も交えて

皆で何合飲んだんだろう・・・・

「お酒と彼女はにごうまで」

と言われていた掟を破ってしまいました。

すると村本さんから・・・・・

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はなたれ村本さん
ちょっと勉強の為に飲んでみませんか?

恵比寿新聞
なんですか?これは?ビンテージを見ると・・・ん!?1964年???

はなたれ村本さん
白ワインですね。知り合いが持ってきてくれたんですが売れ残ってそのままの状態で残っていたそうなんです。

恵比寿新聞
え!?大丈夫なの?

はなたれ村本さん
召し上がってみてください^^

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これがまさに歴史的なお味。

そのまま長期熟成された白ワインは

飴色になってなんとも言えない琥珀色。

味はビックリ。まろやかでいて非常にスッキリ。

シェリーを思わせるような熟成した味。

ん~日本酒だけじゃないんだな~。

気づけば深夜・・・・・・・

村本さんお会計!!

出てきたレシートを見てびっくり・・・

2人途中で1人参戦の3人で呑んでお会計

6800円

おそろしい・・・また来ます・・・・

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日本酒はなたれ
東京都渋谷区恵比寿1-26-12フラット16 1F
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